『裏返し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕のじいちゃんは最近なくなった
ご近所の人や知り合いが来て泣いていた
ぼくはとてもじいちゃんには冷たく接していた
だがこのときはとても悲しかった
次の日に写真の整理をしているとき
じいちゃんの枕元の裏に手紙が落ちていた
読んでみると「孫が冷たく接していて辛い
でも頑張ろう」という手紙だった
じいちゃんがこんな思いをしていたなんて
じいちゃんは毎日枕を裏返して書いていたんだ
裏返した時どんな気持ちだったのだろう
僕は自然に涙が出てきてこうつぶやいた
【ごめんなさい】
「裏返し」
ある日、自分には裏があることに気づいた。
今まで自分にはないと思っていたけれど、表が隠れたときに、裏は出てきた。色んな人の話を聞いたり、本を読んだりしたところ、裏は誰にでもあるらしい。
私は時々思う。相手を裏返したいなと。
反対に、裏返してほしいなとも。
相手と私の表同士で関係を築きたいから。
愛情の裏返しって言うんだって。
僕は、そのままの愛情が欲しかったけど。
018【裏返し】2022.08.22
どんくさい子どもだったから、「裏返しになった長そでの服を表にかえす」っていうのがよくわからなかった。お母さんが、手取り足取り、教えながら直してくれるんだけど、手品にしかみえなくて、いつも、???、ってなってた。
さすがに、いまだにこまってる、なんてことはないよ。布団のカバーも裏返しのまま器用にかけたりできるから、むしろ、得意になってるのかも。
だけど、それでも。どこかにどんくささがのこってるんだろうね。裏返しの布地を表に返すときって、世界の上下がぐるっといれかわるような、口から内臓がはみでて表返しになるような、奇妙な気分にとらわれるんだ。
ここはどこ? わたしはだれ? ここはホントにさっきまでと同じ世界?
って。洗いたてのカバーを布団にかけ直すたびに、裏返しの世界から行って帰ってくるような、ヘンな気持ちになる。
さっき、ぐるっとなったのは。カバーでなくて私だったのでは?
って。わからなくなるときがある。
もしかしたら、だけど。メビウスの輪の上をぐるぐるぐるぐる歩き続けてるひとって、こんな気持ちがしてるのかもしれないね。
裏返し
人間は、いつも表で、生活している
ある時に、ふと裏返しになる
それが、我々にとっていい影響を与えるのか、それぞれだ。
それも含めてからが、
「性格」なのだ。
ほんとは思ってる
大事で
心配で
いつも思ってる
元気かなって
ちゃんと食べてるかなって
伝えるのは難しい
ほんとは
ちゃんと思ってるよ
------------------------------------------------「裏返し」
裏返し。
今日本当は
逢いたくても
逢えないから
裏返しの現場に。
友達に
「あれっ?」って
言われたけど。
嫌いと思っても
今日も来てる私は
嫌いの裏返し。
裏返しにしか考えられない自分が嫌い。褒め言葉を貰っても、贈り物を貰っても頭に浮かぶのはお世辞やら気の毒に思われてる、とか。だって人に期待してしまったら、もしそれが崩れた時どうしろというのだ。ならばこちらから一線引いておく方が何倍も良い。
「おはよう」
だから、こうやって話しかけてくれる君にさえ壁を作っている。君は優しいから、誰にでも挨拶をしているだけ。同じ言葉をそっと返すとふとあることが浮かんだ。
「……昨日のストーリー何?」
「君と撮りたかったから」
嗚呼、なんて酷いひと。昨日更新されていたストーリーの一つに君がいて、そこにはただ、君と自分の自撮りが上がっていた。なんでわざわざ?君には多くの友達がいるのに、なぜツーショなんて。普通、交友関係を保つためとはいえそんなことするだろうか。だって、そもそも話はするけど一緒に出かけるようなことは無いのだから、自分の写真が上がることがなくても何の問題もないような人間なのに。それなのに、なぜ君の隣に、自分が、
自分が、いる、なんて。
裏返しの感情も、風さえ吹いてしまえば、
[裏返し]
裏返し
義母は、洗濯物を干すとき、いつも裏返しに干していた。
私はきちんと表にしてボタンやファスナーもキチンとしめないと気持ちが悪い。
なぜ裏返しにするのか考えてみた。
脱いだとき裏返しになるので、戻すのが面倒くさいから?
