『鐘の音』
ベネツィアのホテルで、教会の鐘の音を聴いた
異国にいる不思議な感覚、煉瓦の屋根がいくつも重なった家々の
隙間から、アドリア海に続く運河が見えた
素敵な解放感であった。
ホテル近くのサンマルコ広場のカフェフローリアンでカフェラテを飲む
世界で最も古いカフェと言われたその店先でバイオリンの演奏も聴けた
好きな珈琲と音楽と素敵なカフェで至福のひとときを過ごした
イタリアは、海外旅行で初めて訪れた国
ローマ~フィレンツェ~オリエント急行でベネツィア~ベローナ~
ミラノへ
どの都市も素敵だった
でも、あの『鐘の音』をゆっくり聴けたベネツィアの街が一番印象に残っている
また、いつか行ってみたい
【つまらないことでも】
つまらないことでも、一生懸命に取り組む人に心が動く
つまらないことにも、クヨクヨする私がいた
つまらないことでも、時が過ぎると宝物に変わることがある
彼にとってつまらないことでも、彼女にとっては大切なこと
つまらないことでも、私にはすてられないこともあった
つまらないことでも、子供は頑張ってやろうとするよね
そんな時、『よく頑張ったね』と
いつでも言える余裕がほしい
そんな生き方をしていきたい
【目が覚める前に】
目が覚める前に、この夢がハッピーエンドで終わったら幸せ
あなたの目が覚める前に、私はこの部屋を出ていこうと思う
目が覚めてからだと、決心が揺らぎそうだから
目が覚める前に、私の眠っている場所がベニスのカーニバルの
会場であれば嬉しい
仮面に身を助く新しい私は、きっとあなたとまた会えると思うから
目が覚める前に、新しい世界が訪れていたら、素敵ね
待つことに疲れたから
【病室】
病室にはそこに横たわる人達の
人生が見える
出産後の喜びに溢れた笑顔の母親の人生
先ほど手術の説明を受けて、茫然とする男性の人生
入院を繰り返す、居場所のない生活保護の人工透析患者
抗がん剤の効果が出ているよと、医師から説明を受けて、希望を持てた膵臓がんの友人
脳梗塞で倒れて、もう半年も何も食べていない父が、文字盤を指差して『死ぬのか?』と聞いたときの母と私のつらさ
コロナで結局会えないまま、この世を去った美しい後輩の最後のLINE 『緩和治療からぬけだせるように頑張ります』、相談を受けた時は既にステージ4の子宮肉腫
抗がん剤でぼろぼろだよと言いながらも、負けないよと病魔に挑んだ人達
レースで転倒し脊髄損傷で自分では動けなくなったスポーツ選手の大きな背中と寄り添う妻の優しさと強さ
病室には様々な闘いが今もつづいている
自分もその病室に横たわる一員になった時、どんな人生を見せるだろうか
【明日、もし晴れたら】
明日、もし晴れたら、心のなかも
軽やかになりそう
寒い街に住んでいると、そう祈ることが多くなっている
最近、不本意にも気候病の症状が
雨の降りそうな前日に起こる
心もからだも、晴れたらいいと
欲しているような気がする
真夏日が続くと、ざぁーっと夕立で涼を感じたいと欲する
わがままだね。
気まぐれだね
欲張りだよ
でもね、あおーい空にしろーい雲がふんわり浮かんだ晴れた明日に
いつも憧れているよ、今日もね