『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『こんなもんじゃないだろ』
いつしか、上から目線でかけられた言葉
あぁ、おれはこんなところで諦めるような男ではない
ぜったいに隣、いやお前を追い越して塗り替えてみせるよ
『高く高く』2023.10.15
高く高く
24時間では書き終わらないのだった。
アイデアを出して大まかな話の形が決まってでもオチがつかない、とかそのくらいで次のお題が来てそっちでも中途半端に何か思いついてこっちの方が書きやすいかもと目移りしてごちゃごちゃになってる間に次のお題次のお題と来てだんだん無理な気がして諦めてしまう。
お題の中から一つ選んで三日から一週間で一作書くくらいのペースに乗れると良いのかもしれない。
書き上げてアップしても一週間前のお題なんて誰も覚えてなくて突然どうした?って感じかまたは流行に乗り遅れたような間抜けな印象になるかもしれないけどだからといって誰かの迷惑になるわけでもないだろう。
もっと早く書ける形を思いつけばそれに越したことはないんだけど。
形にならなかった話の断片が空に浮かんでは消えていく。
高く、高く
もっと高く
こんなんじゃ届かない
もっと、もっと高く飛ばなきゃ
『高く高く』2023,10,15
ロックが好きな君がおすすめしてくれた曲
今日街で流れてきたよ
コアなファンなのに易しい曲を教えてくれてたんだね
君のペットの話
正直興味なかったけど君が楽しそうに話すから
1時間くらい話してたよね あれはなんだったんだろう
麻雀のルールも夜遊びも
もうしなくなったけど知識だけ残ってる
会えるよねって約束はいったいどこに行ったのかな
引越し祝いなんて
結果が見え見えな誘い文句だね
近くにいれば良かったって
そんなん風邪の時に言われても困るし
なるほどそういう手口だったのか
大人にしてくれてありがとね
でも別に君が身を呈して
教えてくれることなかったのに
#88 高く高く
「インフルエンザですねえ、ほら陽性が出てます。見えますか?」
気力と体力を振り絞って受診したクリニック。
少し前から子供がかかって看病していたし、覚えのある痛みに、「これはうつされたな」と思ったが。
どうもコロナ禍真っ最中のような、みなし陽性とはならないらしい。
検査結果待ちの中、時間を見計らって飲んできた熱冷ましも効果が薄れ、寒気と眠気でどうしようもなくなってきた頃、
医者から冒頭の結果を頂いた。
熱は、高く高く。
綱渡りする道化師を指しもっと高く高くと叫ぶ君かな
#tanka
高く高く、上を目指して登り続けた。
気付けば、誰も手が届かないような場所にいた。
誰も自分には敵わない。ここにいるのは自分だけ。
下は見えない。もう誰も見えない。
横を見ても誰の顔も合わせられない。気軽に声をかけてくれる人も。誰もいなくて。
たった一人。ここは、寂しい。
頂点へ辿り着いた代わりに、仲間を見失った。
『高く高く』
ウチの自治体のゴミ捨てルールで
飲料パックは頭をひろげて、洗って乾燥させて
胴体と底接合部をハサミで切って、まとめて結わいて
二週間に一回の資源ゴミの日に出すことになっている。
まあ、面倒くさい。
私はコーヒーに牛乳を大量投入したり
お酒もまあ嗜むしで、二週に一回だと
飲料パックが結構な数になる。
飲み終わった空パックの頭をひろげて、水で洗うまではやるのだが
その後の工程は
「ある程度パックが溜まったらやろう」という明確な意思の元
コンロの後ろの空きスペースへ横倒しで積まれてゆく。
乾燥時間とハサミの使用、加えて口のあるパックは
口部分を切り取らねばならないという手間を考えれば
致し方無きこと。
そしてあっという間にコンロ後ろに天井近くまで
高く高くそびえる飲料パックタワーが成長していくのだ。
倒壊の恐れを見極め、やむを得ずタワーを解体して
残りの切る工程をまとめてやる。
