「汚い」
近くの海はゴミだらけで、治安が悪い
家族はあまり近づけたくないらしい。
うみについて話すね。
どこまでもいけるって素敵と思わない?
大陸が海で繋がって端っこなんてないの
すみっこだと思ってたところはただの区切りだったし
夢みたいに思ってる数千キロ先は現実が存在してる
うみってどのくらい深いのかな
どのくらいで苦しくてどのくらいで心臓が止まるのかな
魚が見てる世界って人間が思ってるより
彩度が乏しいんだろうな
波音に耳を澄ませて
汗をかくのは嫌いじゃないけど
君に会えるんだから気にしないわけにはいかない。
「明日からクーラーつくかな」
「外よりは教室の方が全然ましだな」
窓から入る風も熱を帯びる
体温もジリジリ上がってる
きっと夏のせい
あの子の髪が風に靡く
風が青かった気がした
貴方がいなくなるくらいなら、いっそ
「遠くへ行きたい」
貴方とならどこへでも、何度でも
「遠くへ行きたい」
どうか私を旅のお供にどうですか。
高嶺の花子さん。
僕のこと覚えてたらでいいので
お話ししませんか。
本物のクリスタルの声はサクサクしてるらしい。
サクサクというよりコロコロとした可愛らしい君の声が
2時の方向2m先から聞こえる。
どっかで聞いたけど、ガラスとクリスタルを見分ける方法は余音があるかないか。
もちろん僕の耳には残ってるよ。
君の心に僕の余韻なんてないんだろうな。
あったらいいな。いやないか。
ぱちっと目が合った。
わたくしめが「夏の匂い」についてお話しするのは
おこがましい限りですが、一言失礼します。
木漏れ日の気持ちよさはなんといっても
夏がいちばんでしょう。
アスファルトが焼けつき、キラキラしすぎて
私は薄暗いクーラーの効いた部屋で過ごします。
近頃夏の匂いを感じたのは、あの鉄琴の音や
つたないリコーダーの音なんかです。
海や川など水辺に行かなくとも
少しの風でうれしくなりたいものです。