『10年後の私から届いた手紙』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
10年後の私から届いた手紙にはこう書いてあった。
「私は今の話をしている。」
『ハッピーエンドのその先に』
めでたしめでたしと 茶の間が沸いて その後は気持ちの良い欠伸が待っている そして人々は床に就く
大団円の余韻を感じ 華やかな夢を見る 朝が来れば
生活が始まる トーストを焦がしてしまう 小さな不運 使われなかったバターがテーブルを温めている
人々は慌ただしく出かける 似ているようで似ていない毎日を繰り返し 次のハッピーエンドに飛びついて
また繰り返す 繰り返す
明日のことすらわからぬ我が身に、
未来を語ることなど出来ない。
ただ、過去の私に対してはいくらでも言える。
君の熱意や悩みが今の私を形作るのだから、
どうして君を否定できようか。
自由闊達と傍若無人の間で、藻掻き抜くが良い。
お題「10年後の私から届いた手紙」
10年後の私から届いた手紙
「何も心配しなくて良いからね。大丈夫、大丈夫」(希望)
10年後の私から届いた手紙
お久しぶりです。なんでこう、私は継続的に動けないのかな。
「10年後の私から届いた手紙」。難しいね。
10年後の私は何をしているだろうか。何度も考えたテーマではあるけど、答えを出すのはなかなか難しい。そんな「相手」から届く手紙など、想像できるはずもない。
ならば、今の私が「10年後の私」だとすれば、まだイメージしやすいだろうか。
10年前は(年齢バレるけど)まだ中学生だ。
そういえば中学の頃は「大人になった私へ」と題してしばしば日記や手紙を書いていた。せっかくなら読み返しながら返信を書きたいものだが、残念ながら今手元にない。今度実家に戻ったら探し出すとしよう。
さて、10年前の私に何か伝えられるとしたら、何を伝えたいだろうか。
一つ伝えるべきは、「あまり悟るなよ」ということかもしれない。
例えば、当時の私は絵を描くのが好きだった。
でも、それを仕事にするのが難しいこと、仮に仕事にできても純粋に楽しめないことを理解していた。適職診断で「クリエイティブなことは向いていない」と言われたこともあり、好きを仕事にすることは早々に諦めた。
別に間違っているとは思わない。でも、それに囚われる必要もないと、今では思う。
好きな絵だけを描いて生活するのは大変でも、絵の何が好きかを深掘れば、「好き」と仕事を繋げることは可能だ。というか、俗に言う就活がそういうものだ。10代半ばですべて諦めることはない。
「クリエイティブなことは向いていない」と言われたことには、10年後の私は納得いっていない。その根拠は「論理的な人だから」だった。納得いかない。
イラストであれば計算された美しい構図を生み出し、物語であれば展開を綺麗に組み立てる。仕事にするならば顧客の要望と新規性をパズルのように組み合わせる。
これらはあくまで一例だけど、なぁ、論理性がクリエイティビティに活かせないと、なぜ思った?
