NoName

Open App
2/15/2026, 11:01:57 AM

十年後の私から届いた手紙


十年後の私から
ふいに届いた封筒は
少しだけ陽に焼けて
けれど、どこかあたたかかった。

「大丈夫」
最初の一行は、それだけ。
けれどその一言が
今の私の胸の奥で
ゆっくりと灯りになる。

十年後の私は
相変わらず不器用で
でも、今より少しだけ
自分を信じることが上手になっていた。

涙をこらえた日も
言葉にできなかった痛みも
全部、無駄じゃなかったと
未来の私は静かに書いていた。

「あなたが選んだ道は
どれも間違いじゃなかったよ」
その筆跡は
今の私より少し大人びて
でも、ちゃんと私のままだった。


眞白あげは

封を閉じる前に
未来の私はこう結んでいた。

「どうか、今日のあなたが
自分を嫌いになりませんように。
十年後の私は
あなたに心から感謝しているから。」

2/14/2026, 10:35:10 AM

バレンタイン

ほんのひとかけらの勇気を
包み紙にそっと忍ばせて
あなたへ渡す道を
今日だけは歩いてみる

甘い香りに紛れて
言えなかった言葉が
胸の奥で溶けていく

受け取ってくれなくてもいい
笑ってくれたらそれでいい
それでも
この気持ちは確かにここにある

一年でいちばん
心がやわらかくなる日
わたしはあなたに
小さな想いを手渡す




眞白あげは

2/13/2026, 12:53:36 PM

待ってて

少しだけでいい
あなたの時間の端っこに
わたしの名前を置いておいてほしい

追いかけられない日も
声を届けられない夜も
それでも心は
あなたの方へ歩いている

急がなくていい
焦らなくていい
ただ、消えずにいてくれたら
それだけで十分なんだ

わたしはここで
あなたの影が揺れるのを
静かに、静かに
待っているから



眞白あげは

2/13/2026, 4:58:15 AM

伝えたい

伝えたい、という一語には
胸の奥でまだ形にならない
あたたかさと痛みが同居している。

言葉にすればこぼれ落ちそうで
沈黙すれば届かないままで
その狭間で揺れる想いが
今日もあなたの中で灯っている。

風に乗せれば軽すぎて
石に刻めば重すぎる。
だからこそ、
あなたの声でしか運べないものがある。

たった一行の手紙でもいい。
震える指先のままでもいい。
伝えたいと思ったその瞬間から
想いはすでに、誰かへ向かって歩き出している。




眞白あげは

2/11/2026, 12:18:46 PM

この場所で

この場所で
風の音を聞きながら
ひとつ深呼吸をする

昨日までの言葉も
胸の奥に沈んだ痛みも
ここでは少しだけ静かになる

誰かの期待でも
誰かの評価でもなく
ただ、私が私でいられる場所

歩いてきた道の影も
これから向かう光も
どちらも抱えたまま立ち止まる

この場所で
もう一度、始められる気がした




眞白あげは

Next