聞くよりも
色数多い
部屋だった
自室のほうが
はるかに「しろい」

うしないぬ
およそにじゅうの
ねんりんを
なぞるゆびさき
すこしつめたく

今一番欲しいもの

うすべにの
ふりつもるゆき
かきわけて
ちいさないのち
そっと息づく

春爛漫

音もなく
あつさにゆらぐ
君のめは
杳きを照らす
誰よりも、ずっと

誰よりも、ずっと

とろとろと
色の境が
あいまいに
あかくあおくと
終いに黒くと

沈む夕日