語り部シルヴァ

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9/28/2024, 12:07:03 PM

別れ際に

「これでボクたちは恋人でも友達でもない、赤の他人だ。」
夕焼け空も暗くなり始めた空のように
君の顔に影ができ始める。
俺たちは別れを切り出すことになった。
高校の頃から付き合い始めたが、大学生になり
お互い大人になるにつれて価値観や考え方がズレてきた。

俺たちが未熟だったのもあるが、大人に近づくたび
お互いの距離が離れるなんて思わなかった。
すぐに諦めた訳じゃない。
あーだこーだと試行錯誤した結果今に至る。

色々と頑張ったのに大切な人を幸せにできなかった。
それがお互いにとても悔しかった。
ふたりが別れを選択した時なんて目が腫れるほど泣いた。

もう完全に夜が来る。
ここに来るのも今日で最後だ。

最後のサヨナラを伝えるために帰る前に振り返る。
笑顔の君の腫れた目と流れる涙は逢魔が時の世界じゃ
隠しきれていなかった。

「じゃあね。今までありがとう!」
それでもいつもの口調の君を見て伝えるはずのサヨナラは
震え声になってしまった。

最後の最後の別れ際に、俺は呪いを受けることになった。
これから...一生忘れることのない呪いだ。

語り部シルヴァ

9/27/2024, 11:25:35 AM

通り雨

最近、不思議なアプリを手に入れた。
偏頭痛がキツい時があって、友人に話すと天気予報アプリを
入れるといいと勧められ入れることにした。

有名な会社の天気予報アプリじゃなく、
聞いた事のない会社名。
気にはなったが、偏頭痛に関係している低気圧が来ることを
通知してくれると書いていたのでそこを信頼した。

結果的には大成功だった。低気圧が来る30分前に
教えてくれるので事前に薬を飲めばやり過ごせれるし、
どれほどの強さかも教えてくれる。
それに雨が降ったり晴れたりの予報もかなりの的中率で
驚いている。

今日も帰り道このアプリに頼りながら帰る予定だ。
最寄り駅までのルートを調べていると、
天気予報アプリから通知が来た。

"数秒後、通り雨に注意してください"
通り雨...?
そう思った矢先、右斜め前から雨が迫ってきた。
雨がまるで生きているかのように斜め前から
まっすぐ通過して行った。

駅を通過するように通って行った雨の後を眺めながら
呆気に囚われていた。
スマホには"通り雨が通り過ぎ去りました。"
と通知が来ていた。

語り部シルヴァ

9/26/2024, 2:30:07 PM

秋🍁

優しくなった陽の光、早くなった日没、乾いた涼しい風。
もう秋だということ嫌でも知らされる。
つい先週まで日中はクーラー無しだと
寝苦しかったのにこうも変わるのか...

ベランダで夜風に吹かれながらタバコを吸う。
夏はタバコの火が熱くて堪らなかったが、
これから温かく感じるのだろう。

俺はこの季節が好きだ。
ん夏よりも涼しく冬より暖かい。
こんなにも過ごしやすいのに期間が短いのが残念だ。
秋の彩りある季節も美味しい旬の食べ物も
あっという間で寂しくなる。

だからこそこの季節のことを大切にしたい。
タバコも吸い終わったからベランダに戻ろうとした。

腕に違和感を覚え見てみると蚊に数カ所噛まれていた、
...これさえなければずっと秋が続けばいいのになと
思いながら痒くなった腕をかき部屋に戻った。

語り部シルヴァ

9/25/2024, 3:00:31 PM

窓から見える景色

住宅街を右から左へ、
一面の海を右から左へ、
トンネルの暗闇を右から左へ...

電車はどんどんと景色を置いて進む。
電車から見える景色は新鮮で
同じ景色が続かないから飽きない。
それも柔らかいソファのような座り心地な座席に
座って見れるのだから贅沢もいいところだ。

なんとなく行きたいところを決めて
特急券を買って向かってる途中。
さて、着いたら何をしてどこへ行こうか。

やりたいことを考えながら見る景色はとても輝いて見える。
この電車は目的の駅まではノンストップだ。

到着までこの車窓から見れる流れていく景色を
楽しもうじゃないか。

語り部シルヴァ

9/24/2024, 2:53:49 PM

形の無いもの

形の無いものっていえばだいたいは
"心"を思うかべるんじゃないかな。
辛い時は心臓じゃなくて心が痛む。
嬉しい時も心臓じゃなくて心が跳ねる。
心って心臓のようで違う。

僕らの感情を表すためのもの。
ハートの形をイメージしてるかもしれないけど、
結局は形すらない不思議なもの...

それでも僕たち人間や犬や猫、花やロボット...
全ての者には心がある。
なぜそう言い切れるかって?
僕たちの言葉は基本的には人間以外には理解されない。
でも犬や猫に寄り添えば信頼してくれる。
ロボットに優しくすればロボットは温もりを感じる。

それってみんなに"心"があるからじゃないかな...
なんて思うよ。
...大っぴらに言うのは恥ずかしいから言えないけど。

そう言って君は頬を赤らめる。
そんな話を聞いたせいか、心が暑くなった気がした。

語り部シルヴァ

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