眠れないほど
今日寝不足?って聞かれた時に「はい、あなたのせいで。」って答えてしまったから、また明日も寝不足になると思います。
愛情
ママの友達に聞かれた。
「パパとママが喧嘩してちゃ不安やろ。離婚なんて話も出てるって。」
私は少し考えて言った。
「ちっとも。別に喧嘩しようと離婚しようと、パパもママも私と妹のこと1番に愛してるから。私たちが不幸せになることは絶対せえへん。せやろ?ママ。」
隣にいるママが笑った。
「当たり前やん。」
微熱
左手がものすごく暑かった。空気はめちゃくちゃ冷たいのに。寒くて仕方なかったはずなのに、ほんとうに暑かった。どっちの熱かも分からなくて、まるで発熱してるみたいで。もしかして嫌かなって思ったけど離れたくなかったから何も言わなかった。
「今日、うち来る?」
質問を頭で理解した瞬間に耳が赤くなるのをはっきりと感じる。顔を見れなくて上手く返事も出来なくて、とりあえず伝わるように頷いた。
左手がぎゅっと掴まれて逃げ場のない熱が全身に籠る。
家までのあと少しが今日は嬉しくてでも恥ずかしい。
突然おでこに冷たさを感じて体が跳ねた。
当てられている反対の手はすごく冷たい。
どうしたらいいか分からなくて自分の手をその上に置いてみる。
「顔、真っ赤。」
そう言ってはにかんだ笑顔がほんとうに素敵でやっぱり好きだなぁって思ってたら、目の前の顔が耳が少し赤くなった。
「声に出てるよ。」
私のおでこに当てられた右手がいつの間にかものすごく暑かった。
心の健康
僕の一日は君のおはようで始まって、君のバイバイで終わる。
7:00。いつも通り僕はお気に入りのタンブラーにコーヒーを注ぐ。君の話を聞きながらゆっくり飲んで、時計を見て焦るまでがルーティン。ようやく少しだけ席を離れてバタバタと身支度を済ませて、予定時刻ギリギリに君を抱えるように家を飛び出た。
7:48。電車に揺られながらも君は話しかけてくれる。昨日あったこと、最近ハマってるお菓子、いつかやりたいこと。君の声は勇気が出る。君が毎朝話続けてくれるから僕は毎日仕事へ向かえる。そして最寄り駅から6駅目いつもと同じ時間、君は欠かさず言ってくれる。今日も一日頑張ろう!と。
13:00。今日の君のご飯はコンビニのおにぎりだったらしい。珍しくいつもと違う昆布にしたと。いつもと同じ野菜ジュースと昆布おにぎりの写真が送られてきていた。
僕もコンビニおにぎりだよ!僕は鮭にした(*´꒳`*)そう返信する。
毎日同じで味気ないコンビニおにぎりも君と同じなら美味しい。心からそう思った。
午後、僕は仕事でミスをした。怒鳴る上司、冷たい視線の同僚。こんな時、人はどうしようもなく惨めだ。気を緩めば涙すら出てきそうなままデスクへ戻る。視線を上げれば君のキーホルダーがあった。いつもデスクにかけている僕のお守り。大丈夫。いつだって君は笑いかけてくれる。僕はキーホルダーを握りしめてまたパソコンの画面に向かった。
帰り道も君の声を聞きながら電車に揺られる。もう既に22:30。君はゲームを始めていた。君が楽しそうだと僕も笑顔になれる。君は僕が家に着いてからもずっとゲームをしながら話しかけてくれて、僕をひとりにしないでいてくれる。ご飯を食べる時も、お風呂に入る時も、終わらなかった仕事を広げている時も。
25:30。もう寝なければいけないがどうしても寝たくなかった。今日が終われば明日が来る。それがどんなに恐ろしいことか。布団に入ってもどうしても目を瞑れない。心臓が鼓動を早くする。明日への焦りでどうにかなりそうだった時。君の声が聞こえた。
私が終わりって言うまで今日は終わらないの!!寝なきゃいけない人は寝ていいよ!寝たくない人は寝なくていいよ!まだまだ、私はここにいるから!今日はまだ終わらないから!!
僕のことなんか知らないはずなのに、知ったこっちゃないはずなのに。いつもいつも君の言葉は僕を励ましてくれる。
寝なくてもいい、その言葉どおり僕は君の声に体を任せることにした。
次元の違う君も今を生きている。そんなことを考えながら目を閉じた。
気づけば僕は寝ていたらしい。けたたましい目覚ましの音で目を覚ました。
ふと見れば枕の傍には君が転がっていた。言っていた通りずっとここにいたらしい。
僕はおはようと君に送る。
君は眩しい笑顔で僕に返してくれた。
おはよう!
あなたがいたから
「ペットショップは嫌い。」
ショウウィンドウの中の子犬は楽しそうに彼の指先を追いかけている。
彼の声が小さかったから、僕も隣に座ってみた。
「考えすぎってよく言われるんだ。」
確かに、とは言えなかった代わりに子犬の鼻先をとんとんと軽く叩いた。
「帰ろう、キンちゃんが待ってる。」
白い指が僕引っ張って歩き出した。
「ただいま。」
彼はいつも水槽の中のキンちゃんに声をかける。
前に一緒に出かけられないのが悲しいと言ってた。
人間は可哀想な子や悲しい思いをした子の方が手をかけてやりたくなるらしい。
彼は勝手に可哀想、悲しそうと思い込むところがあるから余計にそれがひどい。
だから彼は僕のことも可哀想だと思ってる。
可愛そうだなって目でいつも撫でてくる。
僕のせいだね。
そんなことも言ってくる。嫌だなぁ。
今日は一緒にお風呂入って、一緒に寝るみたい。
嬉しいけど足がちょっと冷たいね。
僕があっためられるかな。
昔はね、僕も可哀想に見えたかもしれないけど今は全然可哀想じゃないんだから。
その考えすぎな頭でいっぱい考えてはやくわかって欲しいな。
僕は幸せだよってこと。