るあ #🍏💙

Open App
2/24/2025, 2:04:39 PM

ーℕ𝕠.7ー一輪の花ー

先日、
恋人が死んだ。
原因は火事らしい。
俺は、
貧乏なこの暮らしから
抜け出すために
朝から晩までバイトに行っていた。
闇バイトというものか。
そこから帰ってくると
冷めているのに
暖かいような
彼女の手料理が置いてある日もあった。
その時は
バイトの疲れが吹っ飛ぶくらい
嬉しかったなあ。

その日も
夜中までバイトに行っていた。
帰ってくると
当然
彼女は《目を瞑って》寝ていた。
動いていないようにも見えたが、
それほど疲れていたのだろう。



そんな寝顔にほっこりしていた俺の鼻に、
焦げ臭い匂いが届く。
なにか異変を感じ、
咄嗟に鼻と口を抑える。


部屋の外を覗いてみると、
バチバチと音を立てて、

たくさんの火が、
キッチンを覆っていた。

パニックになり、
何も持たず、
そのまま家を飛び出してきてしまった。

消防士を呼ばなくては、
そう思い
ポケットを漁る

…ない
ない、ない、!
俺、どうすれば、

後ろからは
火が広がっていく音が聞こえるばかり。

そこで、
とにかく彼女を救わなければ、
と不安も恐怖も忘れて
家の中に飛び込んだ。

…もう
手遅れだった

火の勢いは
今まで見た事ないくらい
異次元的だった。

既にさっきまでいた
寝室には入れない。

俺は絶望し
その場に座り込んだ。

しかし、
目の前に広がる炎を見て
怖くなった。

急いで、また
外に飛び出た。



しばらくして

たくさんの車や人が来て
火の中に飛び込んだり
火を一生懸命消したり
かっこよかった。

こんな俺より。



数日後

あの後
家はほぼ全て焼けて無くなってしまったそう。

そして
その中には

永遠の幸福を願い
2人で買った

ムーンダスト

だけが残っていたんだとか。





2/23/2025, 2:23:55 PM

ℕ𝕠.6ー魔法ー

…昔
私は保育士だった


ねえ、わたしね!
まほうつかいになって、
たくさんのひとをえがおにしたいの!


そう
言っていた子がいた


17年経った今


その子も


保育士になったそうだ


そして


たくさんの子供と


母親と


父親を


笑顔にしているそう


そんな彼女と


今日、会った


彼女は恥ずかしそうにしながら


「あこがれのひと」


そう


表紙にギリギリ読めるような字で


書いてあるノートを差し出した


保育士だった時


沢山見た字だ…。


中を見ると


私の名前が


ページいっぱいに


書かれていた





そういえば


17年前、彼女はよく


「せんせいはまほうつかいみたいだね!」





笑顔で言っていたような…









2/22/2025, 12:09:03 PM

ℕ𝕠.5ー君と見た虹

君と初めてあった日

毎日が暗かった

その日、雨が降っていて

昼間なのに

夜かのように

真っ暗だった

当時友達が一人もいないこんなぼっちに

“友達にならない?”

なんでか分からないけど

君は話しかけてくれたね

すごく嬉しかった

戸惑いながらも

“よろしく”

そう

君の手を握った

その時

雨は止んでいて

見た事のないような

綺麗な虹がかかっていた




あのとき一緒に

笑ったね

泣いたね

相談にのったね

2人で落ち込んだね

怒ったね


…いままで沢山の景色を
《2人で》見てきたね

そんな
必要不可欠な
存在《だった》




なのに
君は
“絶対また会おうね”
なんて言って

遠くへ行ってしまった

立ち尽くした

信じられなかった

嘘だと思いたかった

そんなのも気にしないように

君はどんどん

遠くへ進んでいく

その時に

雨が降ってきた

もっと

気持ちが沈んだ

もう

立ち直れないと

そう

思ったくらいに

しばらくしても

気持ちを変えることは

できなかった

雨も激しくなって

服も

心も

全部

ぐちゃぐちゃだけど

立ち直れる気がしない

でも

そろそろ帰らないと

流石にまずい

いつの間にか座り込んでいた

自分の体を起こして

立ち上がった

すると

雨は急に止んだ

空を見上げ

ふっ

と自然に笑顔になった

ようやく気持ちを切り替えることが出来て

君と

反対方向に歩いていった

雨が止んだ

その空には

あの日のような

虹がかかっていた












2/21/2025, 12:14:45 PM

ℕ𝕠.4ー夜空を駆けるー

胸が踊るような

嬉しいことがあった夜も

立ち直れないような

辛いことがあっても

幾千もの

夜を超えていく

沢山の

夜空を駆けて

生きていく。

2/20/2025, 10:12:09 AM

ℕ𝕠.3ーひそかな思いー

あの時ああしてれば、こうしてれば、あんなことしなければ

そう思ってももう遅い
もう、あの時のように君が隣で笑ってくれることはない

それでも
少し
心の中で思っている

"あんなことしてごめんなさい。また、あの日のように笑い合いたい"

って

Next