『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「明日時間ある?」
1週間前に君から送られてきたLINE。
もちろんこのメッセージは無効になってしまった。
時間があると言えば、君は会って話がしたいと言うんだろう?
そんなの、ずるいじゃないか。
こっちの気も知らないで。
許してくれなくていいよ、無視してごめんね。
※BL
※編集中※
【UNDER_TAKER 小噺】
バラ園を抜けてしばらく経ったが、まだ香りがしているような気がする。
開花もしていない蕾だったのに。
薄い陽光が照らす中、青々とした芝生を踏み進めて歩く。
まだ植えられたばかりのそれにはもうヘたりが見え始めており、それほどこの芝生が踏まれたという事を表していた。
そのへたりこそ、生者の歩いた跡であり。
そして死者への思いの証であった。
並ぶ碑の間を進む足はさくさくと音を立てる。
この村は10年前に盗賊団の襲撃に遭い、村人たちは住むところを余儀なく追われた。
その盗賊団も程なくして去ったが、その頃の村人たちにはもう別の生活があった。
何より、あの惨劇の
─────しかし1年前に「界戦」が終結し、制度の立て直しが始まって治安復興が進み出した。
そして8ヶ月前、先代村長の孫息子が新村長となり、ついにこの村は再起を遂げた。
そんな村の小さいながらも活気のある中心地を抜け、名産であるバラ園を抜けたその先。
俺は今、恋人の墓参りに来ている。
墓地の端っこの、更に端っこの方。並ぶ中でもひときわ小さな墓石の前で止まった俺は、目線を合わせるように屈み、それをそっと撫でる。
まだ誰も掃除をしていないだろうに綺麗なままなのが、どうしようもなく悔しくて寂しかった。
「お前は、ここに帰ってくることを何年待ち望んでいたんだろうな……」
どうしようも無かったよ、大丈夫だよなんてこいつは言うんだろうが。
俺は気付いてしまったんだ。
よりにもよって、こいつの置き土産のせいで。
ぱしゃんっ、と持ってきたバケツの水を墓石に被せる。
「本ッ当に、いつも詰めが甘ぇんだよお前は」
そう言いながら、墓石全体を丁寧に拭きあげていく。
「帰れる可能性なんて無いようなもんだったくせに」
刻まれた文字の溝、それを囲う線の溝、隅々まで布巾で拭いていく。
「どうせ俺を連れて行きたいからとかそんな魂胆だったんだろ?」
丁寧に、丁寧に拭きあげていく。
「だから、」
「あんな簡単におっ死んじまって」
ガン、ばしゃりと音が弾けた。
見やると。
どうやら掃除に夢中になるばかりで、足元が疎かになっていたみたいだ。
直そうと下を向いた時、ぽつりと芝生に水滴が乗っかる。
空は相変わらず快晴とは言えないような、薄ぼんやりとした陽光を放っているままなのに。
しかしそれに向けた背は、じりじりと焼かれるように痛い。痛い。どうしようもなく痛い!
気付かないふりをしていたかったのに。
炎に焼かれた時よりも耐え難いその痛みは、背中から心臓へ、心臓から喉元へ、喉元から腹へ、指先、頭の先まで焼き付いていく。
その痛みは紛れもなくバラの香りを放っていた。
「……生きるって、痛ェな……」
崩れ落ちるようにその場に座り込んでしまった俺は、
薄ぼんやりとした陽から落ちる、薄ぼんやりとした影。そこにとめどなく落ちていく水滴。
それを止める術なんて、わかる訳もない。
「お前さあ、いつもつけてるこれなんの匂いなんだよ?」
「ん?香水だよ?」
「お前が付けてるとこ毎日見てるわバカタレ。そうじゃなくて、なんの匂いの香水かって話だわ」
数年前、まだテイカーが壊滅するなんて考えもしなかった頃。あいつが生きていた頃。
いつものように出撃前の準備をしていた
怒られるのが、怖い。
私の方が悪かったけど、あの子に嫌われたら、
生きてけないよ。
開けないLINEからは、絶えない通知。
その音に飲み込まれてしまいそう。
これは、罪滅ぼしだ。
*開けないLINE*
なに言ってるのか自分でもちんぷんかんぷんです。
ブブッ
マナーモードに設定していたスマホが、存在を主張するかのように立て続けに振動した。
うるさい
早朝にスタ連してくる友達のLINEのトーク画面。
起きたら負けだ。ましてや、既読をつけようものならば、きっと調子に乗ったアイツは明日もスタ連してくるだろう。
スマホの電源を切って、布団に潜り、再び睡魔に身を委ねた。
ーーこうして私はいつも遅刻スレスレになる。
「開けないLINE」
どうしたものか。
開くか、開かないか。
今すぐにでも開いて返事をした方がいいのは分かっている。しかし、驚く程に返したくない。
しかも、「一生のお願いなんだけど」から始まっている文章だ。
開いていいことなんてある訳ない。
でも返さないとそれはそれで良くない……
私は数分画面を見つめて一つの案を思いついた。
長押ししてトーク画面を見よう!
と、意を決して液晶をタップした。が。
勢いで既読をつけてしまった。
……なんて返そう。
#開けないLINE
5時間とちょっとかけて
やっと触れた、恋の言の葉を乗せた紙飛行機
さあ、どうしよう
もう勇気の欠片は使い果たした
開けないLINE
開けないLINE
仕事が終わり、スマホを見ると、LINEの通知が来ていた…貴女の名前で…ほんの数日前なら、慌てて開いていたはずなのに…一昨日の夕方、偶然見かけた貴女は、一人では無くて、見知らぬ男性と歩いていた…声を掛けるのを躊躇い、ゆっくりその場を離れた…いくつも通知が届いているのに、どうしても開けない…
開けないLINE。
『♪』
聞き慣れた通知音。
スマートフォンを手に取ると、
ロック画面に表示されるきみの名前。
なぜだろう、胸がざわつく。
「別れたい」
トーク一覧の1番上にある、
その、たった4文字を見ただけで
全身から血の気が引くような、
心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥る。
嫌だ、別れたくない。
なぜ?何がいけなかった?
