『誰にも言えない秘密』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【誰にも言えない秘密】
彼の指に唇を這わせ、そっと口づける
それが俺たちの合図
みんなの人気者のアンタが、今は俺だけを見てくれる
普段あんなにからかってくるのに、二人きりの時は蕩けるような目で見つめてくる
彼から与えられる甘い蜜に、また溺れてしまう
だからせめて、優しくして
誰にも言えない秘密
「あ、誰にも言わないでって言われてたんだ。ごめん、忘れて!」
思わず話しちゃった、とちょっとだけ可愛こぶる。
そんな私に彼はすぐに青い顔になった。
「言わないでって言われたこと言うなよ!そして俺に言うな!なんでお前はいつもいつも俺に話すんだよ!?」
声が大きくてファミレスの中での注目を浴びたが、当人は、「俺は聞いてない、聞いてない…」と小声で呟き始めていて気づいてない。
これはいつもの呪文だ。彼にとってのおまじないで、呟けば直前に聞いたことを忘れられるらしい。
私はそれを、とても素敵な呪文だと思ってる。
「ほんっと、そういうところだよ」
「何が?」
「お前がモテない理由だ。ていうか、お前が失恋したから話聞けって、俺を呼び出しただろうが」
「そうでした」
忘れてんのか?若年性健忘症?と哀れんだ目で見られて、とても心外だ。
「なんだってお前の話から、他人の秘密の話になるんだ……」
「なんとなく?」
「人の秘密なんて知るもんじゃないし、言いふらすものでも無いだろ?本当に、もう俺の前だけはやめてくれ」
「努力はしてるんだけどなぁ。で、なに?これが私のモテない理由って、どういうこと?」
彼は嫌そうな顔を真剣な顔に変えた。
「守秘義務を守れないやつにろくな奴はいない」
手をぽん、と叩きたくなるくらい納得した。
「 絶対に言わないから安心してね」と約束しといて、他人にあっさり喋っちゃうような人は信用するべきじゃない。
つまり、私である。
「お前って秘密とかなさそうだよな。全部ボロっと話してそう」
「確かに秘密ってないかも。知られても別に困らないしね」
「本当にお前に話すことだけは、内容に気をつけることにするわ」
「そうして。私、嘘つけないからさ、思わずポロッと出ちゃうと思うし」
そう、警戒するべきは私なのだ。
「てことは、何か秘密があったりするの? 誰にも言わないから教えてよ」
「今の流れで教えるバカはどこにもいない」
「えーケチ」
くすくす2人で笑う。
私は彼に嘘をついた。
私にだって、秘密くらいある。誰にも言えない秘密が。
そして記憶力はものすごくいい方だ。
何もかも覚えてるし、何もかも忘れられない
忘れられないのに、他人の秘密なんて私は抱えていられない。
だから、私はポロッと話す。
“聞いてないこと”に出来る人に。
「また誰かの秘密入手したら連絡するね」
私はにこりと笑い、彼はガックリ項垂れた。
誰にも言えない秘密
だった。
私の失恋話を友達にしようと思う。
1から10全てを話して楽になりたい。
誰にも言えない秘密は、完全に縁を切った親と関わりを持ってること。一瞬でも夜の仕事をしてしまったこと。
#誰にも言えない秘密
誰も知らない秘密じゃなくて
誰にも“言えない”秘密か
墓場まで持っていくしかないな
「誰にも言えない秘密」
誰にも言えない夢があった。
自分にも隠した夢だった。
でも、その夢を最近掘り起こした。
その夢は今、着実に磨かれていき、秘密にはできなくなるほど輝きだす。
皆見つけてくれるといいな。
誰にも言えない秘密
あなたは友達と思っているみたいだけど
私はあなたのことが好きです
恋愛感情としてね
でも言ってはいけないから誰にも言いません
ここでは言ってもいいよね?
