形の無いもの
もし感情に形があれば母は私を慰めてくれたの
褒めてくれたの、寄り添ってくれたの?
何年母に褒められていないだろうか
いつも妹ばかり褒められるのを見て悔しくて悔しくて
ピアノも歌も勉強も頑張ってきた
何を頑張っても褒めてはくれなくて唯一大好きで伸びしろがあったピアノでさえ発表会があっても私にはお疲れ様の一言だけ。
妹は凄かったね上手だったよって
「私の方が難しい曲してるのに…」
感情は人には見えない。
だからと言って「見ない」のは違う
形の無いものでも
存在はしているのだから
貝殻
誰もいない静かな海
独りしゃがんで月を見上げる
「未練なんてひとつもないのに…」
自分から別れを告げたのにそう呟いた時には涙が溢れていた
やっぱり思い出は美化されちゃうみたい
「ありがとう、大好きだよこれからもずっと。」
そう言って思い出の貝殻に全てを詰めこんで
はじまりの海へ返した
七夕
去年君とみたはずのきらきらと輝く
天の川が今年は切なく感じた
去年君と出会えて幸せだったんだ
僕の知らないことを教えてくれた
経験させてくれた
そんな君と会えるのは織姫様と彦星様のように
2人で見た天の川が見れる
七夕の日の夜だけだ
友だちとの思い出
授業中に隠れて写真を撮ったり
タブレットで会話したり
持久走一緒に走ると言って裏切ったり
間に合わないと廊下を走ったり
休み時間馬鹿げた話でずっと笑ったり
クラスが離れてもほぼ毎休み時間話したり
ノリでやって失敗したり
部活の愚痴言い合ったり
笑いながら日が沈む帰り道を歩いたり
この3年間友だちとの思い出が信じられないほどある
「まだこのままがいいな」
そう呟いたのは私の中学校生活が終わり門を出たとこだった
あなたがいたから
あなたがいたから学校で喋れた
あなたがいたから笑顔になれた
あなたがいたから学校に行けた
あなたがいたから独りにならなかった
あなたがいたから辛い時も乗り越えられた
あなたがいたからたくさんのことができた
なにの…なのにどうして
私に大切な人ができてしまった時
私を悪者にしたの…