『開けないLINE』
告白をした。
隣に住んでる幼馴染に。
本当は伝えるつもりなんて無かった。
墓場まで持っていこうと思ってた。
あいつは僕と違って、将来が明るい人間だ。
勉強もスポーツもできて、社交性だってあるし、整った顔だし、優しいし、スタイルもいい。
素敵な恋人と出会って、結婚して、幸せな家庭を築くんだと。
僕はただずっと友人でいようと思ったのに。
「夏休みはデートあるから、あんまり遊べないかもな。」
ちゃんと聞こえてた、分かってた。
今も恋人がいることも知ってる。
じゃあしょうがないね。って言葉が頭にちゃんとあったのに、
口から出てきたのは、
「僕、優が好きだよ。」
という全く想定外の言葉だった。
理解した頃には自分の部屋に戻っていて、エアコンのついていない部屋でだらだらと汗をかきながら、ぐるぐると部屋を歩き回った。
スマホの通知音が鳴る。
1度だけ鳴るその音は巡る思考を止めるには十分だった。
[新着メッセージがあります]
こんなの開けるわけがない。
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登場する名前は架空のものです。
9/1/2023, 1:40:32 PM