『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
未だに残る君とのトーク
勝手に私の心に入ってきたのに
最後は愛してごめんねだなんて
なんて身勝手なの
お題「開けないLINE」
通知
多分あの人
律儀に帰るコール
でも今
返事は出来ない
この人が
隣にいるから
私は外の部活だ。
私の好きな人の部活は明日はあるだろうか。
私の好きな人は野球部で、私は陸上部。
気になる。
頑張ってその人のLINEを開いて、
『明日野球部って部活あるの?』
と送った。
早く返事が来ないかな。
そしたら画面に私の好きな人の名前が表示されLINEを開く前に見えてしまったのだ。
──『明日はないんだよねー』
ああ、彼のLINEがウソだったらいいのに。
いつまで経っても彼からきたLINEに既読がつけられなかった。
✓開けないLINE✓
2023/09/01
中一のとき、彼の姿を見た瞬間息を呑んだ。
1年間、一生懸命恋をした。
──3月には終わった恋だけど。
私は中一に入学してからまずは『何部に入ろうかな』とずっと考えていた。
自分の中で候補はあった。吹奏楽部、バレー部、そして陸上部だ。
吹奏楽部は小学校の頃もしていたから。バレー部はお兄ちゃんがやっていたから。陸上部はただ単に走りが速くなりたかったからだ。
そんなことを考えていると、
「おはようー!野々花(ののか)!」
と朝から元気な声が聞こえてきた。
「おはよう、咲彩(さあや)」
彼女は私の一番の友達だ。彼女も私と一緒で元吹奏楽部で小4のときに仲よくなった。
「で、何考え事してたの?」
「ん?はい?」
「だって、ずっと黒板のほうぼんやり見てたから考え事してたんでしょ?」
「うーん、まあね」
「部活何入ろうかなーとか?」
なんで私の心の中を読めるんだ?怪訝な顔をしている私に咲彩は噴き出した。
「まぁ、時間はまだあるんだし、その間に決めとけばいいじゃん!ね?」
「そうだね」
そうは言ったもののそのことが頭からいっとき離れなかった。
昼休み、隣のクラスの心桜(こころ)が私の名前を呼んだ。彼女も元吹奏楽部だ。
「ねえ、今日の放課後陸上部の体験に行かない?」
「え、今日?」
「うん。ねぇお願い!」
「今日は暇だしいいよー」
「やったぁ!じゃあ、帰りの会終わったらそっこう野々花のクラスに迎えに行くからね!」
「はーい」
「じゃあまた放課後!」
放課後、約束通り心桜と陸上部の体験に行った。
とても緊張した。楽しそうに部活をする先輩たちを見て作り笑顔とかじゃないよね?と思いたくもないことを一瞬思った。
3年生は女子ふたりしかいないみたいだ。長距離のキャプテンは美華(みか)先輩、短距離のキャプテンは心晴(こはる)先輩。今日だけで覚えた。
心晴先輩と他の2年生の人たちはは私と心桜に丁寧にミニハーの基礎の動きを教えてくれた。
それが終わったあとはハードル走というのをやるらしい。顧問の先生が来て、
「長距離の人たちも短距離と一緒のメニューやれよー」と指示を出していた。
長距離の人って何人くらいいるんだろう。私は短距離のほうが得意だから長距離には絶対にいかない。
──その瞬間ドクンと心臓が飛び跳ねたような気がした。
ほっそりとした身体。子どもっぽい顔。風になびいてる髪。全てが『綺麗だな』と思った。
え、待て。これは…一目惚れ?ま、まさか。いや、でもそう…なのかもしれない。
数日後、私は陸上部に入部した。陸上部の先輩たちは優しく接してくれた。
それからもずーっと彼のことが頭から離れなかった。
彼の名前は楓我(ふうが)という名前らしい。1個上なので“楓我先輩”と呼んでいる。
本人の前では名前は呼んだことないけど、心の中では何度も楓我先輩と呼んでいる。
私は速攻、咲彩に楓我先輩のことを話した。
「えー!同じ部活に気になる人かー!青春すぎだよ、野々花!」
「シッ!咲彩、マジで声がでかいからやめて!このこと咲彩しか知らないんだから」
「ごめんてー、でも親友の気になる人の話になったら黙ってはいられないよ!!」
「もう、この話終わり!次理科だから行くぞー」
「はぁい」
納得いかないとでも言いたそうだった。
理科室に向かう途中、楓我先輩の姿を見つけた。咲彩に言うと、
「え、どれ?」
「ほら、あれあれ」
「だから、どこ……え、あの人!?」
「……う、ん」
「めーっちゃモデルみたいじゃん!」
「え、やっぱりそう思う?」
「思う思う!野々花、見る目あるね」
「そんなことないし」
照れ隠しのために返した言葉が素っ気なくなってしまったが咲彩はそんなことなんとも思ってなさそうだったので安心した。
数年前、姉にLINEをやるよう滔々と勧められた。
世間一般がやってることはやるべきと言ってくれてるらしい。
友達なんてものが出来ちゃったりしたら、私もやるんだろうか。
とりあえず面倒くさいので断った。
「そういうの、やっとかないと後々困るよ」
姉よ、すまない。今まさにそれだ。
長文のLINEだった。
最初だけ
ちょっと見えたけど
今の
職場の
現状が
細かく
書かれてる
はず。
休職してる
わたしに
気遣って
送ってくれてる
って分かってる。
でも
きっと
読んだらまた
感情のジェットコースターが起きる
って分かってるから。
今はまだ
無理。
#開けないLINE
LINEはあまり使わない
開く時は家族とのやり取りがある時と
LINEGIFT使う時だけ
ただのつぶやきやないかい
「こんにちは〜......ありゃ誰もいないか」
”Anonymous logout”
「誰か生きてる〜?......_______」
”Anonymous logout”
/
\
/
\
/
\
ひとりになった。
あの時と同じ、
青い風が吹くと勘違いしていたあの時と。
一緒だと思っていた、けれど違った。
この、忘れ去られたLINEと一緒だった。
君の見せている一面は僕だけに見せているの?
