起きたら知らない場所にいた。
人気のない部屋に一人 誰かがいる気配もなく
ただ 棚の上に人形があり少し気味が悪いと思ったが
ずっと見ていると可愛く見えてきて愛でたいという感情が湧いてきてその人形をふわりと優しく撫でた
人形の目がギョロリと私を見つめる。
気持ち悪い……
窓もない、ドアは開かない
嫌、遠くへ行きたい…。

カーテン。
お兄さんから「外の景色はダメ」と生まれてからずっと言われてしまう
ある日少し窓を開けて換気をしているとふんわりと優しい光が私の目に触れる
外ってこんなに綺麗なんだと一気に虜になって
急に目の前が真っ暗になった 。

空はこんなにも青くて、広い そして 綺麗
飛んで行ってしまいたいくらい美しい
時間によって変わるのも楽しい
生まれてからずっと外に出させて貰えない。
だからずっと窓から覗くだけ

いつになったら空の近くに行けるのかな

こんな俺にもやっと彼女が出来た。
だがそんなある日

彼女と喧嘩をした
怒りながら静かにドアを開ける彼女の背中を見ているだけだった自分

謝りたい、謝りたい、
喉の奥から無意識に「どこにも行かないで。」と
出てきていた

その後の俺は、ちょっと束縛が激しくなっていた。