『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
部屋の片隅で
僕は一人休んている。
部屋の片隅だと誰にも邪魔されない気がする。
だから片隅で休んでいる方が安心する。
みんなはどうだろうか?
僕だけかな?
あそこは僕の特等席なんだ、ってこっそり教えてくれたあなたの表情は、秘密を共有してくれる小さな子どもそのものだった。放課後、誰もいなくなった教室の、後ろ側の壁に沿って備え付けられた、胸の高さの棚。窓際の特等席に腰掛けてみれば、なるほど。すこし空気が違うみたいだ。
// 部屋の片隅で
部屋の片隅に僕は僅かの希望を見出す
片隅には資格の本や教科書に押されてひっそりと数冊の本
自分探しを諦めて、大人しく社会に入ろうとする中で
それでも諦めきれぬ出口が転がってる気がする
しかし片隅であることもまた救い
だって現実は何も変わらない
なぜそれが片隅であるのか
それは結局自分のホンネに他ならないのだろう
部屋の片隅で毛布にくるまって。
あたたかい飲み物を手に
静かにストーブに当たる。
冬は寒くて好きではないけれど。
あたたまる以外のことを
何もしていないこの時間は。
心底幸せだな、と思う。
部屋の片隅で
部屋に片隅があるとき、必ず対の片隅も存在している。探してみて。見回して探してみると、他の片隅を見つけるかもしれない。もう一片隅を見つけたらその対の片隅も同様に存在していることだろう。次は上を見上げてほしい。上にも隅がある。例えば部屋を立方体として考えたら、その内部から見て八つの隅が発生している。それらはもれなく、辺という点の集合によって連結されている。ねじれの位置にある片隅同士もある。片隅は他の片隅が好きだ。みんな引き寄せあって、毎日部屋が1mmずつ狭くなる。
僕らもいつも片隅にいる。点のような一日一日を大事に過ごして他の片隅と繋がるために生きている。交わらない奴もいる。交わる奴もいる。困ったときは片隅を見上げて希望を持つ。この文章を僕はいま片隅で打ってる。僕の片隅は……他より少し翳っている気がする。
うずくまっていますか?
うずくまりたいときはうずくまりましょう。
でもそこで注意なのがそのまま寝ちゃわないことです。
昔うずくまっていた時寝てしまい足が痺れて寒さで血行がとても悪くなったことがあります。
でもそこに誰かいたら。
それを温めることができる。
だから私は今日も誰かとうずくまります。
部屋の片隅で
仕事もする 考え事もする
食べたり 飲んだりもする
良い景色の窓辺があって
相棒の机とパソコン
こころを解き放てる場所
さながら ここは私の秘密基地
「部屋の片隅で」
この血なまぐさい部屋で溺れないように、僕は思いついた。
君のシュノーケルを奪い取ればいい。
そうすれば僕は僕をやっと甘やかせる。
誰も自分の為になにかしてくれないのなら、僕が僕を世話してやればいい。
誰かが同じ目にあえばいい。
君の息が止まれば、この部屋の片隅で、僕は溺れなくてもいいんだ。
簡単な話だったのになぁ...。
部屋の片隅で
四肢を投げ出して、天井を見ていた
捨て損ねたゴミ袋 溜まった洗濯物
分刻みで設定したアラームも
スヌーズのまま止まらない
全て無視して 震える手で
耳を塞いで蹲っていた
こうしている間にも
周りは生き抜いている
社会は動いている
みんな、生きているのに
私だけがゾンビみたいだ
生きてるなんて思えないや
西日が刺してきた
また生き延びてしまった。
部屋の片隅で
静かにたたずんでいる写真
小さい子どもを抱いて
微笑む若かったときの妻
写真を見ると
いつもその頃に戻る
写真の子どもは大人になり
妻は年齢を重ねている
写真を見て
現在と過去を行き来する
部屋の片隅は私にとって
タイムマシン
題「部屋の片隅で」
部屋の片隅で、存在を忘れられたマスコットが天井をみつめてる。
ホコリのおふとんに包まれて、天井をみつめてる。
部屋の片隅で泣いていた私のこころ
あなたはそっと寄り添ってくれた。