紫外線で退色するのを防ぐため?
義母に聞いてみると、中に虫が入っていると着た時に刺されてしまうので、畳む時にひっくり返せば気が付くということらしい。
でも、冷静に考えてみれば、手をいれた時点で刺される気がするのだけれど。
そして、夫は若い頃なぜか、トレーナーとか短パンとかを裏返しに着ていた。
なぜそんな風に着ていたのか聞いてみると、長持ちするからだそうだ。
これも理解できない。
長持ちするとしても、格好悪い。
それに子供の頃、裏返しに着ると死んだ人になっちゃうよと母に注意された。
おっちょこちょいな私は、ウッカリ裏返しを良くやって、恥ずかしい思いをしている。
家族それぞれの裏返し事情。
いつもいつも
あれやこれやと
口うるさいのは
僕を心配する
君の愛情の裏返し
だけど
僕は気付かず反発し
言うことを聞かなかったね。
それを今、思うと
君はどれほど
イライラしただろうか。
歯がゆかっただろうか。
ねえ、君。
君の小言も説教も
僕を心配する優しい声も
なくなってしまった
今の僕の周りの世界は
なんて
わびしいの、だろう。
物足りないの、だろう。
静か、なんだろう。
君の姿がなくなってしまった
君の声も消え失せてしまった
僕の世界は
なんと。
#裏返し
朝起きて
まだ誰もいない部屋でのびをする
朝ご飯の支度をして
ひと息ついた頃
子どもたちが起きてくる
おはよう
最後はお父さん
いつもの光景
裏返しの人生を生きてきた
みんなが普通にとおる道ではなく
脇道で舗装されておらずゴミだらけの獣道
裏返しの世界
表参道を通ろうとしたら塞き止められた
女だから、男のお金に転ばないから、権力に転ばないから
「資本主義」という方程式を理解しない
『野蛮人』だから
よって普通の大勢が通る
異性にときめいたり 同期に助けたり助けられたり
そんなことは全くなく
男社会に放り込まれて彼らの憎しみを浴びて育った
華やかな…男だ女だ家庭だ仲間だのの裏返しの世界には
はねのけられた人間の血と涙が点点と続いていた
いつもいつも裏返しの靴下をほったらかし
毎日君に「ちゃんと表返してから入れて」っと怒る
愛想もなく、はぁーいっと言う君
幸せだったなそんな日々が
わざと自分で靴下を裏返して
洗濯する
大好きだったな
きみが
お題《裏返し》
神様に遊ばれるくらいなら、こっちが遊んであげる。
表舞台見事華やかに演じてみせましょう。
砂の楽園。
淡く染められた布が水面に散る。
月灯りを織り込んだような長い髪の少女は、氷青の瞳の少年に口づけをする。心身が溶けてゆくように、堕ちていく――美しい少女の鈴とした声とは遠いほど、その声は星屑糖(こんぺいとう)のようにあまい。
少年は思った。
この少女が神とするならば――《禁忌》かもしれない、と。
少女は神となり、少年と遊ぶ。
二人の手が重なる。温かくて、ずっと繋いでいたいの。だけど、この手を離さなきゃいけない日が近づいてきた。わかってる、もういいの、私は貴方の前から消えると決めたから......
彼には婚約者がいた。それを知ったのは婚約者からの接触だった。
( 裏返し )
嘘を重ねないと生きれない。
楽しくないも楽しいと
嬉しくないのに嬉しいって
感情を裏返してる内に
とうとう〝本当〟が分からなくなった。
多様性が叫ばれるのは多様性が認められてないから、
大丈夫?と聞かれるのは大丈夫じゃないから
あなたは普通だよっていうのは普通じゃないから。
全部全部裏返しで何を言えば信じられる文言になるんだろう。
裏返し
人ってさ表面しかみないよね、だから騙されんだよ
ちゃんとその人の性格を裏返してみないと、
人は何企んでるか分からんからさ、、、
大人は言う
「怒っているのは優しさの裏返しだ」
と。
それなら君、優しくないね
君は怒らないもの
怒らないけど
人を笑顔にできる
ほっかほか~
裏返し……か
この世の全てには
裏があるのかな
「裏返し」
リバーシブルの服が洗濯で裏返って、そういえばこんな色もあったなぁって。
明日はこっちの色着て出かけようかな。
こんな小さな選択でも、見える世界が変わるかもしれない。気分ってそんなもんよね