『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰かからの連絡があると、私はすぐに見てしまう。
必要とされている、と思うからだろうか。
返信が終わると同時に、すぐに虚無感に苛まれていたときもあった。
「1件のLINE」
私は必要最低限しかLINEを利用しない。
待ち合わせ時間や出欠などの連絡ぐらいかな。
だからある1件のLINEの対処に困る時がある。
知人のお出掛けした時の報告と写真、
私にとってはどうでもいい話で実は探りを入れている、
とんでもない時間に来るLINE、など。
こういう1件のLINEで返信に時間を費やす。
困った挙句、スタンプを1つ送って終了。
私って、冷たい人間?
ピロンとスマホの着信音が聞こえて
慌ててLINEの”あの人”からの既読とメッセージが
きたかを確認する。すると...
メッセージがきていた!
...しょうもない雑談をしているグループLINEから。
なんだ..なんかムカつく...何かに..
簡単に表すと、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙って感じ。
次こそ”あの人”からメッセージきますように!
「1件のLINE」
ついにお題にLINEが入ってきたか...(?)
と思いました。あ、”あの人”って好きな人って意味
です。
仕事の出張で、今日はビジネスホテルに1泊せざるを得ない状況になってしまった。いつもなら落ち着ける我が家と、愛しい彼が待っているのだが、今日はホテルの狭い1部屋で過ごさなければならない。ひとりぼっちで静かな部屋で寂しい思いをしていると、スマホからLINEの通知音が鳴った。
《お疲れ様です。ホテルには着きましたか?》
その1件のLINEは私の寂しい気持ちを吹き飛ばしてくれた。それは出張することを事前に伝えていた彼からのものだった。私は嬉しさのあまりすぐに返信した。
《着いたよ〜!私が居なくて寂しくない?》
本当に寂しいのは私なのに、強がってそんな内容を送った。その後、お互いに声を聞きたくなって通話をするまで時間はかからなかった。
テーマ「1件のLINE」
1件のライン
【またね】
夜中3時
太陽が昇るのはまだまだ先の時間で
そんなときに来た君からのラインは
ちょうど目覚めて煙草を咥えていた僕にとって理解ができるものではなかったんだ
すぐに打ち返したラインに君は目を通しただろうか
返す気力はきっととうになかったのだろうか
煙草の灰を落とし、眠りにつく
僕は日が刺す頃にはまた画面が光ると思っていたんだ
眩しい
スマホの画面には10時の表示
数件のラインと、何件かの通知
その中に君からのものはなくて
また煙草に火をつけた
君がこの世に見切りをつけたと知ったのは
陽が染まりだした頃だった
あ、LINEきてたんだった。たった1件なのにこれに反応したら抜け出せなくなっちゃうんだよね。僕は一瞬のつもりだけど時間はそうゆっくりと進まないんだね。1件のLINEから僕はきっと占領されていくんだ。
お題《1件のLINE》
神隠しの杜。
そこは夏の記憶の中、忘れじの森。
貴女を待っている。
夏の記憶で。――でもそこに《季節》はない。
初夏に舞い込んだのは、忘れたくても忘れられない言葉の森だった。
何かあった?
実は大事な人が事故にあったの。
誰にも知られないようにしていたのに優しさに甘えてしまう。
今日。実は大事な人が事故にあったんだ。帰り道の信号待ちの時車が突っ込んできたって…。
お願い死なないで助かって。。
それから1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、まだ目を覚ますことはない。あれから毎日毎日お見舞いしに行った。
毎日、日々の事を話した。
今日の天気の話、仕事の話、戻ってきて欲しいと願うその友人と家族の話。
1年後
仕事の帰り道1件のLINEが。目を覚ましたって!!早く来て!!
会いたかった!…長かった会いたかったよ戻ってきてくれてありがとう。ありがとう。きつく今までの分を込めて力いっぱいハグをした。
ただいま。会いたかった。
君からの1件のLINEにわくわくしながら内容を見た
「夏休み暇?暇なら宿題手伝って🙏誰も教えてくれる人がいなくて💦」
「大丈夫だよ~🙆他に誰が来るの?」
「あなただけだよ
じゃあ明日私の家に来てね😉」
「えっ?」
5年前に別れた彼女から連絡がきた。
別れてから一切連絡を取っていないのになぜ?
そう思いながら彼女とのLINEを開く。
「はっ?」
書き途中
「1件のLINE」
「LINE返しといたぞ」
「勝手になにしてくれてんのやめて。っていうか誰からのLINE?」
「知らね」
「おいこら」
私の弟、悪い奴ではないんだけど、めんどくさい。自由人の称号を欲しいがままにする彼について、自由すぎて扱いづらいと影で愚痴をこぼされたこともある。最近はかまちょのほうがしっくり来るんじゃないかと思い始めてきた。
そういえば、私のスマホの待ち受けも、話題に上ったLINEのアイコンも、私のものなのに写真は全部弟にされたんだよね。アイコンは特に、「紛らわしいからやめて」って共通の友人に言われたんだが、私に言われても困るんだよ。操作方法が全然わからないんだから。パスワードをかけろ? どうやって??