それとも、皆に売ってる面なの?
私だけにみせているなら
信じられるからさ!!
最後に見たのはいつだったか...
ずっと保存状態で胸にしまったまま...
あなたが亡くなる数日前
苦しくて痛い思いを私に送ってくれて
でも私からの返信を見る体力も無くて
そのまま逝ってしまいましたね。
あなたの最後の想いは開いても涙でみれません。
このまま保存しておいてもいいかなぁ
ねえ、ちゃんと見てるの?既読スルーどころか、既読もついてないよ!私のことどう思ってるの?好きだって言ってたのは嘘だったの?ちょっと、なんでもいいからLINEしなさいよ!アンタが遅いから、家まできたのに誰もいないし!仕方ないからよじ登って二回にあがってきたからね。窓の鍵開いてたから、家の中入ってるから。全く不用心でしょうがないわね!早くLINE返信するか、早く帰ってきて。待ってるから。
開けないんじゃない開ける必要がないから開けないんだ。これ以上は聞かないでくれ
半年前に別れた元カレからのLINE。別れてから、話したこともなかった。
私は、そのLINEを開くことができなかった。
知っている。
本当は全部。
貴方の「大好き」も「愛してる」も
全部偽りだということを。
最近、彼はスマホを常に持ち歩いていた。
察した。
LINEだ。女だ。
パスワードは知ってる。
開けばいいのに…見て確かめたらいいのに…。
開きたくない。見たくない。
彼との関係を終わらせたくない。
浮気する最低な彼だけど、
私を愛していた時期はあったと思うから。
ー開けないLINEー
好きな人とのLINE。
あえて既読をつけないように名前だけを見つめてる。
早く見たい早く見たい早く見たい早く見たい早く見たい早く見たい!!
でも…既読早すぎたらキモがられるかも…。
開けない、開けない……
#開けないLINE
LINEが開けないスマホを手に入れた。他のアプリは難なくすべて開けるのに、どうしてもLINEだけが開けないらしい。
そんなものをどうやって手に入れたのか?
貴女なら開けると思うから、と持ち主の家族から手渡されたんだよ。なにより貴女に持っていてほしい、ってね。
あの時はすごく感激して、「私が絶対に開いてみせる!」って意気込んでた。開けない原因もわかっていたし、どうにかできると信じていた。
……うん、最初はそう思ってた。
なのに! なんで! 開かないっ!
昔に本人から教わったパスワードを何通りも試してるけど、どれも反応ないんですけど。そろそろ極太な私の心も折れそうだよパトラ◯シュ。
それに、履歴全部消しといて~、なんて言ってた癖にメモのひとつも残さないなんて……ほんと信じらんない。それが頼んだ側の対応か?
あーもうっ、ほんと嫌んなっちゃう!
匙のようにスマホをベッドに放り投げ、次いで自身もベッドに飛び込むと、スプリングが音を立てながら私を支えた。
スマホは手を伸ばせば届く距離にあったので、もう一度、今度はまた違うパスワードを打ち込んでみる。
『1020』
すると『パスワードが違います。三時間後にやり直してください』という注意の文字が踊り出た。
うーん、これも駄目なのか。
あれも違う、それも違う、これも違う、って。もう覚えてる分は全部試したのにどれも引っ掛からないとは。
ゔ~、本当、あの子ってば……。
「なんでこんな面倒事を残して逝っちゃうかなあ」
これじゃあ、いつまで経っても顔向けできない侭じゃんか。
▶開けないLINE #3
早く、早く返さなきゃ
そう思えば思うほど重くなってしまう腕は不思議で
ねぇ、何日たったと思う?
