すれ違い
普通だと思ってたの。ずっと、それが、当たり前になっていたんだ。傍にいてくれることが、無意識のうちに当たり前、だったんだなぁ。
ねぇ、どうして、今気づくんだろ、、。こんなに大切だったなんて。
あなたと離れてしまって、前までどうしていたのか思い出せない。あんなにいっぱい笑いあっていたはずなのに、色んな話をして、色んな所に行ったのに、思い出すのが、すれ違いだなんて。もう、戻れないの、?
風がそっと吹く。春の風だった。
「またね!」
あぁ、でも、あなたは最後にそう言った。
胸の鼓動
心臓が、どっと跳ねた。ああ、運命なんだ、。その言葉が脳裏を過ぎる。私の目の前には、ガーベラがプリントされたスカートが、ガラスの向こうですんと佇んでいる。奪われた目はいつの間にか離すことができない。時が止まったみたいだった。
私は昔から、可愛いものが好きだ。可愛い雑貨、洋服、アクセサリー。でもいつからだろう?大人になっていくにつれて、忙しくなって、そういうものを手にしてなかったな、、。そんな思いも込み上げてきて、私はそっと手を伸ばす。ちょっと高めなそのお値段に少しガッカリするけど、今度、お金を貯めて、これを着たい。
私はそっと、そんな覚悟を決めて、カバンを持ち直す。さっきまでは憂鬱とした、何も変わらない日だったはずなのに、今はとても清々しくて、気分がいい。
次の休みはあれを着てどこにいこうかな?今ならどこへだって行ける気がする。❁⃘*.゚
踊るよう
「今まで、よく頑張ったね」
たった一言、私の積み重ねた3年間は無駄じゃなかったのね。
高校最後の部活の日。今まで、多くのことを教えてくれて、普段は滅多に人を褒めない。そんな人に最後に貰えた言葉、、。すっと胸に入ってきたこの言葉に、視界が何故かぼやけてしまう。
私はきっと今日のことを忘れない。忘れなれない。心には、ほんの少しの寂しさと、嬉しさとこれからへの希望が残って、、。私は、次の曲を踊り出すかのように、沈みかかった夕日と、顔を出した星空の元へ部室のドアを開けてとびだすのだった。
※初投稿です。ここまで読んでいただき、ありがとうございます!