貴方と言葉も顔も交わさず
さようならをして7年経った。
近況が知りたくて貴方の名前を調べたけど
何も手がかりは無かった。
ふと時計を見ると
起床する2時間前になってしまった。
もうちょっと探していたかったのだけれど、
もう彼の事は忘れなさいと
時に告げられてしまったのかしらね。
「意味がないこと」
あれこれと考えるのは体力と精神を使う。
あの人の気持ちを知りたい、
誰々に嫌われていないだろうか、
どうしてあの人はこんな行動、言動をしたのだろうか、
そしてそこに当事者ではない、他の者に対しての
「貴方はどう思う?」
他者の気持ちなんぞ分かるはずがないのに憶測で物を言う。
そして他者が憶測で言った言葉に
安堵し、傷つき、納得を得る。
こういった話はなんて事ない日常の一コマだ。
しかし私は思う。
確証のない事、それも他者が言った言葉に
一喜一憂するなんぞ勿体ない事ではないかと。
そして、結局はあれこれと考えてみても
本人の気持ちが分からないのだから考えても
「意味がないこと」と。
「一筋の光」
この何もない人生において、
一筋の光は突然、姿を消してしまったあの人。
まだ年端も行かぬ男女が一夜を通して
人生やら宗教やらを語り合った。
今まで出会った人とは違う空気感でそれが居心地が良く、
彼の感性が自分と通ずる所があった。
行方知らずだが、今世でまた会えるのを
期待して生きていくのも悪くないだろう。
彼が今日、私の実家に会いに来てくれる夢を見た。
「会いたくなったから来たんだ」
と当時よりふくよかになった彼が笑顔で言った。
それだけで今日が特別な日に変わった。
夢の中だけでも会いに来てくれてありがとう。
私の人生の一筋の光は貴方という存在です。