〖誰にも言えない秘密〗
そっと蓋をした。
丁寧に柔らかな布でつつんで、
さらにふわふわの綿で覆った。
自分の場所の、ものが多いところに、そっと置く。
目に入らぬように。
目に入っても、気付かぬように。
気付いてしまっても、恐れることがないように。
“誰にも言えない秘密”
この世の中に、秘密の無い人なんているのだろうか―
私にはたくさんの秘密がある。
もちろん、秘密なのだから誰にも言わない。
秘密のある毎日は楽しい。
それを隠している事で勝手に優越感に浸ることができる。
だれかと共有するつもりもない。
だって、それこそが「秘密」なのだから。
誰にも言えない秘密
ジョハリの窓でいう秘密の窓のことかな
罰なら罰だと甘んじて受け入れるが
罰ですと教えてほしい
意外と知られているのかも知れないけれど
実は目の前の人間にさめている
痛みも怒りも冷えるほどさめている
取り乱すに値しないと確信するほど見放している
それが鏡の前であれど夢の中であれど
消えない罪を押し付ける気でいる
「 君と私だけの秘密だよ 」
そんなこと言われたら言いたくなるじゃないか
006 誰にも言えない秘密
「誰にも言えない秘密」
私には
誰にも言えない秘密があるの
などと口にできる程度の秘密とやらは
本当はどうでもいい秘密
本当に誰にも言えない秘密は
時として 自分自身すらも騙し
あたかも 隠し事など無いよう
なかったことにしてしまう
恐ろしい 秘密
「誰にも言えない秘密」
真っ白なノート 私だけの世界
A 4 2枚分 隅まで黒く染めて
そっと仕舞った 君へのサイン
目印にして 迷わない様に
いつか どこかで
その意味を教えてあげたい
誰にも言えない秘密
中学生
コックリさんが
流行ったあの頃
想いを寄せる人がいた
付き合えなくても
顔を合わせるだけで
幸せだった毎日
友の告白で一変する
幸せそうな二人
間近で見せつけられる日々
醜さがむくむく育ち
剥き出しになる
本で読んだ占術
手が動いた
若かりし頃の
誰にも言えない秘密
誰にも言えない秘密は
最初は誰にも知られてはいけないと必死に隠す
慣れてくると、秘密にするほどのことか?とか
秘密というほど、大層なものではないが
あえて言う必要もないだろうに変わる
そして、いつしか記憶から消え去っている
秘密だったことも
誰にも言えなかったということも……
青紫の小さな花が咲いている。
花と葉の色のせいか、植物なのに何故かそれは金属のような硬い印象を与え、びっしりと密集した小さな花は遠目には医療器具のようにも見えた。
見上げる位置にそれがあるのは、自分が体を横たえているからだ。青紫の花と青白い葉に見下ろされ、私はその向こうに月を見る。
「君が守ろうとしたものは、壊される運命にあった」
いつもは軽薄に聞こえるその声に、今夜はどこか哀しい響きがあった。
「壊されなければ、前に進めなかった」
そんな事が許されるのだろうか。何かの犠牲の上にしか成り立たないものなど、それこそ壊れてしまえばいい。
「君がそう言って動くまで、誰もそれを疑わなかったんだよ」
声はするが姿は見えない。夢の中ではいつもそうだ。
「心が凍り付いたまま生き続けるのが、当たり前だと思っていた」
青紫の花、青白い葉、その向こうに輝く白い月。
金属のような色のせいか、空気がひどく冷たい。
「君が恋をしたのは、そういう存在だった」
その言葉は今まで聞いた彼のどんな言葉より鋭く、私の胸に突き刺さる。
「私が·····」
壊したようなものだ――。
青紫の花と白い月。
花と月を遮るように、男が顔を覗かせる。
「違うよ」
頬に触れる手は、思いがけず優しい。
「君がいたから、彼女は人として生き、人として死ぬことが出来たんだ」
覗き込む男の瞳に、私は初めて彼の感情を見た気がした。
――死ねない彼は、どうやって孤独を癒すのだろう?
END
「誰にも言えない秘密」
誰にも言えない秘密は墓場まで持っていこう。
骨と一緒に埋めてしまおう。
だから墓場を掘り返したら誰かの秘密が出てくる。
やってみるって? 罰当たりな。
誰にも言えない秘密はありますか?
そう訊かれてバカ正直に答えられるだろうか。
例えばそれが、幼い頃好きだった特撮ヒーローが好きな人や仲間に正体を伝えられないようなそんな秘密なら。
例えばそれが、誰かの大切なものを壊してしまったことを隠すような秘密なら。
例えばそれが、自分のためではなく大切な誰かから託されたものなら。
こたえられるだろうか。
自問自答を繰り返す。
特撮ヒーローはいつか正体がバレる。
壊してしまったものは謝れる。
託されたものだけは絶対絶対最期まで大切に護ろう。
だから、なにかあったら言ってね。
貴方が託してくれるなら私はきっとそれを受け取るから。
言葉じゃなくてもいいよ。
例えばそうだな。
梅雨の合間にたまたま晴れ間が覗いた日は、
言葉の代わりに一輪の花を持って会うのはどうかな?
秘密の逢瀬に相応しい花をお互いに持ち合おう。
誰にも言えない秘密を語り合う共犯者、いてもいいだろ?
それに
正直な話。
少し憧れていたんだ。
特撮ヒーローに出てくるヒーローの正体を知っているポジってやつに。
誰にも言えない秘密
ここに書いた時点で
秘密じゃ無くなる
有っても無くてもウソになるから
書けないね
誰にも言えない秘密
独りの夜は、時々涙を流してしまう。
掃き溜めに溜まった不安と不満を洗い流すために。
あなたがいてくれさえしたら、こんなことを考える必要もないのだけれど。いないものは仕方ないかな。会いたいな。
この寂しさは寝て起きればいなくなっているから、人に見せることはできない。だから今日も独りで泣く。
頬を伝う涙は、なんだか甘酸っぱい味がした。