無色の世界
生まれたばかりの赤ちゃんの
世界のキャンバスはまだ何色にも
染まっていない
君の世界はどうなるのかな?
これからも、ずっと
「其方と離れている間、其方は今日幸せだったかなって考えてしまうし、もしも他の吸血鬼や人間の男と一緒になってしまったらと考えるだけで気が狂いそうだ。人間らしい感情はとっくに忘れていたはずなのにな」
切なくなるくらいの想いに、彼への愛しさが溢れて止まらなかった。
「大丈夫、私はどんな貴方も愛する覚悟はできてるわ」
彼の想いを受け入れた時点で、私自身ももう彼から離れられないのだと悟った。
誰にも許されなくて構わない
これから先も、ずっと2人で寄り添いあっていたい
それでいい(意味がわかると怖い話?)
あるところに1人の男性がいた
男の周りの人間は彼の言うことに肯定的だった
「それでいい」「大丈夫」と
だが、ある時から周りの人間が、ひとり、またふたり、さんにん、と失踪して行った
ついに、さいごのひとりが失踪した
そして目が覚めた時には誰もいなくっていた
さて、本当に怖いのは目に見えないものかそれとも…
1つだけ
今まで欲しいものなど何もなかった
孤独を恐れぬ女神として生きてきた
でも、貴方に出会って変わった。
神主がいなくなった神社で
ひとりぼっちだった私に
たくさん会いにきてくださる人。
手放したくないと願うのは
あなたの存在だけ
ところにより雨
「関東は午後からところにより雨が降るでしょう、傘を忘れずにおでかけください」
テレビから流れてくるお天気予報士の声をBGMに、朝食の豆乳を飲み終えた。
「昨日は大阪が雨だったか。彼、家に帰る時大丈夫だったかな」
遠距離で付き合っている恋人のことを思い出した。
毎晩LINEや電話をするけれど、直接会えないのはやはり少し寂しい。
それでも、雨雲を通じて彼の住む街と私の住む街は繋がっているんだって思うと雨も悪くないと思えた。
「今日の電話は、天気から気づきを見つけた話しようかな」
笑われちゃうかな?と考えつつ、彼との電話を楽しみに仕事に行く準備をした。