結構な数なのでハサミを持つ手が痛くなる。
資源ゴミの日までこれを繰り返し、最後にまとめるのだ。
明日は資源ゴミの日だな。はあ、面倒くさい。
高く高く…
価格。高騰。家計。
高ければ高いほど、苦しくなってくるのはどういう事なのか…
どうせ高くするのならば、税だけではなく
給料も高くしてくれよ。幸福度も高くしてくれよ。
ある遠い国では、日本のようになんでも揃っているわけではなく、年収も清潔度もそれほど高くはないけれど
国民の一人一人が皆「自分のことを好きだ」と。
みんな自分に自信を持っていて、そして今あるものだけでも「幸せ」だと。
裕福ではないからこそお金の価値に重きを置いておらず、「自分を愛してるからこそ、相手を愛することができるし、幸せにできるんだ」と彼らは言う。
これはきっと日本ではこうはならないだろう。
世間の目。周りからの評価。皆と同じような「普通」を目指し、自分が浮いたり枠から外れることを嫌う。
それでは幸福度も高くならないのも頷ける…。
せめて、自分だけでも普通の枠から飛び出して「好きな自分」であり続けよう。
#高く高く
高く高く飛んでいけ。
僕の腕が届かないところまで、飛んでいけ。
そうでもしなければきっと、僕は君を手放せないから。
お願い、僕から逃げて……。
(逃げないで、逃げて、逃げないで。)
本当は逃げないでほしいけど、僕は君の自由な姿に惹かれたから、僕なんかに捕まらないで。
高く高く (10.15)
たん、たん、たんっ
軽快な縄跳びのリズム。朝日がほの暗く冷たい庭をキラキラと差す。
298、299、300
汗を拭って玄関を開け放つと、汲んでおいた牛乳を一気飲み。それからマジックペンの筋でしましまになった柱に背をピッタリとつける。
———私より15㎝上くらい、が理想かな?
小学生の頃、その呪いの言葉を受けてかれこれ10年間このルーティーンを続けている。
骨に刺激を与えたら背が伸びるとか、牛乳を飲んだら伸びるとか。合ってるかなんて知らないけれど、信じるしか道はなくて。
「きたっ176.0!」
アイツは161.0㎝だから、間違いない。絶対。
掠め取った彼女の身体測定の紙を思い出して、ガッツポーズしながら跳ねる。あのあとめっちゃ怒られたけど。体重は見てないのにな。
高校生になってやっと彼女の背に並んで、最近ついに念願の上目遣いに射抜かれた。条件を満たした今日こそ、こ、っ告白する。
自分にそう言い聞かせてごくりと唾を飲む。
高く、高く。それだけを目指した10年間。
果たして彼は望みを果たせたのか。それはまた別のお話。
今日の2時雨がポツポツ降ったあと
綺麗な虹が高く高い青い空に写っていた
なんだろう。
この空、虹根元まで行きたいな
私はまた
虹の根元を探すように
人生を歩む。
◣高く高く◥
高く高く飛べるようになりたい
そう望んで見上げていた場所へ
この手が届くようになると
さらにもっと高い場所へと
手を伸ばしたくなる
いつかどこまでも高く
飛んで行けるようになったら
今度はきっとこの世界の広さを
確かめたくなるのだろう
【高く高く】
昔から高い場所は好きだった。
小さい頃から、煙とバカは高いところが好きと言われて、よくからかわれていた。
でもあんまり気にならなかった。
お前はバカがつくほど高いところが好きなんだと、認めてもらえた気がしたからだ。
実際気のせいなんだろうけど。
赤ん坊の頃、親にタカイタカイされた時、とても見晴らしが良かった。
非常に感激したことが原体験だろう。
それ以来、よく高いところに登り、その度に怒られていた。
大きくなってからは色んな高い場所へ行った。
高いビル、高い山なら全部行ったと思う。
景色もよくかなり満足した。
高い地位にもなってみた。
思ってみたのと違ったが、まあまあ面白かった。
一番良かったのは、飛行機からの景色である。
金さえあれば、結構手軽に高い場所を体験できる。