爆発的で情熱的なものを生み出すのは苦手かもしれない。少なくとも私は。でもそういうものばかりが「クリエイティブ」じゃないよね。
クリエイティブに向いていない人なんていない。「やりたい」と思ったらそれが適性だよ。
少し熱くなってしまった。まぁ、「可能性を狭めるな。広げろ。選択肢を絞るのは未来の自分がやることだから」ということです。
もしあなたが10年前の私と同じ状況にいるなら、あなたに向けてこれを届けます。10年後のパラレルワールドの「あなた」から手紙が届いたと思ってほしい。
楽しいことばかりじゃないし苦労はそれなりにしているけど、見ての通り創作活動にも勤しみつつ、何とかやってるよ。これからもっと、純粋な「やりたいこと」に向けてリスタートしようと思ってるよ。10年前の私へ。
こんにちは。
十年後の私へ手紙が届くのはびっくりしますか?十年後には過去の自分に手紙を書くことができるんですよ〜。私、今警察官やっています。警察学校も大変だったけど、今なら戻りたいなって思うぐらい大変ですけど子どもたちが忘れ物届けに来てくれたり、挨拶されたりしてすごく幸せな職についたな〜って思います。
今、すごく大変な状況だと思いますが、自分の夢を忘れず人生楽しんで下さい。
十年前の私は何事にも全力でやっているところが大きな取り柄です。自分に自信をもって日々過ごして下さい。私からは以上です。
さようなら
第十九話 その妃、消ゆ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「……もしかして、ここは天国ですか」
「残念ね。まだ死んでなくて」
突風が吹き込んだ所までは、辛うじて覚えている。けれど、瞬きをした次の瞬間には、廃離宮へと戻っていた。恐らくはこれも、友人が置いていった代物なのだろう。
「取り敢えず下見は済んだことだし、今日はここで解散にしましょう」
あー疲れた疲れたと、湯浴みに行こうとするその人の背中を、呆然と眺めていた。
毒の後遺症か、頭や体が上手く動かない。
「……何よ。まさか、今すぐ褒美が欲しいとか言うんじゃないでしょうね」
「どうして、何でも知っているんですか」
「あんた、それが褒美でいいわけ? もっと他にあるでしょう」
「いい子で待てなかった僕には、そもそも受け取る資格はありません」
それに、褒美ならもう……貰っている。
先程まで確かに繋がっていた手元に視線を落としていると、目の前からちいさなため息が落ちた。
顔を上げると、長椅子に座る主人が隣をとんとんと叩いている。たったそれだけのことなのに、免疫のない心臓が無駄に期待しようとする。
「“予想通り”いい子で待ってたんだもの。約束は、ちゃんと果たさないとね」
逸る鼓動を抑えながら、一人分の隙間を空けて遠慮がちに座る。そんなものは「大きな声で話したくないのよ」と言う、面倒臭がりな妃にあっという間に詰められたが。
「それで? 何が知りたいって?」
「ど、どうしてご存知だったのかなと」
「麻痺はそのうち消えると思うわよ? あの香は元々治療用だから、よっぽどのことがない限り、副作用もないし後遺症も残らないはず」
「……そのようなことを、どうして貴女が……」
以前、彼女は何も言わなかった。
全部がわかっていたらこんな場所にはいないと、ただ濁すだけで。
それだけじゃない。
あの後……帝と姿を消してから、城の中で一体何があったのか。
「私が、回帰した人間だから」
「……え?」
「私が未来人だから」
「み、未来人?」
「そうでないなら、十年後の私から届いた手紙で教えてもらっているから」
「……冗談、ですよね」
彼女はただ微笑んだ。
さあね? と笑いながら。とても楽しそうに。
やっぱり教えてくれるわけではなかった。恐らく“いい子”の基準値を超えたから。
まさか、たったこれだけのことでこんなにも落胆するとは思わなかったが。
「そんな残念そうな顔しなくても、そのうち嫌ってほどわかるわよ」
「……また冗談ですか」
「あんたが私の側から離れたいなら勝手にどうぞ」
「……それなら、もう少し待つことにしましょうか」
「生意気ね」
「いえいえー。貴女様には到底勝てませんよー」
そうして笑い合ってから、互いの情報を整理するため、一度解散をすることに。
許可を貰い、麻痺が消えるまで休んでいると、麻酔としての効果があらわれたのか、いつの間にか眠ってしまっていた。
「……ん。じゅふぁさま……?」
ゆるりと目蓋を持ち上げる。
世界はすっかり夜の帷を下ろし、体には毛布が掛けられていた。やさしさに、体も心もあたたかくなる。
「……ジュファ様?」
けれど、この時ほど、彼女の側を離れたことを恨んだことはなかった。
