『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
哀しい時、ふらりと海に来る
どこまでも青く青く続く海は
私の哀しさなんてちっぽけだと
そう思わせてくれる
波の音が囁くように聴こえてくる
それでいいんだよと優しく囁く
砂浜に落ちたひとつの貝殻を手に取る
この貝殻をだれに渡そうか
ねえ君にだけ渡そうか
ゆっくり受け取ってほしい
傷跡も哀しみも2人を繋ぐ糸だから
『君に贈る貝殻』
桜色の貝殻を君に
白い貝殻を僕が
シーグラスは2人で
探し集めよう。
海は綺麗で冷たくて
時に僕らに牙を剥くけど
どこまでも続く
海は自由を感じられて
素敵だと思う。
砂浜もキラキラしてて
どこを切り取っても
ステージの花道になりそう
そう感じた。
来年も一緒に同じことをしよう
─────『貝殻』
貝殻
「桜貝の貝殻を100個集めると恋が叶うって子供の頃聞いたな」
「結構ハードル高いな、桜貝ってどれだ?」
夕方の砂浜で他愛のないことを話しながら歩く。しゃがみ込んでいた彼が、これか?と言いながら拾い上げた、思ったより濃いめのピンクの小さな貝殻。
「これは大変だな」
そう言って何度も頷く。
「そんなに叶えたい恋がお有りで?」
そう問いかけると慌てて貝殻を放り出した。
「いや、そんなもの無いな。今の恋が大事、うん」
そう返してくるので、思わず吹き出してしまった。
5月の大洗海岸
父:潮干狩りやるぞー!
娘:楽しみ!
母:2人とも頑張ってね
砂浜を掘る
娘:また貝殻だ
父:掘っても掘っても貝殻しか出てこないね
近場の海を足で掘る
父:全然いないね
娘:ほんとにいるのかな
少し深いところで掘る
父:ん。何かいるぞ。でかいのとれた!
今日の収穫は、貝殻と大きいはまぐり1匹。
環境の変化(人的なもの?)を感じる
ここ数年の5月の大洗海岸。
その小さな欠片は
かつての海の記憶
貝殻は海を忘れない
海も貝殻をそっと撫でていく
波が引いて
貝殻は海を待つ
きみがくれた海。
それが、この貝殻だ。
耳に当てると波の音がするよ。
きみの言ったとおり、耳に当てると音がする。それが、海の波音なのか確かめるすべはない。
海には行ったことがない。この街から海は遠く、そう簡単には行けないのだ。この街には自分のやるべきこともある。
君と海に行きたい。
この貝殻をくれたときのきみの言葉。ずっと忘れていない。
机の上に、いつも見えるところに置いている。そして、行けない言い訳をひとつずつ消していく。
きみと海に行きたい。
同じ気持ちでいる。自分の本音を貝殻にだけ囁く。
砂浜で見つけた貝殻。
あなたとの思い出を閉じ込める貝殻。
閉じ込めたまま海の底へ沈ませた。
あなたも、貝殻ももうなくなった。
なのに私はあなたを忘れることが出来ない。
ああ、私が貝殻に籠り海の底へ沈みたかった。
『貝殻』
海がない県に住んでいると、あまりご縁のない貝殻という存在。
だからこそ旅行で海を訪れた時に、浜辺で貝殻を見つけると、じっと見入ってしまう。
貝殻を集めて早し最上川。
「五月雨をでしょ」
[五月雨か、じゃあ、貝殻を集めて遅し…?]
「信濃川?」
[信濃川!!]
って、どーゆこと?
君が面白そうに笑うから、うちも面白くなってきて、
貝殻を集めて遅し信濃川
って話てたら先生が
何だそれ、五月雨を集めて早し最上川だろう?
[先生が間違ってるんよ、]
「そーですね、先生が間違ってます!」
何だ、俺が違うのか、でもちゃんと覚えとけよ
『はーい』
貝殻を集めて遅し信濃川、
❦
飼っていた猫はとても人見知りだった
久しぶりに帰省すると籠に引きこもり
そっと覗くとまん丸の目が二つ
たまに尻尾や足がはみ出ていて
砂抜き中の貝みたいだった
籠にフタがついていたから
いい出汁が出るなんて冗談だよ
籠から出ておいでって言ったけど
殻だけ残して行ってしまうなんて
#貝殻
海を聴く
硬い外殻に耳を合わせて
波を聴く
空っぽの虚に雑音を響かせて
声を聴いた
あの日遠く泳いで行った
小さく消えた君の髪を
‹貝殻›
あ 信じてるの?
い うん
あ なら仕方ないけど
い どこかにいると
あ 探そうか?
い ううん
あ 強いんだね
い そうでもないよ
『貝殻』
割れた貝殻の破片で
指の腹が切れた
裂け目から覗く赤い血が
滴り落ちた海の上
私の命は廻ってる
貝殻ひとつ おかあさんの
貝殻ふたつ おとうさんの
貝殻みっつ わたしの
貝殻よっつ みーちゃんの
貝殻いつつ あいせんせいの
貝殻むっつ えんちょうせんせいの
まだまだいっぱいある
おともだちみんなにくばれるかしら
せかいじゅうのひとみんなにわたせるかも
せかいじゅうのひとみんなとおともだちになれるかな
「貝殻」
砂にまみれても波がくるたび洗われる!
今日も貝殻のようにきれいになろう
テーマ「貝殻」
貝殻の 飾りきらめく バスルーム
貝殻
小さい頃海に行くと綺麗な貝殻を集めてた
色んな貝殻が入ったセットを買ってもらったしてた
何をするわけでもない
理由も全くわからない
冷めてしまえば
過去になれば
わけがわからない熱量ってあるよね
海にかくれたきれいなものたち
色とりどりの貝の殻
洗って洗って砂つぶに。
いろんなかたちのサンゴたち
洗って洗って砂つぶに。
海に消えたいのちのあとの白い骨
洗って洗って砂つぶに。
いのちのキラメキ
寄せては返す波の中
砕けて砕けて
小さく小さく
洗って洗って
砂つぶに
すべては すべては
海のキラメキに。
「貝殻」
No.112『貝殻』
私が持つの貝殻の片割れ。
もう一方は愛しのあの人が持っている。
これを持っていれば、どこに行ってもあなたと引き合わせてくれると信じてる。
貝殻
初めてのデートで拾った貝殻で作ったネックレス
2つ合わせたら綺麗に合うように作ったのに
もう、ずっと合うことはない
このネックレスももうお別れしないとな、