『鏡』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#鏡
鏡よ、鏡よ、鏡さん?世界でいちばん美しいのは、だーれ?
小さい頃、白雪姫に触発されて、鏡は喋るものだと思ってた。
何回も何回も、毎日鏡に喋りかけては答えのない日々。
何度、枕を涙で濡らしただろうか。
いつの間にか諦めて、鏡に話しかけることも無くなった。
それは、私が1歩大人になった証。
『水たまり』
夜空のおぼんは鏡じゃないか 写っているのはただの僕 白雪姫じゃありません ただの僕 雨が上がって
水たまり できたばかりの水たまり 水面をみれば
これもまた 立派な鏡なんじゃないかと思いつく
ここにもやはり僕がいる 紛れもなく僕がいる
父と叔父は一卵性双生児
初めて見たのは子供の頃
話では聞いていたけれど
本当によく似ている二人
父は角刈り叔父アイパー
見分けるのが髪型として
正直どちらも大差はない
庭にいる叔父を見かけて
今日休みなの珍しいねと
近所の人が話しかけてる
叔父はにっこりと笑って
そうなんだよと返答した
懐かしく思い出す一場面
お茶目で優しい話し方は
やっぱり父と似てるのだ
叔父は元気にしてるかな
今二人並んでるところを
見てみたいなあ、なんて
洗面所で歯磨きしながら
思い返してたところです
『 鏡 』
鏡
「鏡よ鏡世界で1番美しいのは誰?」
もちろん貴方と応えてはくれない
神様は平等に美しい顔を与えてくれない
大事なことは
私が私自身のことを可愛いと思うこと
鏡の自分を見ると、今日の自分かっこいいな…イケてるな…と思ったものの、カメラに映し出された自分があまりにも見るに堪えないグロ画像になることは無いだろうか。
だが、ほとんどの鏡とカメラに映し出された物はどれも本当の自分の姿では無いらしい。
どれも光の当たり方や、見方で自分の顔の印象は変わってしまう。
産まれてからこの体と一緒に生きてきたのに、自分の本当の姿を知らないとは不思議だ。
毎日鏡に向かって
今は落ち着いています
かつては全てのことを
ワンオペでこなす毎日で
ヘトヘトになり
虐げられていたあの頃
仕事帰りに毎日
ヘルメットの下で涙したあの頃
あんなに好きだった
オシャレやお化粧が出来ませんでした
鏡を真っ直ぐに見ないから
どんな顔だったのか思い出せません
今はあなたのおかげで
自分を取り戻し
鏡の前で笑顔になれます
全てのことにありがとう
鏡
鏡と向き合い手を重ねる。触れているのは冷たい鏡であるはずだけど、どこか暖かく感じる。鏡の中の私が私にエールをくれるよう。
ちょっと変わった私のエネルギーチャージ。
鏡を見ると
醜い醜い私がいる
醜い人間の子
ハッピーエンドになるといいな
今日の心模様
朝から快晴で、髪も上手く巻けたし、星占いも一位だったし、今日はいい日だと思ったのに。
(嘘でしょ……)
帰る頃になって急に雨。友達は部活だし、置き傘もない。
(アイス食べて帰ろうと思ってたのに)
「ひゃーすごい雨」
「! 結城くん」
心臓が飛び上がった。
「三島さんも帰れないの?」
「傘なくて。通り雨かな」
「ていうかスコール」
「ふふ、ほんと」
でも恵の雨だ。結城くんと話せるなんて。
今日は、晴れのち雨ときどきドキドキ。
夜の海
ザザーン、と音がする。
窓の外は真っ暗だが、昼間見たときと同じように、岩場に波が打ちつけているのだろう。白く泡立つ波の花が岩にぶつかり砕け散る。
ザザーン、と音がする。
波の音には癒し効果があるというが、とてもそうは思えなかった。バシャ、ゴポゴポ。岩肌に当たるせいか、渦巻き海中に引き込まれる音が背筋を粟立たせる。
ザザーン、と音がする。
誰かが海の中から手招いている。寂しげに泣いている。
そんな音だった。
自転車に乗って
バサバサとスカートが風に翻る。ハーフパンツを履いているからいいけど、それ以前に車輪に巻き込まれないかちょっと不安だ。
「おーい、あんまり遅れんなよ」
顔を上げると、振り返った綾瀬とは少し距離が離れていた。
「そっちがペース落とせばいいじゃん!」
「遅かったら後ろからウイリーで煽るっつうから」
「ちょ、前見ろ前!」
「うわっと」
大型トラックの脇をすり抜ける。
「買い出しだる」
「アイス食わね?」
「いいね! 内緒で!」
鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?
「あなた」とは言ってはくれない
私はこの世の女王にも姫にもなれないから
毒りんごを食べた白雪姫のように助けてくれる王子様がいる訳でもない
''この世で一番美しいのか''は誰かが決めていいものではない
美しいがすべてではないから
毒りんごを食べた白雪姫はきっと『毒』だと分かって食べたのだろうか
白雪姫の美しさを妬んだ女王はそれだけの理由で娘に『毒』を渡したのだろうか
鏡は真実を映し出す
鏡よ鏡、この世で一番嘘つきなのは誰だろう?
空は淀む
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ、なるほどね。
定期的に聴こえる鐘の音。家の前のうるさい川の音。
家族の誰かが、下手したらどこかのホラー映画より不気味な、音を立てて
いる。
お願いだから静かにしてよ!!
鏡
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ。
自分のかおが?
