深夜2時1分。
スマホをもったら
グダグダずっと画面を見てしまう。
怠けてばかりの私でも
今年の抱負くらいはある。
「ほどほどに」
実は毎年変わらない。
何をするにもほどほどにできていればいい。
逆に言うとほどほどにできていなければ
焦った方がいい。
自分の中でラインを決めるのは
かなり強い武器。
しかし、
そんなちょっと良さそうな事を言っても
山積みのタスクは終わらんわけで。
やる気も一切無し。
年明けずっと逃げてばかり。
糖分不足といって
1つ終わる度にチョコレートを1つ食べていた
あの頃の私が恋しい。
お菓子はあるけど
あの頃のほんの少し残っていたやる気は消え去り
苦しむ日が増えてきた。
今したいことが
過去の自分のせいで出来ないとか。
あるあるだし、
なんなら去年も一昨年も
5年前だってあったことだし。
睡眠は取れた方がいいって
誰かが言ってた気がするけど
ほどほどに取ろうかと。
とかそんなの言ってる場合じゃなくて。
ほどほど?
ギリギリの間違いなのでは?と
何回思ったことか!
決めるだけ決めて、
未来に任せすぎて
過去はどうにもならないのに自分を恨んで
時間管理は大事だとわかってるのに
大事にできない。
"Good Midnight!"
ほんとはどうにかしたい
絵馬もおみくじも
結んで隠す。
新年明けましておめでとう。
なんて
こいつらには一生言いたくなかった。
毎日毎日狂ったように宝くじを買う両親は
年末ジャンボに多額の金を払った。
結果はもちろん
ガチャを1回引ける程度のもので
いつものように2人はどこかへ行ってしまった。
残された私は
いらない宝くじを捨てに行った。
帰り道、
私は目を見開いて驚いた。
真っ白な蛇と真っ黒な猫が
一緒に歩いていたのだ。
思わず4度見。
猫はともかく蛇!
街中にいたら危ないんじゃないのか。と
オロオロしていたが、
人とすれ違わない。
さっきから妙に静かだ。
ここは本当に街中なのか?と疑うほど
シーンとしている。
蛇は段々私に近づいてきて
年末ジャンボを1枚欲しいと言い
びっくりして承諾してしまった。
後で冷静になって
ハズレばかりだったのを思い出した。
"Good Midnight!"
追いかけようか迷ったけど
クソみたいな日常に戻ることにした。
蛇が年末ジャンボの当落確認するなんて
馬鹿げた話はないもんね。
今日は大晦日。
嫌いな人も
死ぬほど転けて欲しいと思う人も
みんな口を揃えて
良いお年を!という
1年の終わりの日。
寝て起きたら年を越してたなんて
よくあること。
ネブラスオオカミもその一匹。
またある者は手紙の裏に
メモを書いていないか気にし、
ある者は姉を待ちながら0.5日の中で案内を、
ある者はフクロウに似ていて
夜中まで店を営業。
それぞれの者たちが
それぞれのことをしながら
それぞれの形で年を越す。
一見普通とも言える平々凡々な文だが、
とてつもない平和が隠れている。
誰しも平和には気づけなくなるもの。
私もまたその1人と言えよう。
今年が終わり、
また新たな者に焦点を当ててみるかは
気分次第。
ここでの今年もありがとうございましたは
"Good Midnight!"
にでも置き換えようか。
さようなら、2024年の辰年。
今年最後を四字熟語で表すと
睡眠万歳!
はい、寝ましょう。
大掃除。
私がいちばん嫌いなこと。
綺麗好きだけど自分の部屋は
ハムスターの部屋のように散らかっていて
とても友人を呼べるような所じゃない。
少し服を片付けただけでは
床は見えない。
まだ10分の2といったところか。
掃除機をかけたり
窓を拭いたり
たまに物の片付け。
ちゃぶ台に晩御飯を並べ、
1年を振り返るには丁度いいくらいの酒を
一気に飲む。
まだまだ子どもみたいな頭の中は
ずっと酒が無くても寝たいと思うばかり。
唐揚げを3つ、4つと食べていくうちに
酒の缶も増えていく。
1年前から飲む量が増え
だんだん酒豪になり
酔いはそんなに回らなくなったほうだ。
そのせいで不眠。
前までは酒飲み寝落ちが日常だったから。
だけど嬉しかった。
自分の人生が
酒に呑まれるよりかはマシだと思った。
まあでも
自分は何をしているのか
やることが出来てない
1人は寂しい
リア充はクソ喰らえ
そんな感じの
悲しきシャバい考えは
ぐるぐる浮かぶ。
ひと口、ふた口と飲むうちに
考えなんかコロコロ変わってくる。
いつかは寝れると信じて
常夜灯をつけて寝る私を
起こしてくれるタイマーは
いつまで経ってもならない。
"Good Midnight!"
それならとことん夜更かししてやろう。
友人におすすめされたアニメでも見よう。
生とも死とも思える
曖昧なエンドアニメを。
首にコップのように小さく、
壷のようなものが左右についている人に出会った。
やっと生き方を覚えた頃のことだった。
その人は割り箸で叩いて
楽しそうに音を聞いていた。
私は普通を手に入れたてだったから
その人の顔に映る輝いたものが
眩しくて、眩しすぎて
離れて見ていることしか出来なかった。
綺麗な紅色のショールを巻いて
その場から立ち去る姿を横目に
みかんを買って食べた。
思ったより酸っぱくて
口の中を取り出したくなった。
もしも私が
あの人のようになれるなら
優しい人になってみたい。
飛び切りの優しいを届けたい。
まだ曖昧でぼやけてるけど
私は私を信じておく。
最後のみかんを食べて
何にでも役立ちそうなことをした。
体力作り、睡眠時間、栄養摂取
身体から作ろうと毎日必死だった。
次にその人を見かけた時は
やっとコミュニケーションの取り方を覚えた頃だった。
勇気なんかいらないと投げ捨てて
声をかけた。
裏返る話し声は震えてる。
でもその人は
落ち着いて受け止めてくれて
あんなに酷い声だったのに
歌を歌うことを勧めてくれた。
一度歌ってみようと思うことがあったが、
緊張で心臓が止まりそうだった。
顔色で察してくれたのか
その人は壺のようなものの切除手術をするか
悩んでることを教えてくれた。
似たもの同士とはちょっと違うけど、
緊張とか悩むのは一緒で
この人も人なんだなと思えた。
翌日その人の壺のようなものに
"Good Midnight!"
というラベルが貼られているのに気づいた。
墓場まで持っていくことに決めたようで。
その人らしくて嬉しかった。
そんなその人を見ていたら
歌うか歌わないかだけのことで
もじもじしてる自分を
蹴っ飛ばしてやりたくなった。
吹っ切れて歌うことを決めた私は
その人と前より仲が良くなった気がした。
前よりみかんが甘い。
優しい歌を世界へ送り出して
どこに居てもその人へ届くように。