〈シバシ旅ニ出ル
良イ子デ待ツベシ〉
主人は、それを最後に消えてしまったから。
#10年後の私から届いた手紙/和風ファンタジー/気まぐれ更新
出せない手紙は
届かない
「10年先の私から届いた手紙」
お題 10年後の私から届いた手紙
郵便受けに不思議な手紙が入っていた。差出人は「10年後の私」と書かれている。
不審に思ってそのままゴミ箱に入れようとしたら、どこからか声が聞こえた。
「捨てないで。読んでほしい」
声の主を探したが、見当たらなかった。
まるで切迫した声で訴えているようだった。怪訝に思ったが読まなければならない気がして封を開けてみた。
私の書く筆跡と同じだ。本当にこの手紙は私が書いたのだろうか?10年後の私と書いてあるし、どういうことなのだろうか?とにかく読んでみる。
拝啓10年前の私へ
今から書く内容は、あなたにはピンとこないでしょうね。私はあなたの未来になにが起きたか知っている、10年後の私だからです。
これからあなたに起きる出来事を書ける範囲内で書いて伝えたいと思います。
これからあなたに起きる出来事は、苦難に満ちています。つらい出来事の中であなたは生きていくのもつらくなるかもしれません。
でもけして死なないでください。
もう少ししたらあなたを支えてくれる大切な人と出会えます。
だから、頑張って生きていて。支えてくれる大切な人と出会えるまで。
かしこ 10年後の私より
意味不明な内容の手紙を読み終えると、ゴミ箱にぽいっと捨てた。
10年後
そんな手紙があったことすら忘れた私に、苦難などなにも起こらなかった。ただ私を支えてくれる旦那様とは出会えた。
そんなある日郵便受けを見たら、更に10年後の私と書かれた手紙が入っていた。
また読まなければならない気がして封を開けてみた。
そこに書き記されていたのは
あの時の手紙を読んでくれてありがとう。おかげでなにも起きなくて済みました。
だった。
そして、
あの手紙は、あなたに降りかかる災厄を祓って、倖せを呼び込む為に書いたものです。あなたが倖せでいてくれて良かったです。
読んだ後、捨ててくれたから効力を発揮しました。
そう書かれていた。
あの手紙が私の災厄を祓った?そんなチカラが込められていたなんて。まるで人形みたいだ。
私も10年前の私に手紙を書いてみよう。
10年後の私から手紙が届いた。
何を言っているのか分からないと思うけど、私も分からないので仕方がない。
近所に手紙を出すと10年前の自分に届くというポストがある。
最初はこの都市伝説にちなんだ、ただのイタズラだと思っていた。
そしてこの手紙には、これから起こるであろう様々な出来事が書かれていた。
病気の感染、外国の戦争、日本での大きな事故、有名な事務所の不祥事。
だがどれもこれも荒唐無稽で信じることはできなかった。
だけど月日が経つにつれ、私は考えを変えることになった。
手紙が届いてから一年の内に、書かれている出来事の一割が起こったのだ。
寸分の狂いもなく、正確に事件や事故が起こった。
起こってないもう9割の出来事は、日付が未来となっている。
未来の事ではあるが、絶対に起こることなのだろう。
ここまで来ると、さすがに信じるほかなかった。
(そこまで分かるんなら、宝くじの当選番号くらいかけよ、とも思ったが)
だが……
『私』から、というのは絶対に信じることができない
だってこの手紙、もすごい綺麗な字で書かれているもの…
私の字は汚い。
どんなに頑張ってもこんなに綺麗にかけることはない。
かつて字をきれいにしようとしたこともあるが、時間の無駄だった。
ある人は『ミミズが這ったような字』、ある人は『これには解読班を呼ぶ必要がある』、またある人は『これは紛れもなく宇宙人の文字。宇宙人は存在する』とまで言った。
さすがに最後のやつは殴った。
たった一つの相違点。
それだけだが、この手紙は私を語る偽物が書いたと断言できる
もちろん10年後に字がきれいになる未来があるかもしれない。
しかし、それならば字の事について言及があるはずだ。
でもそれがないことはおかしい。
つまり私ではなく、私を語る偽物が書いたのだ。
証明終了。
そしてもう一つ不可解な事。
それは、これだけのことをしておいて、私にさせたいことが意味の分からない。
『指定の日時に指定の場所に行くこと』
そこで何が起こるかも、何をすればいいのかも書かれていない。
意味不明である。
なにかのイベントがあるのかとも思ったが、調べても何も出ない。
もしかしたら、暗殺者がいて私を殺すつもりなのかとも思ったこともある。
だけどそれにしては回りくどい。
直に殺しにくれば話が早くて確実である。
この手紙の差出人は何が目的なのか?
