山百合

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7/18/2024, 7:01:47 PM

・3『私だけ』

地元に残った者同士、ちょくちょく顔を合わせることはあった。
仲がいいという訳ではない。
Kは歩きタバコをしながら私に気付き
手を振る。

正直苦手だ。

どーしたのー?って聞いてくる(声がデカい)
タバコをポイ捨て(やめろ)
大丈夫?と言われた

うん、何でもないー
ちょっとバランス崩しただけ。
って答えたら

で???
ホントは何があった??
とKは言う

こーゆー場面で男に頼んないのは君だけ
と続けるK。

めんど

【続く】

7/17/2024, 11:51:55 AM

・2『遠い日の記憶』

交番に寄ろうと思ったけど、もうなんだかどうでもよくなってきた。周りに誰もいない、防犯カメラもない、どうせ言ったところで捕まらないだろうし。

会社に連絡して午前休をもらった。
休むほどではないし。

嫌な事があれば
芋づる式に
嫌な事は思い出された。

怒りが記憶を蘇らせる。

もう誰でもいいから私に心から謝罪してほしい。
そう思っていたら向こうから同級生が歩いてきたのだ。

【続く】

7/16/2024, 2:03:22 PM

・1『空を見上げて心に浮かんだこと』

朝の通勤で自転車を漕いでいたら
後ろから来た自転車に追い抜きざまに後輪あたりを蹴られた。
ギョッとして見るとまだ小学生くらいの男の子だった。
声も出せずバランスを崩して自転車ごと倒れてしまった。
少年はどんどん遠ざかっていくし
自転車の下敷きになった足は痛いし

今日はもう仕事行くのやめよう、となった。
なんでこんな目に?
空を見上げながら少年に天罰が下ることを願った。
会社に電話するのも億劫だなと思いながら。

【続く】

7/15/2024, 4:41:29 PM

・7『終わりにしよう』

怒ったねえさま方に手を取られて
天上に引っ張りあげられたんだけど私の天女の衣は
襤褸のままだったから
結局また地上に落ちちゃった。

んもー、新しいのを用意してくれれば良かったのに。
2度目の落下は
只事じゃなくて。。

私、ずっと人間の老婆の姿で。
死ぬことも出来ず、
天女にも戻れそうになくて。。

泣いたわ、これ以上泣けないくらい。
もう終わりにしたい。
襤褸がびしょ濡れになっても抱きしめてたら
綺麗に衣が甦る!
フワフワ浮いてたから、それを眺めて

私は安心して眠った。

もう起きないわ。

【終わり】

7/14/2024, 7:50:18 PM

・6『手を取り合って』

せみなー会場の入口で来る人来る人の手を握って
羅漢や天女見習いになれるよう口利きするって言ったわ。
最初はみんなすごーく驚いてた。
でも最終的にはわかってくれたわ。
浄土にどんどん斡旋していったの。
『凄く成功してる人』はいつもご飯をくれるし。
人間社会に馴染んだわ。

渋谷や池袋、新宿でそんなことをしていたら
すごーーく問題になっちゃったみたいで
ねえさま達が怒り心頭で私を迎えにきたの。

その中には私が天女見習いにした子もいた。
手を取り合って天界にもどることになったわ!

【続く】

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