どんなに優しい人だったのでしょう。。
ただ寄り添うことがどんなに難しいことか
あなたは私に教えてくれました。
今度は私が
部屋の片隅に明かりを灯します。
部屋の片隅で1人寂しくうずくまる日々
暗い夜がやってきて家族にバレないように声を殺して泣く日々
いつからこうなったんだろうか。
いつからこんなに涙脆くなったのだろうか。
そんな毎日と自分が大嫌い
いつまでこんな夜が続くのかな。
『部屋の片隅で』
齷齪に塗れ凋落となり
聚楽の味を噛む日々に
冨樂を嫉む醜悪な性に染まる
明日の陽を見ることさえ覚束無い
魑魅魍魎のように化ける心
縷縷忘れてしまうのか
いつからかの朧気を
解を見い出せぬまま
部屋の片隅で
泣いている
部屋の片隅に忘れ去られた
あのぬいぐるみ
子供の頃にはあんなにそばで
笑ってたはず
好きだったものもいつかは
遠く離れてゆくんだね
『部屋の片隅で』
部屋がある
部屋の中心にはテーブルが一つあり、その上にはマグカップが二つ置かれている
どちらも中には冷めたコーヒーが半分ほど入っており、片方にはラップが掛けられている
そしてその部屋の片隅には──
────
その日は朝から母がパートへと出掛けた
その日は父の仕事は休みで、私より起きてくる時間が遅かった
その日は私も学校が休みで、母が出掛けた時の玄関の音で目が覚めた
……その日は日曜日だった
私の家族はみんなコーヒーが好きだった
だからみんな朝起きたら決まってコーヒーを飲んだし、それぞれ自分用のマグカップだってあった
その日もそうだった
私が起きてきた時には既に母の姿は無く、テーブルの上には母のマグカップが置かれていた
急いでいて飲みきれなかったのだろう、そのマグカップにはまだ半分ほどコーヒーが残っており、ラップが掛けられていた
私が自分のコーヒーを飲み終わりマグカップを洗っていると、寝室から父が起きてきてそのままトイレへと入っていった
その間に自分のマグカップを片付け終えた私は、父の分のコーヒーも用意してあげる
インスタントのコーヒーなので、粉を入れてしまえば後はお湯を入れて完成だ
父がトイレから出てきたのでマグカップにお湯を入れ、二人で他愛のない話をして暇を潰す
──♪──♪──♪
父のスマホが鳴った
電話に出てすぐに父の雰囲気が変わった
事故だとか病院だとか不穏な言葉が聞こえる中に、母の名前が時折混じる
父は私に家に居るように言いつけると、慌てた様子で家を出て行った
私はその時……何もしていなかった
何をしたらいいのか分からなかったのだ
自分のスマホを握り締めながら、ただチクタクチクタクと時計の針が進む音だけを聞いていた
──♪──♪──♪
……私のスマホが鳴った
────
部屋がある
部屋の中心にはテーブルが一つあり、その上にはマグカップが二つ置かれている
どちらも中には冷めたコーヒーが半分ほど入っており、片方にはラップが掛けられている
そしてその部屋の片隅には──
──スマホを持って茫然と立ち尽くす……私がいたのだ
大きな音を立てて真っ黒なナニカが部屋の片隅でうずくまる私を襲う
怖いけど何故か安心する温かい闇
部屋の片隅で
見つけた。
アリエッティ。
僕らはいつだって
平安を求めて戦って
いつしか嫌になって
ここから逃げたいなんて考えて
後ずさって
それでもやっぱり向き直って
そんなこんなで涙して
忙しい世の中を生きてる
少し立ち止まって耳をすますと
誰もいなそうに見える部屋にも
僅かに誰かの気配がする
頑張る姿がかっこいいのに
どうして怖がって独りなの?
って問いかける声がする
かっこいいってやっと気付けたよ
いってらっしゃい
#部屋の片隅で
部屋の片隅には何かが住んでいる。何かおぞましい魔物と言うべきか、常に薄暗く目立たない瞳で私を見つめているような、酷く不快で緩やかな恐怖をまとった何かが這いずっている。正体不明のダイヤルを脳裏でじっくりと回され続けているような、不可解な静けさが、端に集まって息を殺している。深夜の1人の、ただの妄想だとしても、酷く怯えてしまうのだ。