星のかけら
ある日カランと音を立てて空から何か落ちてきた
金平糖かなと思った
でも一瞬昔から大好きな惑星や星に見えた
とても綺麗で家に持ち帰り小さな瓶に入れた
次の日部屋で勉強しているとカランと音がなった
まさかとは思いながら瓶を見てみると
色違う金平糖みたいなのが入っていた
それから毎日金平糖のようなかけらは増えていった
透き通るような水色やお月様のような黄色
いろいろな色のかけらが集まっていく瓶
いつしか毎日の楽しみになっていた
「背景が黒かったら星のかけらの美術館みたい」
ふとそう思いベランダに出た私は
冷たい夜の空に浮かぶ小さな星のかけらで描かれたひとつの大きな絵を見ていた
君と一緒に
君と理由なく会えるのも後3ヶ月もない
卒業してしまえば学校は別になる
君は夢に向かって進むのだろう
理由がないと会えないけれど
それでも小さな支えになっていたい
これからたくさんのことを君と一緒に
みかん
冬になると食べたくなる
こたつでぬくぬくしながら食べたくなる
でも爪が汚れるのは嫌だな
形の無いもの
もし感情に形があれば母は私を慰めてくれたの
褒めてくれたの、寄り添ってくれたの?
何年母に褒められていないだろうか
いつも妹ばかり褒められるのを見て悔しくて悔しくて
ピアノも歌も勉強も頑張ってきた
何を頑張っても褒めてはくれなくて唯一大好きで伸びしろがあったピアノでさえ発表会があっても私にはお疲れ様の一言だけ。
妹は凄かったね上手だったよって
「私の方が難しい曲してるのに…」
感情は人には見えない。
だからと言って「見ない」のは違う
形の無いものでも
存在はしているのだから
貝殻
誰もいない静かな海
独りしゃがんで月を見上げる
「未練なんてひとつもないのに…」
自分から別れを告げたのにそう呟いた時には涙が溢れていた
やっぱり思い出は美化されちゃうみたい
「ありがとう、大好きだよこれからもずっと。」
そう言って思い出の貝殻に全てを詰めこんで
はじまりの海へ返した