それを理解するために、この場所に行くしかあるまい。
行かないという選択肢は、私の中には無い。
なぜなら、ここで行かなければ、死ぬまでずっとモヤモヤが晴れないだろうからだ。
さすがに『ま、いっか』で済ますには見過ごせないことが多すぎる。
指定の日付は来週。
鬼が出るか蛇が出るか。
それはその時になってみないと分からない
期待と不安が入り混じりながら、その日を待つのだった。
🕙 🕙10年後🕙 🕙
今でもあのことを思い出す。
あの手紙によって私の人生は大きく変わった。
あの指定の日付に指定の場所に行くと、私は運命的な出会いを果たした。
そこには新しく結成されるアイドルグループの宣伝ポスターが張られていた。
私はそのポスターを見た瞬間、ハートを撃ち抜かれた。
そこには、ストライクゾーンど真ん中の美男子が大きく映っていたのだ。
そして死ぬまで推していくことを、その場で誓った。
有休が取れない仕事はやめ、融通の利く仕事へと転職した。
そして空いた時間をフルに使い、ライブや握手会は全て行った。
何度も行ったので、完全に顔を覚えられたのは笑い話である。
ファンレターも出した。
さすがに汚い字のまま出すわけにもいかず、必死になってきれいな字を書いた。
すると継続は力なりと言ったもので、ある程度キレイな字が書けるようになっていた。
愛は偉大である。
後で知ったのだが、宣伝ポスターはいろいろ事情があって、あの日あの場所でしか張られなかった。
つまり、あのタイミングを逃せば推しに会えることは無かった、と言うことだ。
テレビで見ることはあるかもしれないが、前職の毎日残業デーという状況下ではテレビを点けたかどうかすら怪しい。
つまり、私に確実に認識させるためには、あの場所に向かわせることが最善だったのだろう。
そして彼は今でもテレビで活躍している。
あの時会った美男子は、年を取ってイケメンになった。
だけどあの時と変わらない輝きで、私の人生を照らしてくれる。
彼と出会わなければ、私の人生は今でも暗い物であっただろう。
感謝をしてもしきれない。
そして私は手紙を書いた。
彼にではない。
十年前の自分あてに。
疑われないよう細心の注意を払い推古する。
書くのは最低限、自分のことはほとんど書かない。
字がきれいになった理由もだ。
ネタバレしてはつまらないからね。
最後に十年前に自分に届くと言われるポストに手紙を出す。
ただの都市伝説だと思っていたが、実際届いたので本当だったらしい。
なんでも疑ってかかるのはよくないな。
なんにせよ、やれることはすべてやった。
これなら彼と確実に巡り合うだろう。
十年前の私よ。
手紙を出した私に感謝するといい。
そして彼に最大級の愛を捧げるのだ!
あ、宝くじの当選番号書くの忘れた。
連絡途絶えちゃったね
何してるんだろう
めんどくさくなったかな
いつも貴方のことを考えてしまう
不安しかない
10年後の私から届いた手紙
10年前の私へ
今、あなたは選択を迫られてたり、辛かったり、心配だったりするでしょう…残念ながらまだまだです!
これからも次々問題が起きてジタバタしながら前に進むしかないです。
でも大丈夫!
正解でも間違っててもしっかり悩んで、考えて、傷ついて、一生懸命出した答えだから!頑張れ!
あ!私は今からあなたがずっと行きたいって言ってた世界一周に行ってくるよー バイバイ♡
こんな手紙だったらいいな…
これを読んでるってことは人生に絶望したのかな?
