私にとっての誇らしさは
君がいること
素敵な友人がいること
たくさんの本が読めること
文章を愛していること
否定をしない人生
誰かを肯定する人生
死にたい思いさえ自分の中に抱いても
生きることをまだやめないでいること
私にとってはそのすべてが誇らしい
夜の海を見渡して
このままどこかに流れて行けたならと思ってしまった
ここにいたくない
どこにもいたくない
君に会えないなら生きていたくはない
流れた涙が海に混じって涙色が広がっていく
夜の海を見ながら流した涙は
きっと君には届かない
自転車に乗って、さあどこへ行こう
夜でも暑いこの季節にわざと汗をかいて
夏の風を感じながらペダルを漕ぐ
目的地なんて決めずにゆったりと
ああ、そういえば新しい洋菓子屋さんが出来たんだっけ
本当は君と行こうと思っていたけれど
一足先に行って自慢してやろう
「行きたいー」って言う君の顔が浮かぶな
洋菓子を買って写真を撮って君に送り
自転車の写真も撮ってSNSにあげて
大嫌いな夏空に
大嫌いな太陽に
なんだか楽しそうだなと笑われたような気がした
心の健康は身体の健康からつくられるという
規則正しい生活をして適度に人に会い適度にひとりになることで保たれるという
食べることが好きではなくて
毎日目を覚ますのが怖くて朝が嫌いで
逃げるように眠りについて
人が怖くて
恋人以外に会うのが怖い
生きていると言える時間は
読書をしている時と恋人に会っているときだけ
私は健康ではないのだろう
健康になりたいとすら思ってはいないのだろう
本が読めて大切なぬいぐるみがいて恋人がいて
それで満たされてしまうほどに
私の世界は閉じている
大人になればなるほど人が怖くなっていく
読書をしている時が1番心が安定している
どうしようもないくらいに嘘と作り笑いが上手くなる
無条件に人を信じて疑うことすらせずに生きていた私と
無条件に人を怖がって信じないということに身を窶す私
どちらも私でどれも私だ
恋人を縁にして会いたいと願う資格は私にはないのかもしれない
健康とはなんなのだろう
生きる意欲があればそれは健康に繋がるのだろうか
どうしようもなく明日が怖い
毎日毎日朝が怖い
どうしようもなくひとりのときは読書以外に楽しさを見出せない
健康とはなんなのだろう
君が奏でる音は優しくて寂しくて
胸が締め付けられるようだった
どんなに足掻いても2度と聴けない
私は君より弱かった
君のように強い音は奏でられない
君のように優しい音は奏でられない
君のように寂しさを音には乗せられない
だから私は君の歌にひとり泣く
ねえ、どこにもいかないで
私以外の人にその音を奏でないで
切なさとはこういう心を表すのだとそう思った