いつもの帰り道、あなたは私より先に帰ったのになぜまだいるの?私は大好きなバンドのプレイリストを聴きながら、あなたがまだいることを考える。偶然だね、みたいな顔をして私に話しかける。バイバイ、また明日
昔の楽しい記憶には何らかのフィルターがかかっていると思う。かけがえのない大切な思い出なら特に頭の中で美化されている。私は美化された記憶ばかりだな。
だけど、どれも大切な思い出。
高校一年生の夏、私と君は多分絶対に両思いだったよね。今まで追う恋ばっかりだったけど初めて追われる恋を経験して、どうすればいいか分からなくて何にも出来なかったよ、ごめんなさい。ほんとは君のこと好きだったけど、自分に自信が無かったから君と少し距離を置いてしまいました。そして冬になり毎日課題に追われる日々で帰る時間が遅くなり学校から駅までを一緒に2人きりで歩いて帰ったね。君は私にすごく優しくて、気遣いのできる人で私はそんなところに惹かれていたと思う。
君を好きだと実感した日は、雨の降った後でした。
私の少し前を歩いている君を見て、車道側を歩いている君を見て、毎日私に話しかけてくれる君を見て、私は幸せでした。
二年生になって、友達に聞きました。
君はあの子のことが好きだと、だけれどもうあの子には恋人がいて恋が叶わなかった と。
私は君の恋が叶わなかったことを知った日、雨に濡れながら駅に1人で向かいました。
ホームルーム前に読書をしている。月曜から金曜まで。10分間だけ、小説の世界に神のような視点で世界に入り込む。私は読み終わった後にもどかしくなるような小説が好きで、小説の情景が目の前にあるような感じがするからだ。今日は大学生の男の子がすれ違いで話さなくなった女の子に自転車でボロボロになりながら、傷つきに行く話か、まるで私がその男の子になったように心情が重なった。早く続きが読みたい。けれどもうすぐチャイムがなる、次のページをめくるのはまた明日だ。
高校生最後の夏休み、私は進路に向けて毎日学校に登校していた。冷房が異常に効いた部屋で、パソコンと向き合いどうしようかねと考え込む日々だった。去年は地元のイベントに参加したりみんなで海に行ったり、たくさん遊んだのになぁと思いながら、最後の夏休みが終わった。中学生の時は何してたんだろな、小学生の夏休みとか最高だろうな。そんなこと考えるだけで虚しくなる