10年前の私、お疲れさま。
人生いろいろあると思うけど、笑う門には福来たるだよ!いつでも笑顔をたやさないでね。
「は……能天気すぎでしょ」
抽斗の中を片付けてる最中に見つけた水色の封筒。何かと思って開けてみたら自分からの手紙だった。“10年前の私”、ってことは27歳に書いたのか?なんで未来の手紙がこんなところに。どういう仕組みでこんなものが存在しているのか分からないけど、それにしてもひどく他人事な文章だなと思った。
未来の私は悩みなんて無いのかな。今の私はまだ学生の身だから正確には大人とは呼べない。気持ちはまだまだガキっぽいところがあったりする。相手の顔色とか機嫌ばかり気になっちゃう。今日もクラスのあの子から嫌がらせ受けたけど、何も言い返せなかった。10年後の私が見たら何て言うかな。この文章からして、情けないっ!とか無駄に正義感振りかざしてきそう。やられたらやりかえしなよ、とかも言いそう。それができたらやってるってば。
「はあ。……ん?」
手紙は1枚ではなかった。もう1枚、便箋よりもひと回り小さな紙が入っている。広げるとそれはハート型のメモ用紙みたいな紙だった。その中心に、大きく書かれていた言葉は、
「ケ・セラ・セラ……」
なるようになる。たしかそういう意味だったっけ。思い出しながらもう一度呟く。ケセラセラ。すると不思議と重たい空気は緩和されてゆく気分になった。どうにかなる。なるようになる。そんな気がして。さらに呟く魔法の言葉。
「ケセラセラかぁ」
思い悩んでいたことがちっぽけに感じられた。不満も悩みも尽きない、そんな年頃だけど、どうにかなるって思えたからぐっと心が軽くなった。10年後の私、ありがとう。きっとどっかで見ていてくれたのかも。大人になった私は優しいんだな。
じゃあ、もう少しだけがんばってみる。密やかに決意して、ハート型のそのエールの紙を再び抽斗の奥にしまった。
10年前は
「あたし、アイドルになるんだっ!」
とか言い張って、周りから
「えー!すごーい!」
って、10年前の私は人気者だった。
10年後の今、もう高校生。
受験勉強が大変な中、
10年後の私へ手紙を書いた。
次は真剣な夢を──
┌─────────────────────┐
│ 10年後の私へ │ │ お元気ですか?10年前の私です。 │
│ 私は今、看護師になりたいです。 │ │ 何事も全力で取り組むことを約束して下さい│
│ │
│ そして、10年後も夢に向かって │
│ 歩み続けていると私は信じています。 │
│ 10年前の私より │
└ ─────────────────────┘
綺麗なクリーム色の封筒に入れると、
学習机の引き出しの奥に優しく置いておいた。
「10年後の私から届いた手紙」
手紙の形、四角形作るのめっちゃ大変でした〜
角や辺など...何とかつくり終えました
これだけで30分以上はかかったかと思います💦
そういえば、
先週の金曜ロードショー見た人いますか?
先週の「かがみの孤城」、好きでレンタルして見たり
小説も上と下買いましたー!