自分の体が
自分は防犯カメラじゃないんだって実感するよ本当。
自分は、自分の目だけで世界を見ている気になっていたけど、
鏡みたら、自分に目以外の実体があるって気づいたよ。
別に自分さえいなかったら、きっと文句も言われないんだろうよこの音たちも。
自由気ままに鳴り響いて時々不協和音を出したりして。
でも僕がいなくちゃ、私がいなくちゃ、この部屋にほこりが溜まってしまうし、
っていうか、なんの価値もないじゃないか。
人が一人もいない世界って感じか?
鏡みたらさ、どうしようもなく自分の体はでかかったよ。
嫌でも認識してしまうね、この迫力は。
音にうるさいって怒ってた自分の方が
圧倒的に景観と空間の風紀を乱す風貌をしていたよ。
音と視は違うけどね。よく考えたら、
自分だって呼吸の音とか髪の毛の擦れる音を出していたよ。
まったく自分を棚に上げていたんだ。
鏡は
いいねぇ。
主観を圧倒的に断ち切ってくれるよ。
鏡よ鏡。
鏡を見る度、魔法をかけてちょうだい。
ジーっくり鏡を見る事なんてない。
着飾るのは仕事の時だけ。
見た目はお金のため。
自分がどう見られるかなんて知らない。
お金になるからその服着るだけ。
そんな私が結婚して、子供を産んだ。
なんて綺麗なお母さん!
ってお世辞かどうかわからない言葉が懐かしいと思う頃。
子供と風呂上がりに自分の真っ裸を見た。
誰だこの妖怪…
『昔は細身でモテたのよ〜』
なんて義母の言葉が聞こえた気がした。
ヤバい。
鏡に顔を近づけてみる。
うっすらとシワ、シミ、タルミの三原則。
ヤバい。
やっとけばよかったオシャレ。
私には関係ないとばかりに無視した美容法。
今ならまだ間に合う?
手遅れ?
よくわからないけれど、手荒れ予防に使ってるニベアのハンドクリームを顔に塗る。
暇ができたら若返りだとか美容だとか頑張ろう。
子供と遊ぶ以外に体も引き締めて…
無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理
私が鏡と聞いて思い浮かぶことは三つある。
一つ目は生活の中で1日で必ず必要とし使用するものでありなくてもさほど困らないがあればとても助かるものである。
二つ目は色々な形があり様々な使われ方をしている多種多様であり色々な場面で活躍し生活を助けてくれているもので大きさ等もまばらである。
三つ目は容姿を映すし使用するだけでなく自分は性格や考えていること相手に今どう見えているのかなどの内面等も容姿に出ているのでそれを確認できると私は思っている、疲れや怪我体型の変化等も確認することができる。
この三つの点が思い浮かび鏡はとても生活を豊かにしてくれていて自分のことを気づかせてくれる良い道具だと私は思う。
鏡
風呂上がりに、脱衣所の洗面台の鏡を見ながら、髪を乾かす。鏡に写るだらしない身体、皺だらけの顔、薄い白髪頭…年々と言うか、日々向かい合う自分の姿に、若い頃に思い描いた姿とのギャップ…
職業柄、1日のほとんどをこれに囲まれて過ごしている。
私はこれを通した自分を私として認識している。
お客様もそう。
面と向かって話す事は殆どなく、常にこれを通して話をする。
職場で見る顔、家で見る顔、デート中のトイレで見る顔。
全部違うけど全部間違いなく私。
今も左側に置いてある。
かがみ
「鏡」
鏡は今の自分を映し出す
ありのままの自分を映し出す
鏡の中の自分を変えることは出来ない。
ありのままの自分だから
中二女子
起きる時間だ。
また、いつもの繰り返しが始まる。
鏡を見ると、いつもと変わらない自分がそこに居た。
今日は予定は無い。テレビでも見るか。
何も変わらない。
いつもと同じ。
退屈な人生だけど、こうするように教わったから、
「社会に馴染んで、自分を消し、周りと仲良くする。
社会に馴染めないのは、貴方が可笑しいからです。
皆で団結し、より良い未来を創りましょう。
そうすれば、安心して暮らせます。」
これでいいはずだ、
なのに、何でこんなに虚しい?
人並みにお金はある、体も健康、対人関係も、普通。
なのに何故満たされない?
考えても答えは出ない。
諦めて、テレビに視線を戻した。
社会的な話題を取り扱う番組のようだ。
[社会に合わせるだけでは、幸せになれない、
最近の世代は、周りに合わせるのではなく、
自分の個性を大切にしているようです。]
へぇ。いいなぁ、個性を持ってる人間は。
俺は平凡な人間。
個性は無い癖に、どこか生きづらい。
大多数に従わないと生きていけない人間になった。
鏡
写るのは誰で映すのは誰
そこに立っているのは誰でしょう
誰だかは知らないけど
誰だって知らないだろうね
鏡にありのまま移せない
だけど誰がどう見たって鏡なんですよ
そんなありきたりな鏡
あなたには何が見えるのかな
誰の言葉だったかすら記憶にない
ただ言葉があるだけで
言葉は色々なものを映すけど
写るのはその時の何かでしかない
僕に向きあってくれるとき
皆髪の毛を触ったり、顔になにかを乗せたり、
様々な布を纏っては変えたり、忙しそう。
でも人間が自分自身に細工を加えた後、僕を見て何故か笑顔になる人が居るんだ。
そのときはなんだか役に立てたような気がして
誇らしくなるよ。
たまに僕を見て泣いている人もいるよ。
僕は何か悪いことをしたかな。
ごめんねって思いつつ、気持ちを吐き出すきっかけになってたらいいと思うよ。
毎日皆の行動を不思議に思いながら、
たまに嬉しくなったり悲しくなったりしているよ。
僕は役に立てているかな。
分からないけど、僕はあいも変わらずここに居るよ。