青い風
懐かしい匂いに、わたしは目を覚ました。ここは何処だろう。おとーさんとおかーさんは居ない。でも寂しくは無い。何故かお腹も空かない。今日は朝ご飯、食べてないのにな。何処に行ったらいい?何に話しかければいい?私が普段オトーサンたちに話しかけているように会話も無いけど話しかけるかな。
動かない時、風さえ吹かない真っ青な空。下にはいつも見ることの無い色。ぷちん、と、誰かが叩かれたような音。私が大嫌いな音。その瞬間、時さえ靡く、強く、大きな青い風が吹いた。静まり返った波が、また強く飛沫を上げた。
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ぺぁ✨
遠くへ行きたい。誰もいない、どこか遠くに。
草原が続いて、人も生き物もみんな静かな場所。
ここから逃げ出したい。解放されたい。
皆が笑って、ガヤガヤして煩い商店街。私は一人、一点を見つめる。その先には、どこまでも続く草原の真ん中に、…真ん中なんてあるのか分からないけど、美しい少女が佇んでいる。私はすぐにそこに向かった。少女に話しかけようとした瞬間、現実に戻った。そうだった。私、死んだんだった。
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ぺぁ✨
クリスタル
ぱりん、なんて音がして、振り向いたら大切な大切なクリスタルが割れてて、どうしようって…考えてて。でも、良かったね。これで君、みんなで…分け合えるね。破片だらけのところに、転がっておいで。
バイバイ、クリスタル。
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ぺぁ✨
夏の匂い
季節と一体化するつもりが、今日も暑さで起きてすぐに換気をする。梅雨が終わったあとの空気が残っている。でも、すぐに窓を閉めエアコンをつける。じわりと汗ばんだ顔に正面から当たる風が気持ちいい。今年の梅雨は何処へ行ってしまったのか。もう過ぎてしまったけれど、今頃学生たちは、暑さを我慢しながら登校しているのだろう。ジメジメした雰囲気が好きな私は、今になっても雨に濡れて梅雨を楽しむことが毎年の決まりだった。今年ばかりのことでは無いけれど、熱中症で死亡する人もいるらしい。そんな事になるんだったら、いっそ家から出なければいいのに。それでも仕事はある。つけなくても良かったな…なんて考えながら、勿体ないけれどさっきまでついていたエアコンをけして、じわじわとした暑さが戻って来る前に、私はすぐ家を出た。
今日も、夏の匂いがした。
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ぺぁ✨
カーテン
朝、カーテンを開いた。さんさんと輝く太陽が嫌になるくらい眩しくて、私の後ろに見える影が醜く見えた。人間は誰しも光があれば、影もある。それくらい知っているけれど、やはり人間は汚い。私も。
そんなことを考えつつも、キッチンで今日の朝食を用意する。遠くから見ると、さっきまではあまりにも眩しすぎた窓が、柔らかく輝いて見える。さっきまではあんな事を考えていたのに、今ではいい朝だなんて考える自分が笑えてくる。そんな毎日で、私は今日も光とともに生きている。
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ぺぁ✨