本当は映画館で見たかったのですが、
当時はすずめの戸締まりを映画館で見たので
かがみの孤城はレンタルして見ることにしました。
私、新海作品が好きなんです笑
タイムカプセルを埋めようと思った。
大切な宝物を一つ一つ紙に包んで、一等お気に入りだったお菓子の缶に、丁寧にぎっしり詰め込んだ。
幾らか重たくなった缶を抱えて、私だけの秘密基地、金木犀の木の下に埋めようと土を掘った。
かつん、と。
少し掘って直ぐに金属音がした。
沿うように掘り進めると、それはお菓子の缶だった。
丁度、今私が持っているのと似た缶だった。
蓋を開けてみるとスカスカで、便箋が一つだけ入っていた。
『明日に9歳になる私へ』
『明日、知らない人が誕生日祝いに来たら、絶対に着いていくんだよ』
『宝物を埋める必要もない。一緒に持っていけば壊れることはないから』
『"私"が今の"私"に辿り着けるよう、健闘を祈るよ』
『無事大人になった私より』
「……そっか」
少し土で汚れてしまった手紙を畳み直し、再度便箋に入れる。
埋まっていた缶を確認すると、確かに、10年程先の賞味期限が読み取れた。
「うん、そっか」
元通りに缶を埋め直し、宝物を入れた缶を抱え直す。
此処にいてはいけない。
逃げる準備を、しなければ。
<10年後の私から届いた手紙>
「ねえ"私"さん」
「貴方は"私"じゃないから知らないのでしょうけど」
「明日誰が来るのかも、何で連れていきたいのかも、私もう知ってるの」
「そういえば、タイムカプセルの話をしてくれたのも、この手紙を読ませるためだったのかしら」
「未来を騙るなんて、本当に鬼みたいな人達ね」
10年後の私から届いた手紙
10年後の私から届いた手紙なんて、
その内容は想像できないけれど、
いい時を過ごしていたと
懐かしく思えてたらいいのにな。
もし今の私が、10年前の私に手紙を書くなら、
頑張ってるね、少し力を抜いて楽しんで、
と伝えたい。
あの頃はいっぱいいっぱいだったから。
#173
10年前の私へ
元気かな?
私は元気じゃないかな。
10年前の私。
私を変えて。お願い。
10年後の私より
#10年後の私からの手紙
10年後の私へ
人生楽しめていますか?
先生のこと諦めましたか?
14歳の頃の私は、失恋から立ち直れず未練タラタラで先生のことを四六時中考えてしまっている毎日ですよ。覚えてるかな。笑
10年後の私、まだ報われないって感じてますかね?
もしそう感じているなら、
何年後でもいいからいつか報われますように。
64歳のわたしへ
すっかりシニアになったわたし。まだ現役で仕事をしてるといいな。
わたしが40代半ばだったある日のこと、当時小学生だった次女から「〇〇ちゃんのママは学校の先生、○○ちゃんのママは看護師なんだって。ママはなに?」と問われた。
わたしは何?...一言で表現する“何か ”がわたしにはなかった。
当時の仕事はある会社での事務。「わたしは事務員だよ...」「わたしはママだよ」「わたしは...」
わたしが短大を卒業し、就職した頃はバブル真っ只中で、若かったこともあり仕事なんていくらでもあった。資格や経験がなくても仕事探しに苦労はなかった。
でもいつからかな、仕事を探していて求人票をめくっても、あれもこれも資格や経験がないと応募さえできない事実にはたと気づいた。
わたしの資格らしい資格といえば、車の運転免許くらい。
それまで一度も自分がなんなのか?の問いに困ったことがなく、地位や名誉なんて興味もなけりゃ、追求することもなかった。
でも娘の問いに頭を殴られたほどのショックがあったのは確かだ。
40代半ば...今から何かにならなくちゃ。
そこで考えついたのが、司書の道である。
7年近く勤めた会社を辞め、司書になるために勉強することにした。
幸い短大を卒業していたわたしは、必要な科目だけを履修すれば通信課程で司書資格が取れた。
久々の勉強や科目ごとのテスト、レポート提出や対面での講習...約1年を時に投げ出しそうになりながら過ごした。
そして、今は言える...娘の「ママはなに?」の問いに...
「わたしは司書です!」
64歳になったわたし...果たしてまだ司書でいるだろうか。いや、もう引退してるかな。
何はともあれ、お疲れ様。
大変だけど、皆に支えられて
何とか生きてる。
だけどもう疲れたよ……
何も出来ない自分が嫌になる……
やっとここまで、回復したのに変われない
はぁ……
泣きたい……悔しい……
けど泣けない
しんどいけど、大変だけど
何とか生きていかなきゃ……
ふぅー……
ため息ばかりでる