Open App
9/2/2023, 12:05:40 AM

画面に表示されているLINEの通知
─何時くらいに帰ってくる?
何気ない日常の会話。いつもの確認。
あなたの携帯に届いた、私からの連絡。

私の愛しい人は昨日仕事からの帰り道に事故にあって今は病院のICUにいる。
これがあなたにとって私からの最後の言葉になんてしないでよ。

9/1/2023, 3:41:36 AM

帰る家がある。
学ぶ場所がある。
今日の食事に困らない。
愛を与えてくれる家族がいる。

どうして僕は、こんなにも我儘で贅沢なんだろう。
何一つとして持っていない人がいるはずなのに、誰かが羨む環境にいるのに、これを手放すだなんて愚かだと分かっているのに。

この世界で、生きていたくないと、思ってしまうんだ。

8/30/2023, 2:11:24 PM

誰かがあの香水の香りだと言ったから、少しでも、少しだけでもあなたの事を知りたくて。あなたの解像度を上げたくて、匂いがキツいと近寄りもしなかった香水のコーナーに足を踏み入れた。
聞いただけのメモもしていない香水の名前を探して、一番小さいサイズが表記されているカードを持ってレジに向かった。店員が持ってきた瓶は想像より小さくて、想像より重たかった。
お店を出て、すぐにパッケージを開ける。サンプルで嗅いだ匂いはほかの匂いと混ざってよく分からなかったから、きちんと匂いを嗅いでみたかった。
重たいガラスの瓶からしゅっ、と出て空気と混ざる。風に乗ったその香りは、好きでも嫌いでもなかった。