梅雨
紫陽花が綺麗に咲く季節
シトシトジトジト…感じる空気の重さ
ポツリポツリパラパラ…ふり始めの音
ザァーザァー本降り
ゴーゴーとどしゃ降りの雨の中
雨の音をちょっと考えたら結構思いついた
こと、嬉しいこと
梅雨の朝
体がスッポリ隠れて
傘の下から
長靴が出ているような
そんな頃から
雨の種類も色々あって
雨の音にも色々あって
雨の匂いにも色々あることを
学んだ
紫陽花を濡らす雨は
甘い匂いがして
新田の苗に静かに降る雨は
青い匂いがして
その新田に激しく降る雨は
土の匂いがして
道路に打ちつけ降る雨は
アスファルト匂いと
カエルの生臭い匂いが
するの…
どこからかともなく
カエルの合唱
そんなことを思い出す
梅雨入り前
2024年6月1日
心幸
無垢
「無垢」とは垢が無いと書くから手垢に汚れていないということなのだろう。
汚れていないことは幸せなことか?実際無垢なものは己の無垢さに気づかないだろう。
例えば赤ん坊に赤ん坊の真似は出来ないが4歳くらいになれば赤ん坊の真似は出来る。
処女が処女喪失の芝居をしても嘘くさいが
そうでない者がその瞬間を演じる方がリアリティが出るとはとある映画の台詞であるが、汚れを知って初めて無垢とは何かと分かる気がする。
垢にまみれてしまっている方が無垢の意味を知り優しく癒す力を持っているような気がする。
2024年5月31日
心幸
終わりなき旅
静かな河を渡る船を待っていた。
長い旅路が待っていた
色んな船がやって来る
豪華客船タイタニックも
カチカチ山の泥の船もだ
どれに乗るかは自由だった
私は選んでその船に乗った
はずだった
その船を漕いで行け
お前の手で漕いで行け
お前が消えて喜ぶものに
お前のオールを任せるな…
そんな歌歌いたい気分
そう思って漕ぎ続けた
タイタニックもカチカチ山の船も
消えたけど
私の船は航海を続けた
嵐もあり日照りもあり
凪もあり朝日と夕日を
幾度も越えて
気づけば、また同じ場所で
船を待っていた
何周目?
2周目終わったかな
だから、今度は3周目
どの船に乗りますか?
そう聞かれて
考えて言ったつもり
ノアの方舟
相変わらず
波乱が好きですね
鬼が笑う
閻魔も笑う
お釈迦様も笑う
遠くであなたの声も聞こえた
準備完了
輪廻転生
終わったら
また始まる
終わりなき旅
私はその船を選んで乗った
2024年5月30日
心幸
「ごめんね」
ごめんね青春
1番ごめんねと言ってあげたいのは
まだ何者でもない何者かになりたかった
彼女にです。
いっぱいしくじりました
いっぱい後悔しました
いっぱい傷をつけました
いっぱい嘘もつきました
いっぱい騙されました
いっぱい騙しました
いっぱい泣きました
もう、全て終わってしまえ
そう願った日がありました
悔しくて悔しくて
ただ、泣いていました
ごめんね、あなたの思うような
私にはなれませんでした
けれど、生きてます
生きて来ました
明日も生きるつもりです
ごめんね青春
ごめんねお母さん
せめて、せめて
あなたがくれた
命を、精一杯
生きようと思います
時々笑って
最後に笑って
泣きそうな時は
空を見上げ
悔しい時は
石ころ蹴飛ばしながら
精一杯生きようと
思います
やがて、日が暮れ
あなたの元へ帰れますように
この道が
あなたの元へ続いていますように
ごめんね、お母さん
ごめんね、わたし
それしか、出来なくて
ごめんね
2024年5月29日
心幸
半袖
今日は半袖は少し寒い
五月の雨は冷たくて
雨に濡れながら走った後に
喫茶店のドアを開けると
冷房がかかっていて
微妙…。
冷房がかかり始める季節
でも、まだ今日は寒い
雨に濡れた腕にハンカチを
あてながら思う
少しでも風のあたらない場所を
探して…。
メロンソーダを注文
温かい飲み物に
すれば良かったと後悔
喫茶店のドアが開くたび
少しでもドアの近くに座るべき?
変わりないか…。
1番奥の店内が見通せる
席に座りながら
今更思う、あれやこれ
まだ、待ち合わせた時間まで
少しあるから本を出しながら
思う…。
10分くらい待ったかな
体の芯が冷えてきて
半袖の袖口から出た
腕が冷たくて
知らずさすっていた
半袖は失敗…。
腕を抱えて待ったかな
待ちきれず
ごそごそ、鞄の中を
早急の雨でちょっと
濡らしたカーディガン
羽織るけど…。
ちょっと濡れた
カーディガン
やっぱり、余計に
寒くなって結局
半袖に戻る…。
初めての雨の待ち合わせ
やっと待ち人が来た時には
鼻を啜っていた
次の日から
熱が出て学校を休んだ…。
初めての
雨の日の待ち合わせ。
2024年5月28日
心幸