機内もそれなりに快適なのも評価点である。
でも地球にはもっと高い場所があることを俺は知っている。
今そこを目指して訓練している。
非常に狭き門だが、諦める選択肢はない。
その場所とは宇宙ステーション。
地球で最も高い場所。
写真では見たことあるが、実際見るのとはまた違う感動がある。
そこまで行けば、また違うものが見えるだろう。
もしかしたらもっと高い場所が見つかるかもしれない。
高く高く、より高く、これからも高みを求め続ける
空を飛ぶ事に
こんなにも
焦がれるのは
遥か昔
背に翼を持ち
この大空を悠々と
自由に飛んでいた
そんな
埋もれた記憶のせいなのか
肉体という
重い波動の塊を纏い
しかし
それ無くしては
人ではいられず
今はこの星で
この地で
この足で
ただ
進む
ただ
生きる
いつかまた
高く高く舞い上がり
自由に
飛び回れる日まで
あの広い空に帰る
いつかの
約束の日まで
「高く高く」
**************
|👁 👁)ジー
この絵文字
なんという
「鋭い眼差し」
だろう・・・
【高く高く】
最近才能について考えることが増えた。
あの人はこの才能があるからとか
私はこの才能がないからとか。
考えながらも才能がないなりに頑張っているはず。
先輩に追いつけるように
先輩として引っ張っていけるように。
でも逆に引っ張ってもらってる気がする。
ならもっと努力しなきゃいけないはずなのに…
できないからへらへら笑ってやり過ごしてる。
まぁ、才能ってそういうものなんだけどさ。
"あの人の才能があれば…"なんて普通だ
その人だって自分が才能があるかなんて知らない
たぶんね。
大事なのは自分が持ってるものでどれだけいけるか
足りないものを持ってるもので補う
持ってないならそれくらいしかできないだろう。
でも自分が持ってるものは分からない
分からないから他人が羨ましくてたまらない。
こんな独り言も誰も聞くはずないし。
親に言われたんだ
「姉ちゃんは人を見る目が優れてるね
弟くんの好きな物とかよく知ってるし―――」って
もしそれが才能ならば、
私は先輩や後輩をみて、悪い所やいい所をみて
アドバイスをすればいいのか?
自分は諦めて他人を育てればいいのか?
他人の技術を目で見て盗めるほど
私の人を見る目は優れていないから。
ならどうすればいい?
―――――――――――高みへ行く切符
兄は昔から怖いもの知らずで、飛行訓練になると父の静止も聞かず、あっという間に高く舞い上がって見えなくなった。私は万が一途中でバランスを失ったらと思うと怖くて、地上に置いてけぼりを食らっていた。父がついていても屋根から本の数メートルばかり飛び上がったところまでしかいけず、
「そんなに低いと逆に何かにぶつかって危ない」とよく言われた。
そんな折り、どうして兄はあんなにやすやすと飛べるのかと、一度父に尋ねたことがある。
「お前はどう思う?」
「……自分の技術に自信があるから?」
「確かに、それもあるだろうな。だが恐らく最たる理由は……」父はかがんで声を落とし、近くで訓練の様子を眺めていた母に聞こえないよう耳打ちした。「あれは母親似で好奇心の塊だから、知らない景色を見に行くのが楽しいんだろう。空を見れば高くまで飛ばずにはいられないのさ」
父は悪戯っぽく笑った。
「お前は父に似たな。慎重なのはよいことだ。だが、怖いからと試してもみないのは、勿体ないぞ」
そう言った父の背中は大きく、当時の私には、父が空の全てを知り尽くしているかのようにさえ見えていた。自由に飛べるようになった今でも、憧れは色褪せないままだ。
#高く高く
♯高く高く
橘 月子
秋になると空がグンと高くなる。
夏が低いわけではないだろう。
見上げる気持ちの差なのだろうか。
気持ち良いなぁ、と思いながら見上げる空。
なんでいつまでも暑いのさ、と恨めしげに睨む空。
ごめんね。
空が悪いわけではないのは知ってるよ。
何が悪いのか?
