同情するなら金をくれ
金でどうしようもない問題に限っては
時を戻してくれ
幾らはたいたってよくならない
幾らはたいたって戻ってこない
後悔の渦
同情するなら時を戻してくれ
さよなら さよなら
今日のワタシが死んで
明日には新しいワタシ
さよなら さよなら
それでもこの引き継がれた
見えるもの見えないもの
スモッグ スモッグ スモッグ
さよなら さよなら さよなら
明日には新しいワタシが、
生まれなければ‥?
今日のワタシも明日の予定のワタシも
合わせてさよなら
さよなら さよなら
#今日にさよなら
全てを失ってもまだ生きています
相変わらず図太いと笑うでしょう
沢山いろんなことがありました
想像に難くないことは勿論、
想像も出来ないようなことも
いいことがあったかと言えば微妙で
ただただ平坦に、
そしてたまに接触式荒さ形状測定器のように
かたりと針が落ちて、
落ちた記憶だけが降り積もっています
今のあなたが想うと変わらぬ様に
今のワタシもあなたが羨ましい、
そう思う時があります
幸せだけではなかったでしょう
でも紛れもなく幸せもあった
気づかないだけで
ワタシもきっと持っているのでしょう
沢山を取りこぼして さらさらさらさら
それでも最期に悪くはなかったと思えたなら
#10年後のワタシから
生まれた頃より身近にあった
幸せなことと知りもせず
ゆとりが必要なこととも知らず
その一つ一つに慈愛を持って
世界の端に生きる 声のないものに
目を向けて優しく灯す
花泥棒などと言ったものだが
野山よりも強く美しくそこにあった
あなたが心豊かで
きっと誰より優しいひとだったから
鏡のように映し出されたこころだったのだと
当たり前のようにあったものは
簡単には手に入らないもの
ずっとそばで見てきた
何もこの身に残ってはいなかった
あなたのように 凛といきいきと
寄り添う優しさを身に纏うことはなかった
それはあなたが心豊かで
きっと誰より優しいひとだったから
世界の端に生きる声のないものに
目を向けて優しく灯す
その一つ一つに慈愛を持って
幸せなことと知りもせず
そこにあったのは あなたの包み込む優しい心だった
#花束
ここではない何処かに
きっとどこかに
渡り鳥 吹き荒ぶ種子
雲に 風に 吹き渡り
着地すれど 一時の止り木
また ふわり ふわり
きっとどこかに
きっとどこかに
やがては立ち戻り、行き戻り
いつかに飛び始めた地
胸に落ちる頃には もう帰れない
#旅路の果てに