『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
連日の日本勢メダル獲得が喜ばしい一方で、悔しさの涙を見ると心を揺さぶられる。この一瞬とも言える闘いのために、どれだけの時間、どれだけの努力をしてきたのだろう。これで終わってしまったのだと思うと、こちらまで泣きそうになる。
アテネ五輪のテーマソングだったあの曲が頭の中に流れる。間奏部分で聴こえる鐘の音。そうだ。これは間奏、一区切り。選手達の競技や人生はこれからも続いていくんだ。
これまで闘い抜いた選手をたたえ、心の中で栄光の鐘を鳴らしたいと思う。
祇園精舎の鐘の声…。
私から数えて六代前の当主は、平家物語を好んで読んでいらしたと、
ひいおじいさまが教えてくれた。
私も中学生の時、習ったので少しだけ覚えている。
諸行無常、か。
私の家は、元華族で富裕層。
決して高いとは言えない家格だが、家筋は良く、権威が在る。
代々皇家とは主従関係であり、天皇に仕える家の中では最も古い。
正直、私には荷が重すぎるし、身の丈に合っていない。
しかし、私は独りでは無いことを知っている。
私には、当主補佐に副当主も居る。
先代も、先々代も、四代前まで生きている。
『荷が重ければ、皆で背負えば良い。』
ひいおじいさまが、私に教えてくれた。
私が当主を継いだ日、
鐘の音が鳴り響く最中、
微笑みながら、そう仰せになった。
だから、私は思い出す。
鐘の音が聞こえると、
平家物語の冒頭と、ひいおじいさまの言葉を思い出す。
その度に唱え、自分に言い聞かせる。
そうすると、不思議と気持ちが軽くなった。
《鐘の音》
鐘の音響く欧州の朝霧、ひき続きてもれ聞こゆるは、パイプオルガンのプレリュードと聖歌隊のハーモニー
… … …
このアプリ使いはじめて一番最初のお題がこれだったっけ。
お題が一周して丸一年たちました。
もっと読みたいと応援してくださった皆さま、ありがとうございますm(_ _)m
そして、これからもよろしくお願いします。
PS. 翌日の原爆の日に合わせるためにこのお題《鐘の音》を8月5日の夜に表示しているのでしょうか……もしそうならば、この平和のためのささやかな意思表示に敬意を表します。
遠く、重く耳に残る音。
生き物、眠りし暗闇に。
人も、動物も、植物も。
皆が静まる夜の歌。
この夜をすべるは、妖か。
人ならざるもの集まりて。
さぁ、今宵は百鬼夜行。
始まり合図は鐘の音。
__鐘の音__
【鐘の音】
ゴーン
ゴーン
耳が痛くなりそうな程
冷たい静寂に支配された聖堂の奥。
厳かに、その鐘の音は鳴り響いた。
まるでそれを待っていたかのように現れ、
次々と踊るように舞う無数の影。
鐘の音が消え、再び訪れる静寂。
月明かりすらもない幽暗の中、
音も言葉もない影たちの舞踏は続く。
次の鐘の音が響くまで。
海水めっちゃ痛い
次行く時は
浜辺で貝殻探しする
『鐘の音』
私が“鐘の音”と言われて思い浮かぶのは、
年明けの除夜の鐘。
私はまだ家族としか鐘を鳴らしに行ったことがない。
毎年お寺に寒い中、コートを来て、みんなで寒いねって言いながら行列に並ぶ。
「ゴーーーーン」
響き渡る鐘の音がまた新しい1年の始まりを知らせる。
思わず息をのんだ
想像していた何十倍もでかい
その装飾は誰の目にも美しく、力強く
幾千の人々により幾千万の時を経て、手厚く重厚に奉られ、敬われているのが一目で伝わった
怯んだ気持ちを悟られない様に独り言に混ぜ聞こえる様に呟く
ああ、意外とこんな感じか、
しかしデカいなこれ、全体が収まる様に撮れるかな
平然を装ったけど、膝が震えている
これはマジで絶対にヤバいヤツだ、
見ているみんなも察している
これは絶対に触っちゃダメなヤツだろ、て
だけどもう後には引き返せない
これだ、これを叩いたら絶対にバズる
千年の鐘の話を聞いた時、私は高揚した
千年に一度だけ叩く事が許される伝説の鐘
文献だと次に叩けるのは511年後らしい
前倒しで叩いてみた、ってタイトルで実況動画出したら絶対にバズるやろ
これで私もヒーローになれる、て
神々を装飾した巨大な黄金の鐘
槌を構える
警告が鳴る
千年に一度なら私は何人目だろう
警告が鳴る
世界に繋がっている、私がヒーローだ
警告が鳴る
思いっきり振りかぶって
警告が鳴る
警告が鳴る
『鐘の音』
作品No.127【2024/08/05 テーマ:鐘の音】
店先で鳴る呼び鈴の音。私と姉は立ち上がって、裏口の戸を開ける。
「おばあちゃあん!」
そう呼ぶと、祖父の愛人——祖母の皮肉混じりの称号だ——である黒イヌのルーが吠える。そして、洗濯をしていた祖母が走ってくる。
「お客さん!」
「はいはい」
祖母が店に戻るのを見届ける前に、私達はドアを閉める。
これが、小学生の頃、夏休みの私達姉妹の日常だった。
今はもう、祖父はいないし、ルーもいない。祖母がやっていたお店は、大元の会社の倒産をきっかけに閉店した。祖母は元気だが、最近体調がよくないことも多い。
もうあの呼び鈴の音が鳴ることはないだろうが、あの夏の日々は、今よりずっと輝いていた思い出のひとつだ。
鐘の音
鐘の音といえば、近所のお寺の梵鐘くらい…朝夕に聞いて育ったけれど…今どきは、騒音とかで、聞くことも無い…
時計を持たない子供の頃は、家路への誘いだった…夕陽が彩る西の空を見上げ乍ら、烏を数えたり、一番星を探したりしていた…
友達と、バイバイする寂しさや、家々から流れてくる夕飯の匂い、自分より大きな影法師…そんな何気ない日常と、あの胸に沁みる鐘の音…
【鐘の音】
私は腕に力を籠めて振り下ろす
握った槌から激しい衝撃が腕に走った
骨に響くような嫌な感触に全身が襲われる
それでも槌を打つこと手を止められない
槌と鐘はぶつかり合い、その音は遥か彼方まで響いた
私は此処にいる
此処にいるんだ
鐘の音は私が此処にいる証
この音が途切れる時、それは私の命が尽きる時
いや、たとえこの身が滅ぼうとも鳴らし続ける
誰にも気づかれなくていい
鐘の音が在ることが私の証明
私は、此処にいる!
