忘れられない、いつまでも
私は数年前から絵描きを志している
と言っても無名に等しいからほぼ趣味の範囲だ
SNSに上げては数人からいいねを貰う
その中の大半はネット上の友達だけれど
通知を見てはひっそりと微笑む
それが私の日常だった
ある日のこと
地域のワークショップイベントにて席が空いていたのでたまたま参加して絵を描いていた
並べられたクレヨンやら水彩やらに手を伸ばす子供たちの横で講師の話をBGMにかれこれ40分くらい描いた
講師の方からお褒めの言葉を頂き、帰ろうとしたその時
私の前に座っていた親子の女の子が私の絵を見て
「写真撮らせてください!」と言ってくれた
お母さんらしき人は「すみません…大丈夫ですか?」と微笑んでくれた
SNSのいいねより直接言葉にして受け取ったのはいつぶりだろうと思うと同時に胸が高鳴るほど嬉しかった
今でもあの親子のことはすごく心に残っている
絵を描くものとして、これ以上に嬉しいことなんてないんだから。
一年前
※暗いお話になります。ご注意下さい
とにかく居場所が欲しかった
新しい学校には既にグループができていて
私と同じ中学の人はいなかった。
いない方が幾分楽だと思っていたけれど
じわじわと寂しさが心を蝕んでいった。
あんなに中学では1人になることを望んでいたのに
手に入れたら虚しくて
馬鹿にされたり目を気にしたり
そんな日々が嫌だったのに
私の心は引き裂かれたみたいにぐちゃぐちゃになった
あの日から一年経ってもまだトイレの個室から出られなかった自分がみっともなくて
すごく悔しかった
それから、話術を勉強し、本を読んで努力した
友達もそれなりにできた
今の私は多分それなりに優しい子だろう
過去の暗くて皮肉ばかり言う私は心の奥にしまった
…でも夜布団にくるまって思い出すことがある
まだかさぶたの傷を来年はちょっとでも軽くすることができたらいいな
君と出逢って、
夕暮れ時も
満月の夜も
夜明けも
朝焼けも
全部君のためにあるんだね
そう思うくらいに
君はいつだって美しいと思った
耳を澄ますと
だいたいいつも電車のホームでアプリを開く
お題は耳を澄ますこと
そっと目を閉じて、静かに聴こえてくる
小さく遠くでツバメの声がした
そういえば駅のホームに張り紙がしてあったっけ
気づけなかったな
もうすぐ夏がくるんだろう
ただのオチのない、日常のおはなし
楽園
楽園とは何か
悩みも苦しみもない幸福に満ちた場所のこと らしい
それって本当に幸せなのだろうか
私は人間らしく悩み苦しみ乗り越えていく人が大好きだ
泥臭く地道に食らいつく姿には心動かされる
その先に本当の幸せが待っていると信じて
何も苦痛を受けることで幸せになれると言いたいわけではない
ただ、幸せの中に身を置くと当たり前になって薄れていく気がするから
もうしばらくは人間として生きたいと思う