足笠たな(元・田中)

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8/27/2024, 2:25:46 PM

*雨に佇む

(一旦枠取り…!仮ばかりで申し訳ない…!)

8/18/2024, 5:31:17 AM

*いつまでも捨てられないもの

(一旦残し…!)

8/11/2024, 10:33:44 PM

*麦わら帽子

幼い頃憧れた麦わら帽子。
どうして憧れたのか、もう覚えていない。でも、15歳になった今でも見ると目で追ってしまう、麦わら帽子。
それが目の前の店のショーウィンドウに展示されている。

飼い主である彼に連れられやってきた、人間専門ペットショップ。
洋服とかどれでもいいのにと思いながら着いてきたのだが、まさか麦わら帽子があると思わず、つい見つめてしまっていた。
「なにか欲しいのあったか?」
彼にそう言われ我に帰る。
ううん、と首を横にふるが、彼の視線は私が見ていた方向へと向いている。
まずい、欲しいものがあると思われてしまう。
私なんかがあれ欲しいとか言っちゃいけない。しかも、麦わら帽子なんてオシャレのためのものは​─────

ぽすっ。

と、頭に何かが乗った。
え?と顔を上げると、彼が、いつもの太陽のような笑顔をこちらに向けている。
「わーやっぱり!セラに似合うよ!!かわいい!」
そう言い頭を撫でる。
な、何が乗せられたんだ……?
確認しようと辺りを見回し、窓ガラスに映ってる自分を見ると、先ほどの麦わら帽子をかぶっていた。
「え……あ、なんで……」
「ん?セラ、これをじーっと見てただろ?だから欲しいのかなーって」
「いや、欲しくなんて…」
罪悪感か、羞恥心か、顔が熱くなるのを感じて下に向け、麦わら帽子を取ろうとすると、
「それでかぶせてみたら、セラすっごく似合うんだもん!!僕が欲しくなっちゃった!だからこれ買おうね!!」
彼はそう言い、「かぶってるとこ見せて見せて!」と、顔を上げさせる。
「………い、いいの…?」
「ん?」
「……これ、買ってもらってもいいの?」
マトモに彼の目も見れずに聞く。
すると彼はまた太陽のような笑顔を向け、さっき以上のニコニコ顔で、
「もちろん!!!!」
そう言い、私を抱きしめるのだ。

あれ欲しいと言って怒られなかった。
笑顔で、買おう、と言ってくれた。
なんだか胸が熱くなる。
抱きしめられてるからだろうか。
「……ありがとう、ございます」
私を抱きしめたまま1人でしゃべっている彼には聞こえないくらいの声で、そっと呟く。
自分の望みを言って怒られない世界がある。
今はそれを噛み締めたい。

8/10/2024, 9:54:18 AM

*上手くいかなくたっていい

(残しの投稿)

8/7/2024, 8:48:28 AM

*太陽

太陽のようなヒト。
それが彼だ。
顔の周りの毛がフワフワしているので見た目が太陽のようだし、そのフワフワの毛並みの中にある顔もいつもニコニコ笑っていて、これぞ「太陽のような笑顔」というのだろう。

そんなオオカミの獣人を飼い主に持つ人間の私は、太陽とは真反対である。
例えるなら新月の夜。闇夜という表現が似合う表情をしていると、自分でも思っている。
「暗い」「辛気臭い」「何を考えているかわからない」母親によく言われてきたことだ。
それほどに表情のない、暗いオーラを放っている私は、まさしく闇夜だろう。月の柔らかな光すら放つことができない、光がどこにあるかわからない、そんな表情を常にしているのが私なのだ。

だから、なぜ太陽のような笑顔で常に楽しそうにしてる彼が、私を飼うことにしたのか全くもってわからない。
いつもかわいいかわいいと頭を撫でてくるが、可愛いところがあるわけがないのだ。
今も、本を読んでいる私をスマホのカメラ機能で連写しながら、「かわいい!!かわいいよ〜!」と言い続けている。
毎日のように写真を撮っているが飽きないのだろうか。同じようなポーズを撮って楽しいのだろうか。わからない。
と、
「セラは今日もかわいいな〜!!!」
と抱きついてきた。
いつもの流れだ。
私はされるがままでいながら、本を読み続ける。
彼は自分の頬を私の頬にすりすりしながら、
「セラは存在がかわいいんだよ〜いるだけでかわいいんだよ〜存在してくれてありがとね〜〜〜」
と。言った。
…………存在してくれてありがとう?
そんなこと、言われたことがない。
ずっとみんなから疎まれてきた私が、そんなことあるわけない。
でも、このヒトはそう言っている。心から言っている。
彼が嘘をつかない、つけないタイプなのはもう分かっている。だから心からそう思って言っているのだろう。
でもなんで?
なんで私が存在しててありがとうなの?
……わからない。
わからない。けど。けど、なんだか彼にもたれ掛かりたくなって、姿勢は変えないまま、そっと体重を彼に預ける。
彼の顔は見えないがパァッと明るくなるのがわかる。そして、尻尾をブンブンと振りながらさらに抱きしめる。
私は体重を預けたまま、彼の体温や毛のモフモフを感じながら、本を読み続ける。

今はまだ彼の言うことがわからない。いつか分かるのだろうか。
そんなことを思った。



追記
名前を変えました……!

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