黒い縁におさまってしまった
いつになったら逢えますか
その時は迎えにきてくれますか
まだ理解が追いつかない
いつもの微笑み
ノイズ ノイズ ノイズ
時計の秒針 そんなことがあっていいのでしょうか
子どもが悲鳴をあげて、
分かったふりの大人は子供を押さえつけて
唇を噛んで、ただ見て見ぬ振り
分かってる分かってる分かってる分かってるから
そう言うのは何方だったか
ノイズ ノイズ ノイズ
どれほど言の葉を詰め込もう
受け入れられよう筈もないのに
名前を呼ぶ
宙を舞っては 幾度も幾度も ほとりと落ちた
拾われることのない囀り
耳を介さず空虚(ワタシ)の中に反響して
不確かなままに消ゆ
いつ逢えますか
もうすぐに逢えると思っているのに
指折り数えると途方もなく
いつ逢えますか
迎えに来てくれますか
#あなたに届けたい
ハリー・ハーロウ「身体的接触と愛着形成」
あなたが、
ワタシが、
今、歩むことが出来ているのは
間違いなく愛を受け取ったからだ
かつてワタシの腕にあった
小さな灯火が健やかでいるのは
ワタシが紛うことなく
愛を注ぐことが出来たからなのだろう
#I Love...
ピンポールの星、もしくは暗幕
他人顔の月の白々しいこと
断崖絶壁の谷底
灯は絶えることもなく、
否、絶やせよう筈もない
鳥篭よりも強固で冷たい断崖に孤独と棲まう
3.8cm/年、その距離はこの街から始まっている
底に沈んだ街に行き交う人、ひと、ヒト
きっと擦れ違う誰かはワタシの知らぬ誰かの大切な人、なのだろう
そこにワタシの大切な人はたった1人もいない
ひと、ひと、ひと、雑踏
迷子、孤独、焦燥、途轍もなく
ピンポールの星、もしくは暗転
他人顔の月の白々しいこと
足元が砂上と化す
ひと、ひと、ひと、雑踏
そこにたった1つもワタシの知るぬくもりなどない
冷たい断崖に孤独と棲まうホログラフィー
#街へ
遅れてくる温もり
当然のように受け取るその刹那に
過ぎし時分にヒトリ、
雪の中の足跡を辿る彼の人の道のり
春の木漏れ日
じわり じわり じわり
哀しくなるほどの愛しさ切なさ、傷み
遅れてからやってくる温もり
雪のように降り積り
手を伸ばしても届かない
星の光のように 届く頃は彼の人は何処に
残り香、星の光、木漏れ日、
雲の切れ間のみずみずしさ、雪の中に残る軌跡
まだ まだ しんしんと降り積り
息が、出来ない
思い返す微笑みは溶ける、肌に触れる雪のように
深く傷ついた臓器を癒やして ちくりと傷み
手を伸ばしても 手を伸ばしても もう届かない
#あなたの優しさ