『夜明け前』
島崎藤村の『夜明け前』を思い出す
思想上の変革、近代社会へと変わる夜明け前だと思う
半蔵という人を通して、訴える新しい時代
あの時代とは異なるが、今、まさに夜明け前のように感じることがある
表に見えない世界の変化の前にいるような気がする
日本は遅れているのかもしれない
まだ、闇の中かもしれない
私たちが、近い将来、夜明け前に
立つことになるのであれば、貴重な体験になるはず
ずっと夜明け前を待っているがなかなか見えてこない
思い込みだろうか
夢だろうか
ずっと、夜明けを待っているのに
『本気の恋』
ずっと続くと思っていた
昨日も今日も明日も半年後も10年後も共に生きていると思っていた
そばにいない日がくることは考えられなかった
そばにいることが当たり前だった
いつも考えていた
いつも応援していた
一番理解していると思っていた
一番理解してくれていたと思っていた
家庭をもって、幸せになるつもりだった
本気の恋だった
今、あなたはいない
本気の恋も終わる
でも、本当の愛はいまもこの胸の奥に息づいている
恋は消えても愛は残っていた
見えない愛は重すぎる
戻れない本気の恋には
『カレンダー』
最近は、カレンダーを頂く機会も減ってきた
子供の頃は、近所の酒屋さんから頂く日めくりカレンダーが好きだった。
日めくりは私がめくる当番だった。
毎日の日めくりには、名言やその日の行事の生業とかが明示されていた。それを覚えて偉そうにうんちくを垂れるのも楽しかった
情緒というか風情があった。
今も我が家には毎年定番の月めくりのカレンダーがいくつか届く。
世界の絶景スポットの写真が載っているANAのカレンダーは密かに楽しみにしている
この2年半、海外に行っていないから、写真を見て思いを巡らせる。
行事が減った我が家は、カレンダーに印をつけることも無くなった
そう、携帯のスケジュールメモで
十分なのだと気づいた
少し寂しいね
だんだんと、昔の風習が廃れていくんだね
今年も後4枚めくると終わり
これも喪失感だね
喪失の反対語は獲得
来年のカレンダーが送られてくると、それが私の獲得かな?
『喪失感』
何時でも、喪失感が心を埋める
若さを少しずつ失っていくという喪失感は大きい
気力が失くなる、体力も不安
これがずっと続くと思うとやりきれない
父を失った喪失感は、じわじわと押し寄せた
生きている時は、口うるさくて
怒ってばかりの父であったが
自分を一番理解してくれていたと
最近強く感じる
もう、失うものはないと開き直りたいが
まだまだ、多くを失うだろう
喪失感を糧に、また一歩踏み出す
自分でいたい
『世界にひとつだけ』
すべての事柄、存在が世界にひとつだけなのだと思う
例えば、同じロットで作られて形が同じでもそれぞれが世界でひとつだけだよ
手作りで心を込めて作られたものと、工場で大量生産されたものでもそれを使う場所や使う人で世界でひとつだけになるよね
世界でひとつだけのものに
みんな弱いのかもしれないね
あなたの存在自体が世界でひとつだけだよね