sui

Open App
9/3/2023, 8:13:05 AM

心の灯火が
ふっと 消えた夏

ひんやりとした机
床を擦る椅子の脚
全ての音を反射して吸い込む廊下
よく風邪を通すスカート
中庭の 緑の眩しさ

喧騒
笑顔
足音


暗い場所から眺めるものは
すべて明るくて 光り わたしを刺した

世界がいちばん
きらめいて見えた夏

8/31/2023, 12:19:45 PM

不完全な僕を
僕は愛している

この不完全さこそが
僕を 僕たらしめている と思う

しかし
この不完全さを
時に恥じてもいる

そんな僕を
僕は愛している

8/30/2023, 1:27:19 PM

香水瓶を陽に透かす

窓辺に
ちいさな海ができた

光を色々に散らして揺れる
私だけの
素敵なかおりの海です

今日は
この海を少しだけ浴びて
香りを借りて
素敵をまとって出掛けます

私だけの ちいさな よいかおりの海です

8/29/2023, 3:43:39 PM

言葉はいらない、ただ・・・そこにいるだけ
存在するだけで、人を救える人がいる

救おうとしても
どんなに救いたいと願っても
救えない人もあるのに

救いたい人は救えないまま
今日も誰かを 救う人がいる

8/28/2023, 2:44:50 PM

突然の君の訪問。
破天荒なところはあったが、連絡なしに来るひとだとは思っていなかったので、驚いた。
会えた嬉しさと心配と、少し困惑もあったがうまく隠せたのではないかと思う。

なまぬるい微糖の紅茶を飲むと、あの夜を思い出す。

どうしたのと問う私に、君はなんともいえない笑顔を返した。
突然の訪問に続き予期せぬものを見せられて、しばらく言葉を忘れてしまった。
それ以上踏み込ませない、硬く脆い盾のような笑顔だった。

よく分からないまま、ホットの紅茶を買った。
私と同じように、ストレートが好きなのは知っていた。ストレートを選んだつもりだった。けれど微糖だった。こんなことは初めてだった。私も、動揺していた。

今夜の選択肢を間違えば、その先が全て崩れてしまうと確信していた。
あたたかなボトルを握っても、指先が気持ち悪い冷え方をした。

私の動揺が選ばせた微糖の紅茶を君が飲んで、やっと少し空気が弛んだように思えた。
それでもなお、無意識に呼吸が浅くなるような、そんな空気だった。
緊張に締まる喉を舐めていく、なまぬるい微糖の紅茶。
その心地の悪さを、冬が来るたびに私は思い出すのだ。

Next