どこかのJK。

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12/22/2022, 10:41:52 AM

ゆずの香り

ゆずが嫌いな僕の家にはゆずの木がある。
生まれた時一緒に母が植えてくれた木。
ふと気になって取ってみた。
鼻につく柑橘系の匂い。
やっぱり嫌いだ。

いつもゆずの匂いがする君を思い出すから。

12/21/2022, 12:09:32 PM

大空

おばあちゃんがいなくなった。
土砂降りの大雨だった。
涙の後の顔を誤魔化すために
傘を刺さずに一人で歩いていた。
両親が居なかったから余計に辛かったし悲しかった。

そんな時を思い出しながら
祖母の墓に手を合わせる。
隣にいる人が顔を上げると同時に顔を上げた。
もう寂しくないし独りじゃない。
だから頑張るね、おばあちゃん。

ふと見上げた空は、雲ひとつ無い青空だった。

12/20/2022, 10:15:43 AM

ベルの音

いつもの時間いつもの席。
暗くなった外の景色が下校の時間を告げた。
ひとつひとつの動作に伴ってなる
椅子を引く音、ドアを閉じる音、階段を降りる足音、
学校から遠ざかると共に消えていくチャイムの音。

肌寒く感じる帰り道は
誰かと身を寄せて歩きたい気分だった。

12/19/2022, 2:00:35 PM

寂しさ

今の僕は寂しくない。
前は寂しかった深い夜も、1人っきりの家も、
君が他の誰かと仲良く話して遊んでいる時間も。

それは僕が君から離れた証拠なのかもしれない。
そして期待しなくなった証拠なのかもしれない。

それでもやっぱり君の声がしない時間は
静かすぎる。