水瀬しろ

Open App
12/15/2025, 2:25:25 PM

23時40分

歯磨きを終え、布団に入る前に机に向かう。
私にはルーティンがある。

それは毎晩、明日の目標を立てることだ。
どんなに小さくても構わない。

大好きな温かいミルクティーを飲むだとか
お気に入りの小説を読むだとか
好きなドラマを観るだとか

私にとっての明日の「お楽しみ」を書き出してみる。
日によって様々だ。

決してギラギラした眩しい太陽のような、大そうな目標ではない。

だけど私にとっては眩しい太陽なんかより、こっちの方がずっと心地良い。

小さな灯りをポツン、ポツン――
と照らしていく。
私にとって毎日の目標は、いわば道しるべのようなものだ。

小さくてふわふわしたその灯りは、
いつも私をそっと導いてくれる。
明日の自分が迷ってしまわないように。

たとえそれが小さな光であっても、その灯りさえあれば私は私らしくいられる。

だから今日もひとつ、またひとつ灯りを灯す。
明日へ繋げるために。


「明日への光」

12/14/2025, 3:11:24 PM

星は綺麗だ

どれだけの時間が経っても、夜になるとまたそこに現れる。そして輝いている。

もしも星になれたら――
そう願ったことのある人もいるだろう。

しかし星になれたとして、その星は本当に輝くのだろうか。色や明るさは違えど、星は無数に存在する。

その中のひとつになったところで、誰かの記憶に残ることはあるのだろうか。

見上げた時にただの光る点になってしまわないだろうか。

それなら僕は星にならなくていい――

星になるより流れ星になりたい

流れ星は一瞬だ。流れたと気づいた頃には、すぐに夜空へ消えてしまう。

一瞬かもしれない。
それでも流れ星には、願いを込める人がたくさんいるはずだ。

一瞬で消えてしまうからこそ、
誰かに託され、託していかなければならない。

それは命も、きっと同じはずだ。
誰かの願いを託されるそんな存在になってみたい。

誰の目にも止まらないかもしれない。
それでもいい。
いつか誰かの役に立てるのなら。


「星になる」

12/14/2025, 3:12:33 AM

チリンチリン♪

厨房から聞こえる小さなベルの音。

私はカフェが好きだ。
週末はよくSNSや雑誌で紹介されているカフェを探しては、カフェ巡りをしている。

今日は町外れにある小さなカフェに足を運んだ。
お店の名前は、「カフェ やすらぎの森」

この店は1階が厨房とレジ、2階が客席となっている。
店は小高い丘に位置しており、後ろには大きな森が広がっている。
木造りの構造に煙突までついていて、まさに森の小さなカフェだ。

レジや厨房のカウンターには、木彫りのフクロウやタヌキの置物が置いてあり、これがまた味を出している。

今日はミルクティーとモンブランのケーキセットを注文した。
このカフェの人気No.1らしい。

この店では料理が出来上がると、厨房からベルが鳴る。
そして店員さんが2階の客席まで運んでくれる仕組みになっているそうだ。

ベルが鳴るたびに、今か今かと胸が躍る。
客席には暖炉と全面ガラスの窓があり、窓からは山と平野が見渡せる。

暖炉の心地よい熱と、木造りの香りがふんわりと私を包み込む。この雰囲気がたまらなく好きだ。

チリンチリン♪

またベルが鳴る。
階段を上る足音が聞こえる。
目の前にミルクティーとモンブランがそっと置かれた。


「遠い鐘の音」

12/10/2025, 4:41:36 PM

深夜0時19分。

1冊の小説を読み終え、ホッと息をつく。
あったかくて、切なくて、勇気をもらえる物語だった。

世の中にもこんな人がいる。
こんな素敵な人がいる。
そう思うと、また頑張ろうと思えてくる。

昔から小説を読み終えると、よくこういう気持ちになる。
いわゆる「余韻」というやつだ。
たとえそれが小説の中の架空の人物であったとしても――

こういう人になってみたい。
こんな風に振る舞ってみたい。
こんな風に笑ってみたい。

憧れは、私にとって生きる原動力だ。
映画やドラマでもよく感情移入をしてしまい、そのたびにどこからかやる気が湧いてくる。
今日も頑張ろうと思える。

もしかしたら私は、単純な人間なのかもしれない。
小説1冊で、ひとりで幼い子どもみたいにはしゃいでしまうのだから。

この気持ちを大事にしたい。
自然と笑みがこぼれ、ほかほかした気持ちを小説と一緒にそっと抱きしめる。

あったかい。
私よりも遥かに小さいはずのその本は、温かいもこもこのクッションのように感じた。

また素敵な1冊に出会えた。
忘れない1冊。
忘れたくない1冊。

いつか誰かにおすすめを聞かれたら、この小説を選ぼう。
期待と楽しみを胸に、またひとつ「ぬくもりの記憶」が増えた瞬間だった。


「ぬくもりの記憶」

12/8/2025, 4:02:40 PM

これは、とある少年の話である。

まだ駆け出しの僕は、右も左もわからず、がむしゃらに生きていた。
その頃は、目の前のことをこなすので精一杯で、今みたいに先のことなんて考える余裕はなかった。

来る日も来る日も努力を重ねていた。
ストレスのせいか、食べ物が喉を通らず、戻してしまうこともあったのを覚えている。

そこまでして目指したいものがあった――と言えばそうなのだが、今思えば、あの頃の僕は自分自身の姿がまったく見えていなかった。

まるで色のない真っ白な雪原に、ひとり野放しにされたみたいだった。
歩いても歩いても景色は変わらない。
後ろを振り返れば、かろうじて足跡だけが残っている。
しかしその足跡を消し去るように、上から静かに雪が降り積もる。
積み重ねてきたはずの軌跡は、すぐに消えていきそうだった。

それでも僕は、前に進むしかなかった。
いつかこの努力が報われると信じて。



受験生だった頃の気持ちを思い出しながら書いてみました。
報われるかどうかなんてわからない。
それが「努力」なんだと思います。

でも、その努力はきっとどこかで自分を支えてくれる。
そんな気がしています。

もし歩きづらくなったら、一度だけ立ち止まって、
「自分はどこへ向かっていたんだっけ。」とそっと考えてみるのもいいのかもしれません。
それだけで、また少し前を向ける気がします。


「雪原の先へ」

Next