1つだけ
今まで欲しいものなど何もなかった
孤独を恐れぬ女神として生きてきた
でも、貴方に出会って変わった。
神主がいなくなった神社で
ひとりぼっちだった私に
たくさん会いにきてくださる人。
手放したくないと願うのは
あなたの存在だけ
ところにより雨
「関東は午後からところにより雨が降るでしょう、傘を忘れずにおでかけください」
テレビから流れてくるお天気予報士の声をBGMに、朝食の豆乳を飲み終えた。
「昨日は大阪が雨だったか。彼、家に帰る時大丈夫だったかな」
遠距離で付き合っている恋人のことを思い出した。
毎晩LINEや電話をするけれど、直接会えないのはやはり少し寂しい。
それでも、雨雲を通じて彼の住む街と私の住む街は繋がっているんだって思うと雨も悪くないと思えた。
「今日の電話は、天気から気づきを見つけた話しようかな」
笑われちゃうかな?と考えつつ、彼との電話を楽しみに仕事に行く準備をした。
特別な存在
推しは世界一特別な存在だ
キラキラの瞳も柔らかな声も
何もかも大好きなんだ。
胸が高鳴る
貴方に見つめられたり抱きしめられたりするだけで
どうしようもないくらいに胸が高鳴る
凛々しい顔も私にしか見せない優しい瞳も
全てが尊い
会えない日には貴方は1日幸せだったかなって
夜空を眺めながら考えていた。
私の心はいつの間にか貴方でいっぱいになっていた。
泣かないよ
魔法界に戻って10年が経ち、私は自分が通っていた魔女学校で教師として働いている。
忙しく大変だけど、生徒たちの成長と向き合いながら充実した日々を送っている。
ふと、人間界で修行した日々や仲良くなった親友のことが懐かしくなる夜がある。別れの日はお互い悲しくて大泣きしたのを覚えている。
でも、今は泣かないよ。
涙は再会できた時に取っておきたいから。
彼女の笑顔とまた会おうという約束は、私をいつも支えてくれる。