『淡い夕焼け』


今日もまた一枚

写真が増えてゆく

薄い桃色とマゼンダのグラデーション

空とカメラの間を風が吹き抜ける

淡い恋の予感がした

『儚き貴方』


満月の下に照らされて光る海

息を呑むほどに

とても綺麗だった

まるで貴方のように

綺麗なものはいつかなくなる

あの頃の自分に

教えてあげたいな

貴方に思いを寄せたあの頃の自分と

過去を振り切れない今の自分に

『ブルーな空気』


帰り道

ふらふら、と歩いていると見慣れた後ろ姿が

貴方、とおそらく恋人であろう人、

声をかけてみると

顔を赤ながら恋人ができた、と言う貴方

とても綺麗だった、

13年間ずっと一途に思いを寄せていた人は

自分ではない誰かと付き合った

それだけのことだが

泣くには十分な理由になるだろう

『輝き』



ずっと4人で一緒だよ！、なんて言って

笑い合っていたあの輝く日々

心も体も成長した今だからこそ

今、貴方に言うね

一生、なんてないんだよ

寂しげに微笑んだ私の目からは

輝く雫が落ちて

視界が滲んでいた

『レモン』


部屋の中に広がる柑橘系の香り

あの頃の自分が好きだった

あの頃の貴方の好きな香り

夏が来るとほのかに香る甘酸っぱいこの香りは

君を目で追っていた頃の日々までも

鮮明に風に乗せて吹かれてく