*太陽
太陽のようなヒト。
それが彼だ。
顔の周りの毛がフワフワしているので見た目が太陽のようだし、そのフワフワの毛並みの中にある顔もいつもニコニコ笑っていて、これぞ「太陽のような笑顔」というのだろう。
そんなオオカミの獣人を飼い主に持つ人間の私は、太陽とは真反対である。
例えるなら新月の夜。闇夜という表現が似合う表情をしていると、自分でも思っている。
「暗い」「辛気臭い」「何を考えているかわからない」母親によく言われてきたことだ。
それほどに表情のない、暗いオーラを放っている私は、まさしく闇夜だろう。月の柔らかな光すら放つことができない、光がどこにあるかわからない、そんな表情を常にしているのが私なのだ。
だから、なぜ太陽のような笑顔で常に楽しそうにしてる彼が、私を飼うことにしたのか全くもってわからない。
いつもかわいいかわいいと頭を撫でてくるが、可愛いところがあるわけがないのだ。
今も、本を読んでいる私をスマホのカメラ機能で連写しながら、「かわいい!!かわいいよ〜!」と言い続けている。
毎日のように写真を撮っているが飽きないのだろうか。同じようなポーズを撮って楽しいのだろうか。わからない。
と、
「セラは今日もかわいいな〜!!!」
と抱きついてきた。
いつもの流れだ。
私はされるがままでいながら、本を読み続ける。
彼は自分の頬を私の頬にすりすりしながら、
「セラは存在がかわいいんだよ〜いるだけでかわいいんだよ〜存在してくれてありがとね〜〜〜」
と。言った。
…………存在してくれてありがとう?
そんなこと、言われたことがない。
ずっとみんなから疎まれてきた私が、そんなことあるわけない。
でも、このヒトはそう言っている。心から言っている。
彼が嘘をつかない、つけないタイプなのはもう分かっている。だから心からそう思って言っているのだろう。
でもなんで?
なんで私が存在しててありがとうなの?
……わからない。
わからない。けど。けど、なんだか彼にもたれ掛かりたくなって、姿勢は変えないまま、そっと体重を彼に預ける。
彼の顔は見えないがパァッと明るくなるのがわかる。そして、尻尾をブンブンと振りながらさらに抱きしめる。
私は体重を預けたまま、彼の体温や毛のモフモフを感じながら、本を読み続ける。
今はまだ彼の言うことがわからない。いつか分かるのだろうか。
そんなことを思った。
追記
名前を変えました……!
*明日、もし晴れたら
(一旦残し……!)
「嵐が来ようとも」
(残し……!)
「鳥かご」
(今日書けないので後日……!)
「もしもタイムマシンがあったなら」
(内容は思いついたけどキャラ名が決まってないので一旦保留……!決まり次第編集……!)