手ぶくろ
今日はいつにも増して寒さが肌を突き刺す。
今日は手ぶくろいるね。
母が言う。
私が帰宅したときの母の手はとてもあたたかい。
私への愛情、みたいでちょっと照れくさいけど。
そして私は今日も母を心配させないような顔を作り、
行ってきますと言う。
勉強は好きじゃないけど、母が支えてくれるから頑張れる。
私は幸せだよ。お父さん。
見守っててね。
プレゼント
今日はクリスマスイブ。
あまりプレゼントは期待してないけど、ちょっとは期待する。
ふふっ、矛盾してる。
そんな一人言を呟いている私は、今日もひとりだ。
悲しくはないけど、ちょっと寂しい。
家に帰ったら、プレゼントがあった。
私は不気味に思った。
私は一人暮らしだ。
ゆずの香り
私は温泉街に来ている。
あの人がいる温泉街。
年の離れた私の幼馴染。
あの人はとっても気さくで人当たりがいい。
だから、私にも優しかった。
誰にでも優しいけど、それだけ。
あの人からはゆずの香りがする。
いつもお風呂に入れているらしい。
あの人を表してるかのようなゆずの香り。
甘酸っぱい、あの人の匂い。
ココロオドル
修学旅行が楽しみでココロオドル。
給食の時間が楽しみでココロオドル。
家に帰る時間が近づいてココロオドル。
みんなのココロオドルはみんな違う。
私のココロオドルことは、家に帰って愛犬を愛でること。(マジ)
そしてご飯を食べること(これもマジ)
ある人のココロオドルことは、楽器を吹くこと。
またまたある人は本を読むこと。
みんなのココロオドルことはなんだろう。
静寂に包まれた部屋
私は今部屋の中で本を読んでいる。
だから、喋ることはなくてすごく静かだ。
でも、そこに飼い猫が体を擦り付けてくる。
私が飼っているこの猫は鳴くことができないので、
とても静かにこっちを見る。
私はその優しい目が好きだ。
だから、静かにこっちを見るその子も、この静寂に包まれた部屋もちょっとだけ好きだ。
今も体を擦り付けて寝転がっている。
ほんとに、優しい目をして可愛い。