あなたを待って待って待ち続けて
やっときた白の一週間
返したいのに 返したかったのに
ロック画面にでた言葉にもう息をするのも忘れそう
あぁ、なんで遠回りをしちゃうかな
怒りたいのに怒れない
行き場を失った怒りの色は闇になげても汚いまま
大好きだったのに
#開けないLINE
話したいことがあるんです
新着のLINEに息を呑む
彼との最近のやりとりを思い返す
前に会ったのは2、3週間前
開かずとも感じる
悪い話、だな
手が震える
動悸がする
今すぐ開こうか、もう少し気持ちが落ち着いてからにしようか
仕事終わりの駐輪場に立ち尽くす
居合わせた同僚の話しかけにもうわの空
通知の文字を何度も読み返す
やたらと話しかけんな
今お前より大事な連絡がきてんだよ
うわの空の私に話しかける同僚をたしなめる先輩の声
ハッと顔を上げる
あ、すみません
そんな、…大事な連絡とかじゃないですよ
先輩への言葉なのか
自分に言い聞かせる言葉なのか
笑顔を作ってみたが酷い顔をしてたかもしれない
スマホをかばんにしまい、自転車に鍵をさす
お先に失礼します
話し込む二人に頭を下げて、駐輪場を後にする
自転車をひたすら漕ぐ
スピードを上げても振り切れない悪い予感
開くまで終わらない澱んだ気持ち
覚悟を決めろ
ペダルを強く踏みしめる
終わりたくない
夕焼けが涙で滲む
振り切れ
元の私に戻るだけ
家の近くの信号につかまった
息を切らしながら見つめる赤
信号から視線を外すと、空がすっかり暗いことに気がついた
ふっと強張りがとける
…どう足掻いても避けては通れんよな
大きくため息をつく
家に着いたら、洗濯物を回しながら通知を開こう
何気ない日常にこの終わりを混ぜ込もう
そうすれば、きっと平淡と受け入れられる
ぼんやり考えてると信号が青に変わった
数十分前より少しだけ、前向きにペダルを踏みしめた
「死にたい」
君からそうLINEの通知が来た
驚いてしまった、
あの君がそんな事言うなんて
どうかしちゃったんじゃないかって
君は、
皆から好かれているし、容姿も凄く綺麗だし、なんでもできる。。。
君は憧れの人だ。
そんな君が、「死にたい」というなんて予想もしなかった。
でも、LINEは既読をつけたくなかった
憧れが憧れじゃなくなってしまいそうだから、
そのまま今日はLINEを開かず眠った、
朝、学校に行くと、
みんな悲しそうにしていた
どうしたの?と声をかけたら
「あの子、自殺しちゃったんだって」
って言った。
一気に血の気が引いた。
昨日、君のLINEを開けば君は自殺せずにすんだのかな、
君のLINEを開いたら、
もう一件メッセージがあった
「誰のせいでもないから、」
って、
その瞬間、体が硬直してスマホを落としてしまった
その後は一日中、ほとんど何も考えらなかった
これでまた輝きを失った
「消えた輝き」
【開けないLINE】
別れたい。
メッセージで彼にそう伝えた。私はそれを送信したあとすぐにLINEを閉じた。
ピロンッ
[一件のメッセージ]
私はそれが誰からのメッセージかすぐに分かった。けれど、メッセージを見たくない。そんな私とは裏腹に早くメッセージをみろと言いたげに
ピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッピロンッ
とたて続けに鳴る通知音。私はその音が鳴るたび、体が震える。あぁ、またか。また別れられないのか。
もう何度、彼に別れて欲しいと願いを乞うたか。だけど、その願いを受け入れてくれることはなかった。それはきっと、これからも。その事実に絶望する。
アザだらけのからだをまるめ、すすり泣く私の泣き声と鳴り止まない通知音が真っ暗な部屋に、いつまでも響き渡っている。
ぼやけながらの景色が反射する
よく掃除された、わたしの廊下
気づくと綺麗にしたくなる
わたしの中の
だいすきなわたし
ねぇ、
お部屋は綺麗なほうがいいよ
それなのに
それをいいねと
褒められたことは一度もない
素敵だねって
だれか褒めてくれてもいいのに
体に力が入らないから横になる
考えごとをすると悲しくなるから
目を閉じる
胸がざわめくから
なにも考えないようにする
わたしにはなにもないのに
なにもかもが苦しい