悪くない。なにも誰も悪くない。
気持ち良い気候が嬉しいのだからそれだけに感謝しよう。
・高く高く
♪どんどん伸びて 天まで届け♪
その合図で、「たかいたかい」をされる。先生に抱えられると、輪になった友達の顔がよく見えた。大人になったら、どんな景色が見えるんだろうって、わくわくした。
あの頃、誕生日が楽しみでしかたなかった。
誕生日だけは、自分を中心に世界が回っている気がしていた。
バカみたい、と吐き捨てながら、大きく伸びをする。23歳の誕生日の朝は、笑えるほどいつも通りだ。
大学に行って、午後からバイトに行って、くたくたになって眠る。
洗面所の鏡には、朝っぱらから疲れた顔をした私がいた。
「いってきまあす」
誰もいない部屋にそう言い残して、私はボロアパートを後にする。
「あ、おはようございます。LINEプロフィール見ましたよ。誕生日おめでとうございます」
振り返ると、見上げるほど背の高い、細身の男性がいた。同じ学部の同級生で、隣人。
ありがとうございます、と答えながら思う。
本当に天まで伸びたようなこの人には、どんな景色が見えるんだろうか、と。
高く高く
⚠二次創作要素が入っています。⚠
⚠苦手な方は飛ばしてください。⚠
月が丸く輝く夜
美しい黒猫に誘われた夜
あの日から数ヶ月と
経とうとしていた。
「主様、身体が冷えてしまいます。
そろそろ屋敷の中にお戻りになられては?」
振り返るとそこには
黒と白の燕尾服を着た男
もとい、ベリアン・クライアンが
心配そうな瞳で
こちらを伺っていた。
「……そうだね、そろそろ戻ろうかな」
立ち上がろうとすると
突然木の上から
「えぇ〜!?もう帰っちゃうんですかぁ~…?」
「この声は、ラムリくん?」
ベリアンが木の上を見上げながら
驚いた声を出す。
紫色の癖っ毛を風に揺らしながら
木の上からこちらを見下ろしている男
もといラムリ・ベネットは
ギザギザの歯を見せながら
「だってだって、今日はと~っても月が綺麗に見えるんですよ!もう帰っちゃうなんてもったいないですよ〜!」
「ですがラムリくん、このまま外に居たら
風邪をひいてしまいますよ。」
ベリアンがそう言うと
ラムリはハッとした顔で
「そ、そうだった!主様、風邪ひいちゃう!
主様、寒いよね、気づかなくってごめんなさい!」
バッと木から飛び降りたかと思うと
ぎゅうっと抱き締められてしまった
「ラ、ラムリ?大丈夫だから、離して……
ちょっと、恥ずかしい…かも」
そう言うと勢いよく離れて
「ごごご、ごめんなさい!!僕、つい焦っちゃって…!」
顔を赤くして慌てだすラムリを見て
相変わらず感情豊かな人だなぁと思い
つい笑ってしまう。
「ふふ、ラムリくんは相変わらずですね。
確かに、今日は空気が澄んでいて
星も月も綺麗に見えますね。」
ベリアンにそう言われ
顔を上げてみると
木々の隙間から溢れんばかりの光が
射し込んでいた
澄み切った空に浮かぶ月を見て
思わず手を伸ばしてしまった
「主様?どうかされました?」
ベリアンの声にハッとする
美しい月は今にも零れ落ちそうで
もしかしたら、この手に
落ちてきてくれるかもしれないと
そう思った。
「ううん、なんでもないよ。
そろそろ帰ろう。ベリアン、ラムリ」
そう言うと二人は
わかりましたと言い
ベリアンは自分の少し前を
ラムリは自分の少し後ろを
歩き始める。
自分達の真上には
今にも零れ落ちそうな
月が在る。
それでも
月は高く高く
誰にも届かない空に
星と身を寄せ合って
浮かんでいる。