『 お祭り』
賑やかな声とお神輿、花火の音が響く。
夜に遊ぶことなんて初めてだった。
いまにもはぐれてしまいそうな人混みの中、
私の手が燃えるように熱い。
このあつさは、太陽じゃなくて、恋なんだと思う。
お祭りは神様が味方をしてくれる特別な日。
大きな口でりんご飴にかぶりつく私を見て、微笑んだあなたの顔は形に残るスーパーボールよりも記憶に残るだろう。
『 誰かのためになるならば』
誰かのために死んで、もういない存在になりたい。
毎日そう思っていた。
なのに、助けられたのは私のほう。
地震が襲ってきた時に私を命懸けで守ってくれた父。
泣いている私を見て、天国へ昇っていった。
誰かのためになるならば、命を落としてでも助けたい。
そんな思いで警察官になった。
何百人を助けてきたけれど、まだお父さんには勝てないと思う。
私がお父さんのように人々を救い、幸せにする。
これが終わったら、私も父のところに行くから、
ずーっと待っていてね。
『 鳥かご』
窮屈だ、、。
授業中、私はノートの落書きを止めて考える。
別に人間なんて、自由だ。
鳥かごみたいに窮屈なところに入らないでいいんだもの。
自分の自由に決められる。
だけど、それが不安に変わるんだ。
鳥だから仕方ない。
言葉が分からないからしょうがない。
鳥は何をしてしまってもこうやって許されると思う。
でも、私たちは違う。
人間なんだから、ひとりで何とかできる。
求められていることは沢山ある。
両手をいっぱいに広げても、はみ出すことなんてない。
とても広い空間にいる。
それなのに、みんなから1人だけはみ出すことが怖いし、人間関係が窮屈に感じる。
鳥かごに入るよりも、この世界に生きていることがとても苦しくて、窮屈だ。
『 空を見上げて心に浮かんだこと』
自分の心の天気はいつも雨だ。
嫌なことばかりが心に残る。
でも、いつも上を向いたら、空が進んでいるのが見えるんだ。
ゆっくりなのに、焦っていないよう。
とても気持ちよさそう。
私も雲になりたい。
青空なのびのびの広がれる。
そんな日々が来るまで頑張ろう。
そう思えた。
いつも支えてくれて、ありがとう。
『 終わりにしよう』
いまの自分がとても嫌いだ。
周りはキラキラと輝いているのに、
自分だけが暗く、釣り合っていない。
天と地の差。
この差はどれだけ泣いても埋められない。
何もかも、もう終わりにしよう。
生きている意味なんてない。
毎日思うんだ。
だけど、無理なんだ。
死ぬ勇気すらなくて、辛い思いだけして、
また明日が来る。
終わりにするなんてこと、私にはできないのかもしれない。
早くこの私を終わりにしたいのに、、