【突然の君の訪問。】
トントントンと、叩く音がする
コンコンコンと、優しくなり
「開けて」と声がした。
僕は開け方を知らない。
昔、無理に開けようとして壊れてしまったのだ
心はそう簡単に開けてはならない。
【私の日記帳】
どの年齢でも日記を書いたことがある
ままとぱぱ、おにいちゃんやいもうととあそんだこと
しょうがっこうはようちえんよりひとがふえたこと
友達と話したことやお手紙をもらったこと
先生におこられてしまったこと
人が怖いと思い始めたこと
ノリが分からなくなって吐きたくなること
そして、ある時から言葉が変わらなくなってしまった
「もう消えたいなぁ死にたいなぁ辛いなぁ 」
「でももっと世界には苦しんでいる人がいる」
「僕は平気。我慢しなきゃ押し殺さなきゃ」
だれが僕にこんな言葉を植え付けたんだ
その言の葉をちぎってちぎって忘れようとさせた
それでもなんかいもなんかいもなんかいも
言の葉がいきいきと堂々とはえてくる
日記には楽しいことがもう書けないんだ
見返しても辛くなるだけ
書く意味がもう無い
純粋無垢だった頃に戻りたい
【裏返し】
ちょっと息抜きに緩く雑く一言
夏にTシャツ裏返しにせず脱ぐのできない
でも今日裏返しならずにすぽっと脱げた
ちょっとにこにこになった
【さよならを言う前に】
出会いがあるなら別れがある
それは人生の長い線の中の出来事かもしれない
あるいはその線の1番先の出来事かもしれない
出会ってまもない一年も経たない恋心
まださよならなんて全く考えていなかった
でもさよならを言う前に君とやりたいこと
それならば星の数ほどある
あなたの人生最後のさよならを私にくれませんか。
【空模様】
飛び起きてわくわくしてみた朝日
浮かれない顔が映る窓ガラスの奥にいた朝日
泥だらけになって見あげた快晴
怖くて逃げたトイレの窓から見た快晴
友達と遊んで浮かれながらみた夕焼け
泣いて帰った時みた夕焼け
星が綺麗だとはしゃぎながらみた夜空
僕を連れて行ってと願ってみた夜空
もうなんにも覚えていないけれど
全部素敵な空模様だったのは確か。