リリリリリリリ…
終電のベルの音。
現代のシンデレラの鐘の音。
手首を掴まれ、引き戻されて、胸の中へ。
日常が、今までと変わってしまう。
そんな気がする、あなたの早鐘の音。
「鐘の音」
「では、当日はこの流れでよろしくお願いします」
もうすぐ私達は結婚する。今日は式の流れの最終確認で式場に来た。打合せ場所から出ると、教会から鐘の音が聞こえた。今まさに式を挙げている人がいると思うと、自分の事のように嬉しくなった。
おめでとうございます。心の中でつぶやくと、私は足取り軽く、心躍る気持ちで式場を後にした。
お題:鐘の音
俺にとっての鐘の音は、公園や海にあるイメージだ。
毎年、新年に日の出を見に行く海と、地元の公園には鐘があった。それらにある鐘からは、ぶら下がった紐があって、幼い頃の俺は、背伸びをしても届かないそれに、憧れを抱いていた。
大人が皆一斉に鐘の音を響かせていく。ある人は恋人と、ある人は友達と、ある人は一人で、続々と響かせていく。
俺にとって鐘の音は大人の証だ。一人で響かせられるのは大人だけ。
昔は、一人で鐘を響かせる事が出来る自分が誇らしかった。
だけど、ある時からそれが出来なくなった。意地でも一人で鳴らそうとした。周りが信用できなくて、全て自分で抱え込んで。
限界を迎えて倒れて、初めて一緒に鐘を鳴らされて。最初はショックだった。一人で鳴らせなくなって。俺を馬鹿にしていると思った。
でも、そんな事なくて。そこにあったのは優しい目で。徐々に誰かに手伝って貰いながら鳴らすのも、悪くないと思えたんだ。
7
鐘の音。
新郎新婦の門出を祝う教会の鐘の音。
鐘の音。
一年を振り返り来年の幸せを願う寺院の鐘の音。
鐘の音。
火事を知らせる火の見櫓の鐘の音。
鐘の音。
アスリート達にラスト一周を知らせるグラウンドの鐘の音。
どれも画面の中でしか聞いた事が無い。
一番身近な鐘の音は、学校のチャイムだった。でもあれも、キンコンカンコンと鳴りはするが放送だったから正確には鐘の音では無いのだろう。
学校のチャイムは、最初はどんな風に鳴らされていたのだろう?
本当の音というのが、どんどん遠くになっていく。
END
「鐘の音」
鐘の音。
引っ越ししてから、この辺りは暮れの頃になると、火の用心!!と、威勢の良い拍子木の音と男の人の声で、火のー用心!!パタパタと言う音に声に年末を感じてた。
なぜか108以上叩くお寺の鐘の音
それもまた、年末っぽい、
ゆく年来る年ゴールド。
・4『鐘の音』
朝の鐘の音。
始業の時間だ。
ねえさんはまだ寝ている。
血を抜いて調べる。
変化なし。
この壊れたお人形のような女の子から
ほんの少しだけ生命力と知識と記憶を頂く。
もうかれこれ500年は生きているのだ
そろそろ解放してもいいだろう。
私はねえさんから2年分ほどの生命力を貰った。
肌や髪に少しだけ潤いが戻る気がした。
【続く】
鐘の音はいつ聞こえるのだろうか。
私はそれを待っている。
運命の人と出会った時頭の中で鳴り響くのだろうか、それが本当ならまだ運命とはすれ違ったままみたいだ。
鐘の音を聞くのはいつだろうか。胸ばかりが高鳴る。
バージンロードの上を恥ずかしくも思いいっぱいで父と歩く日は来るのだろうか。
わたしはそれを待っている。
願わくば、掴みに行きたいと思っている。鐘の音を鳴らすあのベルを手に。
夜を告げる鐘の音が鳴れば、俺達は帰らないといけない。
このまま時が止まって欲しいと思う。それだけ
はい。今日も終わりです。
さぁ明日はいよいよ地球での実習が始まります。
ここは天国。天使達は地球上で命を終える人達を無事に天国まで連れて行けるように日々勉強をし、次世代の天使達を育てている。チャイムは鐘の音。地球の人はこの音を愛の印のように使うが天使にとっては1日を終える解放の音だ。まぁ、大事なものには変わりがないかな?