君と最後に会った日
「それじゃあまたね」
それが君_Aと最後に会った日の別れ際の言葉だった
しばらくして、他の友人Bと次の休みにAを誘って遊びに行かないかって話をした。
しかし、Bの反応は衝撃的なものだった。
「ちょっと何言っているの?うちらにAて知り合いはいないよ?」
「え、どういうこと?」
その後、何度訪ねてもBの返事は変わらなかった。
Aは、私以外の人の記憶からいなくなってしまったのか…?
時間を見つけては、私はAを探した。
よく行ったショッピングモールや喫茶店に公園、同級生の家など思いつく場所は全て探した。
同級生だけでなく、近所の人やSNSの友人にも聞いた。
それでも、Aは見つからなかった。
それどころか、みんなBと同じ反応だったのだ。
Aは、一体どこに行ってしまったのだろうか。
誰もAのことを知らないだなんておかしな話だ。
考えたくはないが、Aは私の幻だったのだろうか?
それでも、今でも思い出す。
最後に寂しげに笑った君のことを
相合傘
雨止んでないね。
どうしたの?すごく焦った表情してるけど
え、傘を忘れた…?それは大変だ
駅まで走っていくって…
ダメだよ、風邪ひいちゃうよ!
あなたがかぜをひいてしまったら悲しいよ
ねぇ。よかったら、駅まで一緒の傘を使おう?
遠慮しなくていいんだよ。
相合傘をしていると、君と寄り添えてなんだか雨の日も悪くないなって思えるんだ。
好きな本
君との出会いは、大学の図書館だった。
お互い好きな本が一緒だったことから
友達になったことを今でも覚えている
あいまいな空
晴れているのか曇りなのかわからないの空が広がる
天気雨は、狐の嫁入りという言い伝えは有名だけど
あいまいな空にも言い伝えはあるのだろうか?
世界の終わりに君と
人間と異種間がいがみ合う世界になってしまった終末
誰もいない場所へ、彼とともに逃げていた
でも、私も彼ももう限界だった。
2つの体が地に伏せた
最期の気力を振り絞りお互い想いを伝えた
「もしも、生まれ変われるならまた会おう」