LINEを開いてみる。トークルーム一覧のトップにいたのは……誰だこれ?
「LINEって文字化けするの?」
「コピペとかすりゃ誰だって真似できるだろ」
コピペがなんなのかわからなかったが、不可能ではないらしい。文字化けしちゃった名前に、見覚えのないアイコン。誰だこの人。全然検討もつかない。
トーク画面を開いてみても、向こうから送られてきたメッセージまで文字化けされている始末だ。
なんだこれ? 気味が悪い。
相手の正体は心当たりがないけれど、思い当たる節はある。十中八九、怪奇現象って奴。私の体質的にありえる、というかよくあることなのだ。いままでは不気味なメールを送ってくるだけだったのに、とうとうLINEに順応したのか。要らない努力を積み重ねてきやがって。いままでのと同じ怪異かは知らんけど。
『ポマード』
弟が私の代わりに返したのは、たったそのひとこと。
口裂け女かよ。しかも、これ送ったの10分前じゃん。既読スルーされてるんだが、効いたってこと?
もういいや。新しいメッセージが着たら丸投げしよう。
そう思っていたのに、とうとうトーク画面が更新されることはなかった。
なんだよ、本当にポマード効いてんのかよ。
で、誰か、このトーク画面を消す方法知らない?
(いつもの3人シリーズ)
ライン
突然、話しかけてくるやつ。
電話よりまし。
返信は、待ってるとこない。
書く体力がなく、
気力もない
くだらないことに、時間を浪費する。
誤解を招く。
電話にしろ。
神のいたずらのような奇跡の絡まりは、
抱き寄せるとほどけるらしい。
「あ、LINE来た…」
ホーム画面を開くと、アプリの右上に『1』と書いてある赤い丸が表示されていた。
誰だろう。友達?片思いの相手?
そんな期待を寄せて、LINEを開く。
トークを見ると、確かに1件、メッセージが届いていた。
定期的に来る、公式アカウントの宣伝が。
お題 1件のLINE
「祭り会館のとこにいます」
格安SIMを使っているせいか、人混みではスマホが繋がりにくいことがある。
春の宵祭りに行ったときの混雑もすごかった。提灯の点る山車を一緒に見ていたはずの夫とはぐれたときにもLINEが繋がらず、何度目かの電話でようやく連絡が取れて合流した。
もしはぐれたのが子供だったら大変だな。夫もやはりスマホが全く繋がらなかったようだ。次回は落ち合う場所を決めておこうと二人して思った夜だった。
夫は祭り会館の前にいた。そのひと言のLINEを受信したのは帰りの電車の中。今更だねと笑った。夫が送信してから2時間経っていた。
#1件のLINE
『なんか食おう』一月ぶりのLINEには「HELP!」の叫び わかるよ、ナメんな
題-1件のLINE
一件のLINE
「みゆきはみゆきのままで生きてね。」
そう言って友達はガンでなくなっちゃったんだ、
ちゃんと私のままで生きてるよ。
一件のLINEの約束を守っていくよ
久しぶりに会う約束をするための
一件のLINE
出すのに
勇気が出ない
もっと、頻繁に、
連絡したいのに...
素直になりたいな。
風羅羽
「 1件のLINE 」
あなたに別れを告げてから6ヶ月経った
急にあなたからきた連絡
「 すきな人できた? 」
できるわけがない
わたしはあなたが本当にすきだった
あなたがひどいことをしていなければ
まだ続いていたかもしれないのに
忘れたくても忘れられない
記憶から消えてほしいのに消えてほしくない
もうあなたにはすきな人がいる
わたしじゃなくてもよかったんだね
優しい瞳
心地いい声
あったかい匂い
高い体温
優しく抱きしめてくれる腕
ちょっと癖っ毛な髪の毛
わたしより大きい手のひら
わたしじゃない人にも見せるの
わたしじゃない人ともその手を繋ぐの
ぜったい嫌いにならないって
永遠にすきだって言ってたのにね
こんなことばっかり考えてても無駄なのはわかってる
あくまで別れを告げたのはわたし
わたしがすきなあなたはもういないし
あなたがすきなわたしもいない
ばいばいしあわせになってね
1件のLINE
既読をつけるタイミング
返信するタイミング
グループLINEの退会タイミング
気持ちを悟られたくない
スマホをいつも手にしているように思われたくない
キャッチボールのような 置き配のような
距離感の悩ましいコンテンツ
私が気にするほど 人は気にしていない
だけど気にするんだなぁ と皆思ってるんだろうなぁ
1件のLINE
「多分一言ごめんねって言えば解決するんだろうね。面と向かって正直に一言言うの。でも実際目の前にすると怖い…。どうしてだろうね。せめて前見たいとは言わないけど普通に話せるといいな。この1件のLINEがあの人の心の氷を溶かすといいな。」