眠り子

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4/3/2023, 12:13:56 PM

1つだけ

「この屋敷かな?」
目の前に広がるのは、大きな洋風のお屋敷。
知り合いから、町の奥の屋敷に1つだけ何でも願いを叶えてくれる魔法使いがいると聞いた
呼び鈴を鳴らし、しばらく待つ。数分もたたぬうちに黒いローブを纏った人物が現れた
「あなたがお客様かい?」
「そうです」
「まあここで話すのも冷え込むでしょう?中におあがりなさい」
彼女に続いて屋敷に入っていった。だが、私は知らない。願い事が理由で最悪な結末になるなんて…

「それで?あなたの願いは?」
不敵な笑みで尋ねる魔法使い。
「1つ確認なのですが、何でも1つだけ叶えてくださるのでしょうか?」
「もちろん。私にできないことはない」
そう言われ、私は決意して伝えた

「この世界を、争いや憎しみのない世界にしてください」
振り返れば、世界は負の感情で溢れていた。リアルでも、ネットの中でも。そんな世界を変えたかったのだ
「よかろう。お前の願いを受け止めた」
私は安堵した。だが、それはすぐに終わった
耐えがたい激痛が私を襲ったのだ

「待ってください、何で私が…ぁ…」
「…っ、争いをなくすには人間を滅亡させる。こうするしかないのだよ」
物憂げな目で何かをつぶやく魔法使い。
なんて言っているのかはわからない
最期に私の意識は途絶えた

ただ1つだけの願いの代償は、重すぎた。

3/21/2023, 1:23:40 PM

夢が醒める前に

とあるアイドルが解散する夢を見た。
でもその夢は、解散だけで終わらない悪夢だった。
存在自体最初からいなかった扱いをされたのだ。
青い鳥のSNSや検索サイトを調べても見つからなかった。
私の記憶だけ残して、ぽっかり消えてしまった
夢が醒める前に、もっと大好きと伝えていればよかった

3/13/2023, 12:59:53 PM

ずっと隣で

ずっと隣で存在していることが、本当に幸せだったんだ
幸せに気づくのは、失ってからだった。
私も、周りも、SNSも闇に包まれた

3/13/2023, 5:31:55 AM

もっと知りたい

かつて、世界にはアイドルと言う存在がいた。
でも、この質問には誰も答えられなかった。
「そのアイドルは、どんな人だった?」

私も、かつてとあるアイドルグループを推していた。
だが、世界中からアイドルという存在自体なくなった今
歌も思い出も笑顔も彼らのことが全部わからなくなった
心の1番深いところに、大きな穴が空いた感覚があった

ファン同士の争いや、アイドルへの愛憎がなくなりSNSは平和になったように見えた。
だが、本当のところファンたちはどうなったのだろう。
形はどうあれ根底にはアイドルたちへの想いがあったはずだ。
推しがいないSNS世界は枯れてしまったように見えた。

もっと知りたい、知りたかった。愛したかった。
だから、失いたくなかったのに。
嘆きは誰にも届かなかった

3/10/2023, 12:07:50 PM

愛と平和

春風吹く楽園で隣人が微笑む
私も微笑む。平和で幸せな世界は傍にある。

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