どうすれば考え直してもらえるのか。
この前の喧嘩がダメ押しだったのか。
様々な言葉が頭の中に溢れてくる。
落ち着け、落ち着くんだ。
ちょっと一服して気を取り直そう……
開けてしまったら「別れたい」の答えを出さないといけない気がして。
いまはまだ開けない、
開けられない、きみからのLINE。
たった
ひと言..ふた言
なのに
飾らない言葉で
伝えてくれた
あなたに
どれだけ
支えられたんだろう
優しいあなたに
言葉と言葉は
もう...二度と
現世では
繋がらなくても
心の文字は
消えないまま
心と心は
未来のあなたと
繋がってるから
優しいあなたと...
『開けないLINE』
告白をした。
隣に住んでる幼馴染に。
本当は伝えるつもりなんて無かった。
墓場まで持っていこうと思ってた。
あいつは僕と違って、将来が明るい人間だ。
勉強もスポーツもできて、社交性だってあるし、整った顔だし、優しいし、スタイルもいい。
素敵な恋人と出会って、結婚して、幸せな家庭を築くんだと。
僕はただずっと友人でいようと思ったのに。
「夏休みはデートあるから、あんまり遊べないかもな。」
ちゃんと聞こえてた、分かってた。
今も恋人がいることも知ってる。
じゃあしょうがないね。って言葉が頭にちゃんとあったのに、
口から出てきたのは、
「僕、優が好きだよ。」
という全く想定外の言葉だった。
理解した頃には自分の部屋に戻っていて、エアコンのついていない部屋でだらだらと汗をかきながら、ぐるぐると部屋を歩き回った。
スマホの通知音が鳴る。
1度だけ鳴るその音は巡る思考を止めるには十分だった。
[新着メッセージがあります]
こんなの開けるわけがない。
----------------
登場する名前は架空のものです。
かたんかたんと揺れる電車の中、ひっきりなしに鳴るスマホ。
わかってる、100パー君からのメッセージだ。
約束の時間になっても来ないから心配しているのか、それとも怒っているのか。
怒ってるんだろなあ、と君とお揃いのカバーの着いたスマホのボタンを撫でた。
……見る勇気がない。
あと、二駅で待ち合わせの場所に着く。
今日に限ってノロノロと動く電車に、ヤキモキしながら手摺りに持たれて、窓の外を走る電線を眺めた。
テーマ「開けないLINE」
Episode.14 開けないLINE
ごめんね、疲れてるのに押し付けてごめんね
もう言わないから安心して欲しい
いつも気遣ってくれてるのに僕は何も出来なくてほんとに惨めで悔しい、ごめんなさい
君は迷惑じゃないって言ってくれてるし、癒される嬉しいとも言ってくれるけど、きっと優しいからだよね
今まで受け止めてれてありがとう
いつもみたいに毎日褒めることは出来なくなるし、もしかしたら悲しいって思ってくれてるかもしれない
でもごめんね、休憩するね
またね、ありがとう
これが、僕の好きな人が最期に送ってきたLINE。
1度しか、目を通せなかった。
逃げた。
開けないLINE
もう、この世にはいない誰か‥
友人だつたり、身内だったり。
彼らからのLINEは、もう開くことは無い。
メッセージは決して届かないから。
アイコンだけが、わたしに向かった微笑んでる。
開けないLINE、届くことのないLINE。
開けたら忘れちゃう気がして
一生開けないLINE
開けないLINE
ん〜昔のおぷちゃ…まだ入ってるけど見れないなぁ。
なりきりしてたもんなぁ。
ちゃんと厨二病だったよなぁ。
あー見れない見れない。
開けないLINE
彼と別れてから毎日LINEが1つ送られてくる。
1つだけならまだいいかと思ったのに、ずっと待っても諦めずに送ってくるものだから、見たくなかったけどLINEを開いた。
ーやっぱり、開けるんじゃなかった。
あなたへの想いが、まだこんなに残っていて、あなたのメッセージを見るたびに胸が苦しくなるんだもの。
今夜は少しお疲れなんです
気付いてないフリをします
もう寝ちゃったりしますよ
けして嫌いなわけじゃなく
何の情報も入れたくないの
そんな時はありませんか?
明日には必ず返信をします
たぶん睡眠で回復するはず
とりあえず8時間眠りたい
カビゴンのお腹で眠りたい
ではみなさまも良き夢を♡
『開けないLINE』
嫌われたかもしれない。
なにがあなたをイライラさせたかわからないけど
わからない自分に落ち込む。
あなたからのLINE
別れの言葉が書いてあったらと
ネガティブなことばかりが頭に浮かんできて、
開けない。
頭が痛い。喉が痛い。体が熱い。
風邪なんて、絶対ひいてないからさ。
喉が渇き、岩のような水を飲んだ。
でも、やっぱり。
【開けないLINE】#34
少し前から、君の気持ちが僕に向いていないことは感じていた
既読になって、ずいぶんたってから来る返信は、どこか素っ気なくて
ここしばらく会っていない君から、夜明け前に来たLINE
とても気になるけれど、なんだか怖くて開けないんだ