語り部シルヴァ

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1/25/2026, 10:07:20 AM

『安心と不安』

ひとりぼっちは嫌だ。
誰もこの悲しみに共感してくれない。
真っ暗で叫んでも水の中みたいに声がかき消されてしまう。
誰か傍にいて欲しい。
もう...もう嫌だ。

そこから救ってくれる人が現れるわけもなく、
無気力で過ごす日々の中、通りすがりに助けた人が
仲良くしてくれるようになった。
人と接するのに苦労したが、
なんやかんやで大切な人になった。

暖かくて、心が落ち着かなくて...
それでも触れたり声を聞けば安らいで...
こんな感情がずっっっっと続けばいいのに。

守らなきゃ、この人を
自分と同じ思いにさせないようにしなきゃ。
...でも、もしこの人が離れたら?

あー...ほら、また怖くなってきた。
安心の裏に潜む不安が張り付いて剥がれなくなる。
逃げられないのかな。やっぱずっと辛いや。

語り部シルヴァ

1/24/2026, 12:41:11 PM

『逆光』

私の国の王は常に明るい。
言動や国の動かし方、何もかもが自分たちの道を
照らし示してくれる。そんな存在。

ある日そんな王がひとりでのんびり散歩していた。
挨拶をしてみるとどこか違和感があった。
なよなよしいというか...どこか頼りない。
具合でも悪いんだろうか...心配です尋ねてみた。

王はしまったという表情をしたあと
すぐに諦めたのか口を開いた。

常にスピーチを考えてくれる存在がいる。
常に練習相手になってくれている。
自分が輝いているんじゃない。
輝かせてくれた挙句逆光で隠れている存在が私にはいるんだ。

そう言って王はそんな存在を思い出したのか、
いつもの明るい雰囲気に戻った。

眩しさに隠れた影が文字通り縁の下の力持ちなんですね。
そんなコメントを聞いて笑う王は
スピーチの時より自然な眩しさをしていた。

語り部シルヴァ

1/23/2026, 2:19:22 PM

『こんな夢を見た』

目を覚ませば少し大人びた君が隣で寝ていた。
目を覚ました君がおはよと微笑んでくれた。
そしてふたりはまた眠りについた。

目を覚ました時にはベッドに1人。
あぁ、またか。
そう思い体を起こし仏壇に向かう。

鐘を鳴らし両手を合わせる。
おはよう。今日も来てくれたんだね。ありがとう。
お陰で頑張れるよ。

写真の君は照れくさそうに笑っていた。

語り部シルヴァ

1/22/2026, 10:53:28 AM

『タイムマシーン』

ふぅ...やっとできた。
苦節20年。無理だと言われてきた
タイムマシーンをついに完成させた。
これを発表...してもいいのか。
悪党の手に渡ったら...

悩んでいると突如空間の一部が歪み、全く同じものが出てきた。ただ。ホコリや傷が随所に見られた。
中から人が飛び出て手榴弾を4、5個
タイムマシーンに投げつける。

「ちょっ...!!」
手榴弾をどうにかする前に投げた人に
後ろ襟を掴まれ連れていかれる。

手榴弾は爆破し、タイムマシーンを作っていた研究所は
跡形もなく吹きとんだ。他の部屋が無事なだけマシだろう。

「おい!なんだあんたは!」
振り向くと投げた人はいない。
辺りにあの一瞬で隠れる場所もない。

...いや、まさかな。
また一から作ろう。一回作れたなら、また作れるはずだ。

語り部シルヴァ

1/20/2026, 10:29:18 AM

『海の底』

海から出た景色は緑がいっぱいで、
鉄の塊が水の無い道を進む。
外の世界はそんな世界だと教わったことがある。

海も似たようなもんだ。
海藻の緑は太陽の光で透けて輝いている、
鉄の塊だってたまに私たちの頭の上を進んでるいる。
...音が大きくてうるさいけど。

私は人魚だから外の景色に興味はあるが
半分以上は諦めている。
もし...もし外の世界で生きることができたなら...
あの海藻のように輝けるのかな。

ため息は泡になり水面まで浮かんではぷかぷかと
可愛い音を立てて消えていった。

語り部シルヴァ

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