8/28/2023, 2:44:50 PM
突然の君の訪問。
破天荒なところはあったが、連絡なしに来るひとだとは思っていなかったので、驚いた。
会えた嬉しさと心配と、少し困惑もあったがうまく隠せたのではないかと思う。
なまぬるい微糖の紅茶を飲むと、あの夜を思い出す。
どうしたのと問う私に、君はなんともいえない笑顔を返した。
突然の訪問に続き予期せぬものを見せられて、しばらく言葉を忘れてしまった。
それ以上踏み込ませない、硬く脆い盾のような笑顔だった。
よく分からないまま、ホットの紅茶を買った。
私と同じように、ストレートが好きなのは知っていた。ストレートを選んだつもりだった。けれど微糖だった。こんなことは初めてだった。私も、動揺していた。
今夜の選択肢を間違えば、その先が全て崩れてしまうと確信していた。
あたたかなボトルを握っても、指先が気持ち悪い冷え方をした。
私の動揺が選ばせた微糖の紅茶を君が飲んで、やっと少し空気が弛んだように思えた。
それでもなお、無意識に呼吸が浅くなるような、そんな空気だった。
緊張に締まる喉を舐めていく、なまぬるい微糖の紅茶。
その心地の悪さを、冬が来るたびに私は思い出すのだ。
8/28/2023, 2:19:35 AM
雨に佇む
続きは保留中
8/22/2023, 2:45:21 PM
裏返しでしか伝えられないんだと
その人は言った
甘えるな
裏返しにされて
見えなくなった表は
いつ伝わるの
裏返しで渡された愛情を
そのまま受け取って傷付くのも
わざわざもう一度表に戻すのも
あなたの愛したはずの人だ
それは 真に愛か
お前の 甘えではないか
8/20/2023, 1:09:38 PM
さよならを言う前に
言えなかったことは
わすれることにした
全部記憶の波間に
沈めることにした
届けられなかったことばを
沈められた海は
砂をさらい 白い糸を撚り
水平線を呑み
何事もなかったという顔で
少しずつ傷んでいく
少しずつ傷んでいく