香水瓶を陽に透かす
窓辺に
ちいさな海ができた
光を色々に散らして揺れる
私だけの
素敵なかおりの海です
今日は
この海を少しだけ浴びて
香りを借りて
素敵をまとって出掛けます
私だけの ちいさな よいかおりの海です
言葉はいらない、ただ・・・そこにいるだけ
存在するだけで、人を救える人がいる
救おうとしても
どんなに救いたいと願っても
救えない人もあるのに
救いたい人は救えないまま
今日も誰かを 救う人がいる
突然の君の訪問。
破天荒なところはあったが、連絡なしに来るひとだとは思っていなかったので、驚いた。
会えた嬉しさと心配と、少し困惑もあったがうまく隠せたのではないかと思う。
なまぬるい微糖の紅茶を飲むと、あの夜を思い出す。
どうしたのと問う私に、君はなんともいえない笑顔を返した。
突然の訪問に続き予期せぬものを見せられて、しばらく言葉を忘れてしまった。
それ以上踏み込ませない、硬く脆い盾のような笑顔だった。
よく分からないまま、ホットの紅茶を買った。
私と同じように、ストレートが好きなのは知っていた。ストレートを選んだつもりだった。けれど微糖だった。こんなことは初めてだった。私も、動揺していた。
今夜の選択肢を間違えば、その先が全て崩れてしまうと確信していた。
あたたかなボトルを握っても、指先が気持ち悪い冷え方をした。
私の動揺が選ばせた微糖の紅茶を君が飲んで、やっと少し空気が弛んだように思えた。
それでもなお、無意識に呼吸が浅くなるような、そんな空気だった。
緊張に締まる喉を舐めていく、なまぬるい微糖の紅茶。
その心地の悪さを、冬が来るたびに私は思い出すのだ。
雨に佇む
続きは保留中
裏返しでしか伝えられないんだと
その人は言った
甘えるな
裏返しにされて
見えなくなった表は
いつ伝わるの
裏返しで渡された愛情を
そのまま受け取って傷付くのも
わざわざもう一度表に戻すのも
あなたの愛したはずの人だ
それは 真に愛か
お前の 甘えではないか